BUMP OF CHICKEN、ATEEZ X BE:FIRST、秦 基博×sumika、ビッケブランカ、ジェニーハイ、優里……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はBUMP OF CHICKEN「青の朔日」、ATEEZ X BE:FIRST「Royal」、秦 基博×sumika「ハローサーリアル」、ビッケブランカ「High Love」、ジェニーハイ「ノーメイクスター feat.詩羽」、優里「+1」の6作品をピックアップした。(編集部)

BUMP OF CHICKEN「青の朔日」

 前作『aurora arc』以来、約5年ぶりのフルアルバム『Iris』に収められた新曲「青の朔日」は、煌びやかで切ないギターのアルペジオと藤原基央(Vo/Gt)が紡ぎ出す〈終わらない夜の途中〉というフレーズではじまる。そのままギターと歌だけで曲は進み、1分10秒くらいでドラムとベースが本格的に加わり、生々しいバンドサウンドが立ち上がる。4人の音が有機的に絡み合う、プリミティブにしてタイトな音像とともに放たれるのは〈明日が全てを失っても あなたの鼓動だけは歌ってほしい〉という切実な思い。「朔日」とは“月の最初の日”や“新月”、つまり、物事の始まりを意味する言葉。4人はまたここから新しい場所に向かって進み始めるーー瑞々しさと強い決意を共存させたこの曲を聴けば、誰もがそのことを実感するだろう。(森)

BUMP OF CHICKEN New Album 「Iris」2024.9.4 Release

ATEEZ X BE:FIRST「Royal」

ATEEZ X BE:FIRST「Royal」

 今年7月に配信された「Hush-Hush」に続き、ATEEZとBE:FIRSTコラボの新曲「Royal」が到着。重厚感のあるサブベース、ヘヴィな手触りのキック、壮大なスケール感をたたえたトップラインが響き合い、ダンスミュージックとしての機能と幅広いポピュラリティを共存させた楽曲に仕上がっている。リリックのテーマはずばり“Royal”。〈王冠はこの頭上に/大歓声を背後に/歴史と呼ばれるStory〉に象徴される高貴なリリックを堂々と奏でることで、上昇を続ける両グループの無敵ぶりをアピールしている。韓国、日本のトップランナーたちによるコラボレーションは、現在のアジアの音楽シーンの充実ぶりを改めて証明することになりそうだ。(森)

秦 基博×sumika「ハローサーリアル」

秦 基博×sumika「ハローサーリアル」

 11月20日にリリースされる、秦 基博初のコラボレーションアルバム『HATA EXPO -The Collaboration Album-』からの先行配信曲。まずはsumikaを迎えて、というか、sumikaの大所帯ライブ編成に秦が思い切って飛び込んだ印象の曲である。鍵盤、ホーン、コーラス隊などが次々と入ってくる色彩の豊かさは、自分自身と向き合いがちなシンガーソングライターとは真逆の世界。〈弾ける泡〉〈とんだカーニバル〉などの歌詞は、集団で音を鳴らす楽しさから生まれたものだろう。カラフルな展開は限りなくsumikaの楽曲っぽいのだが、後半、バックの音が一瞬静かになるパートで〈鏡に映った〉と秦が歌い出すと、空気がスッと引き締まるのだ。これが、長年ソロで歌ってきたシンガーの底力。(石井)

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