Nothing's Carved In Stoneの揺るぎない原点と進むべき道 雨の野音ワンマンで見せたロックバンドの底力

NCIS、雨の野音ワンマンレポ

 オーディエンスのコーラスが日比谷の夜に響き渡って始まった「Dear Future」を終えると、セットリストは早くも本編最後の曲に。一言「ありがとうございました」と告げると、ステージに仕込まれたミラーボールが回り出し、暗い夜空に星空を作り出す。そうして演奏されたのはもちろん「The Silver Sun Rise Up High」だ。ファンとバンドのつながりを確かめるように鳴らされたこの曲が、美しくライブの終幕を彩ったのだった。

Nothing’s Carved In Stone 日比谷野音ワンマンライブ(撮影=RUI HASHIMOTO [SOUND SHOOTER])

 その後アンコールでは「Will」を披露、村松は「エモいこと言う必要もないくらいエモいね。最高の夜をありがとうございます」と感慨深げ。「同じ時代を生きていることの意味、現時点でなかなか感じることはできないと思うけど……長く続けます。一緒に生きていってください」。こうして同じ会場で何度もライブをやるということもそうだし、新しい作品を作り続けるということもそう。ナッシングスがその体と音楽で伝えているのは、ロックバンドが続いていくことの美しさと特別さだと思う。決して特別な演出やサプライズがあるわけではない。彼らは今日も淡々とステージに上がり、いつものようにすさまじい音を全力で鳴らし、そしてすべてを出し切って去っていく。その特別さと困難さを、5回目にして雨に降られた今年の野音は教えてくれた気がする。ラストに鳴らされた「Isolation」はいうまでもなく彼らの始まりの曲。揺るぎない原点と進むべき道を高らかに指し示して、5度目の野音は幕を下ろしたのだった。

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