YOASOBI、千葉雄喜、XG、緑黄色社会、なとり×キタニタツヤ、SEVENTEEN……注目新譜6作をレビュー

緑黄色社会「馬鹿の一つ覚え」

【主題歌解禁】映画『六人の噓つきな大学生』予告<11月22日公開>

 映画『六人の嘘つきな大学生』主題歌となる書き下ろし新曲。一聴した印象はファンクだが、曲が終わる4分後にはまるで印象が違っている。ノイジーなギターが暴れ、アドリブのようなキーボードがメインになり、後半にはレゲエやダブ風も飛び出してくる。編曲は穴見真吾(Ba)。全体を通して最もいい仕事をしているのが彼のベースラインでもある。J-POPでここまでベースを面白く聴かせる曲も珍しい。また、映画の内容に寄せて「嘘」をテーマに曲を書いたのは長屋晴子(Vo/Gt)だが、善悪や被害者/加害者の目線で裁くことなく、伸るか反るか、派手なショータイムの幕開けとして描いているから、聴き心地はあくまでスカッとしている。めくるめく声色の違いも楽しい。(石井)

なとり×キタニタツヤ「上書きしちゃった」

 2020年代の音楽シーンを更新していく二人によるコラボ。4曲入りEP『いらないもの』の表題曲はアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』(フジテレビ系)オープニングテーマだが、「上書きしちゃった」はまっさらな新曲である。二人が自由に作りだすと相当ネガティブな世界になってしまうのではないかとも思っていたが、〈あたし〉を主人公にした失恋ソングと設定したのはナイスな判断。作り手と歌の間にいい距離が生まれ、歌詞の内容に反してドロドロしたところのないポップスに仕上がった。中毒性のある高速ビートとメロディの組み合わせ、少しだけ未練の残るエモさ(キタニ)と吹っ切れた気怠さ(なとり)が入れ替わるデュエット形式もよし。(石井)

SEVENTEEN「消費期限」

主題歌 SEVENTEEN「消費期限」SPECIAL MOVIE【未来の私にブッかまされる!?】

 クラシカルな弦の音色からはじまる「消費期限」は、ドラマ『未来の私にブッかまされる!?』(NHK総合)主題歌としてオンエアされている楽曲。WOOZI(ウジ)を中心に制作され、歪みを効かせたギターサウンドと流麗なストリングスが響き合う、個性的なバラードナンバーに仕上がっている。繊細な感情から圧倒的なカタルシスへと進むドラマティックな旋律とともに綴られるのは、「この感情はいつまで続くのだろう?」というテーマに裏打ちされた歌詞。永久に続く感情はなく、どんなに強い思いもいつかは消える――そんな不安を振りほどくように歌われる〈君への感情には消費期限なんてない〉というラインは、SEVENTEENのファンはもちろん、幅広いリスナーに一瞬の夢を与えてくれるはずだ。(森)

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