なとり、夢を叶える新たなフェーズへ 初のホールワンマン『劇場~再演~』で見せた“覚醒”の予感
「ぶち上げるためのロックな曲が少ないと思って、新曲を持ってきました」と未発表の新曲「IN_MY_HEAD」を披露。四つ打ちのダンスロックのビートに乗せて力強く叫ぶこの曲に続いては、じんが編曲とギターで制作に参加した「絶対零度」へ。速いテンポでエネルギッシュに駆け抜けると、ギターを激しくかき鳴らした「エウレカ」とロックナンバーを続け、会場の熱気を高める。このあたりのパワフルな楽曲がセットリストに加わり、なとりのライブにまた新たな魅力が生まれているように感じた。
オーディエンスの手拍子と共に「Cult.」を歌ったなとりは「とても大事なお知らせをさせていただきたいなと思います。2026年2月19日、なとりワンマンライブ@日本武道館、決定しました!」と発表。客席からは喜びと祝福の歓声が上がる。なとりにとって武道館は大好きなアーティストのライブを初めて観た思い入れの深い場所だという。「夢を叶えるフェーズが来たと思って、しみじみ嬉しい気持ちです」と感慨深い様子を見せていた。
さらに「僕はずっと今まで、暗闇とか夜を見つめて曲を作ってきたんですけれど、みなさんと関わる日々を通して、ちゃんと日なたを見ながら、みなさんを救える曲を作っていきたいという思いになってきました」と、音楽に向き合う思いの変化を語る。そして、本編ラストに披露したのは「距離は遠くてもずっとそばにいる曲」という「糸電話」だ。包容力ある優しいメロディを歌い、ラストには銀テープが舞う。幸せなムードに会場を包み、なとりはステージを降りた。
アンコールを求める歓声に応えて再びステージに登場したなとりは、先ほどまでとは打って変わったリラックスムードでバンドメンバーとトークを繰り広げる。「みんながいてくれるという環境がとても素晴らしいことだなと、今しみじみ思っています。本当にありがとう」とバンドメンバー、スタッフ、集まった人たちに感謝を告げ「最後に1曲だけ、みなさんと歌いたい曲を」と、椅子に腰掛けてアコースティックギターを弾きながら「夜の歯車」をしっとりと歌い上げてライブを締め括った。
来年5月からは『なとり Zepp Tour 2025』がスタートする。『なとり ONE-MAN LIVE at 日本武道館 2026』は再来年2月だ。この日のMCでは「これから僕はたくさんの変化を繰り返して、もしかしたらみなさんを置いてけぼりにするかもしれない。でも僕はちゃんとみなさんのことを愛しているので、これからも僕の音楽をたくさん聴いてほしいと思います」と、なとりは語っていた。「これからは第2フェーズ」とも言っていた。きっとこの先、着実にステップアップした姿と新たな光景を見せてくれるだろう。そんな予感が余韻に残る一夜だった。
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