なとり、「Overdose」がストリーミング総再生2億回突破 Spotify CMソング「フライデー・ナイト」に感じるリアルな勢い
20歳のシンガーソングライター、なとりの勢いが止まらない。自身初の配信曲として昨年9月にリリースした「Overdose」が、ストリーミング総再生2億回を突破した中、今なお、各サブスクリプション音楽配信サービスで、数多くのプレイリストにピックアップされている。Spotifyにおいては「Tokyo Super Hits!」「Weekly Buzz Tokyo」などの他、ワールドワイドトレンドと日本のヒット曲をピックアップする「Hot Hits Japan」など(3月27日現在)。これは「Overdose」という曲が、リリースから7カ月経った現在でも、SNSやサブスクを中心にヒットしている証拠だ。実際、TikTokでは今でも日々関連動画が投稿されている。
2021年に音楽活動をスタートさせたなとりは、元々、TikTokで次々に新曲を披露していく中で、注目を集めた。このプロセスを考えると、SNSと親和性が高いアーティストだと思うのだが、「Overdose」が一過性のヒットに終わらず、ロングヒットを続けているのには、他にも理由があるだろう。まずは一聴したら忘れられない楽曲のインパクトだ。語感を生かしたリズム、メロディの扱い方、余白もフックにしてしまうようなトラックや音色の配置、ループさせるフレーズなど、非常に中毒性が高い。同様に、その歌声にも中毒性がある。ウィスパーボイスと称されることも多いなとりの歌声は、喉を開いて胸のあたりで声を響かせる手法で、低音でも高音でも声音の印象があまり変わらない。印象が一定しているゆえに、その歌声がしっかり印象に残る。また、ファルセットを多発することなく、音階の中で自然に聴かせるあたりも好感が持てる。加えて、母音の「い行」をロングトーンで出しても、苦しそうに聴こえないあたりに歌い手としてのスキルが垣間見られる。
TikTok LIVEやインスタライブなどを行ったり、TikTokやリール動画では演奏したり、歌ったりする様子が投稿されているものの、いまだ顔出しをしておらず、ベールに包まれている部分も多いなとり。3月31日には新曲「フライデー・ナイト」をリリースした。