ヒプノシスマイク『.MAD TRIGGER CREW』に刻まれた3人の信念と絆 浅沼晋太郎&駒田航&神尾晋一郎 ロングインタビュー

神尾晋一郎(毒島 メイソン 理鶯 役)ソロインタビュー

ーー『10thライブ』はいかがでしたか?

神尾晋一郎(以下、神尾):楽しかったですね。トロッコにも乗れましたし(笑)。『10thライブ』は、アルバム『The Block Party -HOMIEs-』『The Block Party -HOODs-』の曲を違うディビジョンのメンバー同士で歌うシーンもあったので、音楽フェスやお祭りのようなピースフルな雰囲気を感じました。演者もお客さんも笑顔が多かったイメージがあります。やっぱり、バトルシーズン中のライブとは、矢印の方向性が違いましたね。

ーー理鶯は、『The Block Party -HOMIEs-』から「Move Your Body Till You Die!」が初披露されました。かなり個性的なエクササイズチューンで。

神尾:そうなんです! ヒャダイン(前山田健一)さんとDJ KOOさんに最高に素敵な曲をつくっていただいて。ラップというよりほぼナレーションとセリフで構成されてるんですけど、セリフは普段からやっていることなので少し余裕があるからこそ、ダンサーさんと一緒にダンスにトライさせていただきました。そのために、なるべく足まわりが動きやすくて、アウターも脱げる衣装にして。初めて曲ありきで衣装を決めましたね(笑)。ほかのキャストも巻き込んで、すごく楽しめました。

ーー演出面では、それぞれキャストさんのアイデアを反映しているんですよね。

神尾:はい。役者として「こうしたほうがキャラクターらしいのではないか?」という提案をして、演出の方と双方向でやり取りしながらできる環境なのはありがたいです。駒ちゃんが銃兎と零の「白と黒」の台本を考えていたり、左馬刻の「燐火」に入るタイミングの演出やカメラワークを浅沼さんと駒ちゃんで練っていたのを知っていたので、現地でいい反応が返っているのを見て「うまくいってよかったなあ」と思いました。

ーー理鶯としての演出アイデアの幅は、初期と比べて広がってきました?

神尾:特に『10thライブ』は、バトルの時とは違ってみんなと一緒に盛り上がるということを意識したうえでの見せ方でしたね。うちのディビジョンはこういうことをしないんじゃないかと思いながらも、「ここはちょっと逸脱していいかな?」など、柔軟に考えてやれるようになりました。

ーーヒプノシスマイクのライブは、コンテンツとシンクロするというよりご本人のパフォーマンスがメインなので。みなさん、ステージに立っているだけでキャラクターのオーラを感じます。

神尾:どのディビジョンもそんな気がしますね。たぶん、前半でバトルをいっぱいしたからじゃないかなあ。お互いに体を張って、おでこを突き合わせてラップバトルをしてきたから、自然とキャラクターらしさを表現できるようになったんだと思います。それを全員が経験してるという部分は大きいですよね。

ーーそして、ディビジョン別CD 7カ月連続リリースの第2弾として『.MAD TRIGGER CREW』が完成しました。ソロ曲「NO WAR」を聴いた時の印象はいかがでしたか。

神尾:ドラマトラックの内容とリンクした曲になるというお話を聞いて、どんな曲になるんだろうとわくわくしながら待っていました。そして曲が届いてーーまず、「作詞・作曲:MC TYSON」という文字を見た時に「強すぎる!」と。僕が知っているMC TYSONさんのMVはとにかく強いイメージだったんです。でも、MC TYSONさんの仮歌が入ったデモを聴いたら、すごくメロウに歌いあげていらっしゃったんですよ。それがめちゃくちゃかっこよくて「どうしよう……」と思いましたね(笑)。仮歌がすごすぎて、今まででいちばん悩んだと思います。

ヒプノシスマイク 毒島 メイソン 理鶯「NO WAR」Trailer

ーー今までのソロ曲のオラオラした雰囲気とは違いますよね。

神尾:いちばん最初の「What’s My Name?」は自己紹介で、2曲目の「2DIE4」はバチバチな部分があって、今回はドラマトラックの理鶯の現状も踏まえつつ、初めて内面的な部分を歌った曲だと思います。MC TYSONさんの仮歌も、声を張らずに、ウィスパーっぽい、息多めの歌い方で。ただ、MC TYSONさんの声って、下の倍音が揃っているから低く聴こえるんですけど、キーは高いんですよね。そのままでも歌えるけど、理鶯のキーに合わせるとよさが消えてしまいそうで、その塩梅にはすごく苦労しました。初めてキーを少し下げてもらって、理鶯の声を維持しつつ、優しい声になりすぎないギリギリのところを狙って歌いました。

ーーなるほど。

神尾:でも、このトーンで歌うからこそ、逆に今までの曲のなかでもいちばん攻めてるというふうにも思うんですよね。やっぱり、元軍人が言う「NO WAR」ほど強いものはないですし。覚悟もありながら、迷いもあったことが伝わってくるんです。

 僕がいちばん好きなフレーズが〈こっちのファイナルアンサーがバイラル〉という部分で。“バイラル”って、よくバイラルチャートとか聞きますけど、「拡散してすぐ収束する」というような意味があるらしいんですね。最後の答えは出ているけれども、それもすぐ収束して違うものになるということは、彼のなかでも白黒つけられていない。一方で、「探し続ける optimal solution」と、“最適解”を求めていくんですよね。彼のことをずっとパーフェクトソルジャーだと思っていましたけど、ちゃんと人間らしさが歌われていて、嬉しいソロ曲になりました。

言いたいことは理鶯の「NO WAR」に繋がっていく

ーー戦ってきたからこそ、〈平和願うsoldier〉というところに本音を感じてグッときます。

神尾:そうなんですよね。でも、〈心から世界が笑える日が 来るまで合わす照準を〉なんです。闘いは続ける、というところもなかなか強い。この曲をこの時代にこのタイトルで出すところにMC TYSONさんのメッセージや強さを感じましたね。本当に曲がかっこよすぎるので、そのままMC TYSONさんが出してほしいくらいの曲ですよ(笑)。毎回、どの曲でもそうですけど、仮歌を超えなきゃいけないという気持ちと、当然超えられるものではない!という想いの両方があります。

ーードラマトラックでは理鶯はかなり大きな岐路に立たされますが、シナリオを読んでどう感じましたか?

神尾:大切なものはありながらも、「何を優先するのか?」と迷っているシーンが多い印象でした。収録では、最初に僕と駒ちゃんと頸木役の阿座上(洋平)くんたちと録ったあと、可能なら上官である少佐役の小山(力也)さんと一緒に録りたいとお願いをして、別日に小山さんと浅沼さんと3人で収録させていただいたんです。みなさんとしっかり掛け合いができたのはよかったです。

ーー小山さんが演じる少佐は、ずっと理鶯の行動原理となっていた存在ですよね。

神尾:はい。小山さんのお芝居は、優しくも冷徹で、強い意志を感じました。そんな相手に対して、何も二の句が継げなくするようなラップを歌わなきゃいけないということで、ドラマトラックのなかのラップもかなり難しいかったですね。「NO WAR」がメロウな反面、ドラマトラックのラップはとてもバチバチしているので、両方楽しんでほしいです。

ーー左馬刻の「Backbone」と、銃兎の「Awake」についてはどんな印象がありますか。

神尾:「Backbone」はやっぱりサ上さんが作詞しているからこそ、一貫してブレない感じがあっていいですよね。銃兎の曲に〈力でねじ伏せてきたが気づいた/暴力・権力・武力じゃ解決できない〉というリリックがあるように、3人それぞれに気づきがあって。結局、言いたいことは理鶯の「NO WAR」に繋がっていくので、3人合わさるとすごく意味が通る。示し合わせたのかはわからないですけれども、役割分担されて、3つでひとつの作品なのかなと思います。

 あと、3人の曲の頭文字をとると「BAN」になるんですよ。MAD TRIGGER CREWでは、よく「バーン!」と撃つマネをするので、誰かが合わせてくれたのかなと勝手に思っています。たぶんこじつけですけど(笑)。

ーーははは。3人ともラップの個性も声質もまったく違うのに一体感があって、同じ場所を向いているのが伝わってきます。

神尾:同じ三角形のまま進んでいく、というね。浅沼さんはどっしりしたヨコハマの屋台骨だと思っていますし、駒ちゃんは遊撃部隊のように跳ねるようなラップで。3人のバランスがいいですよね。

ーーヒプノシスマイク始動から7年ほど経ちますが、理鶯やMAD TRIGGER CREWは、神尾さんのなかでどんな存在になっていますか。

神尾:どのキャラクターでもそうですが、理鶯の音は彼だけのものだと思ってやっているので。その音で歌える機会があるのは嬉しいです。あと、MAD TRIGGER CREWの3人は公私ともに仲がいいので、欠かせない存在になってきている気がします。ヒプマイに関係なく3人のグループLINEが動いているし、どこかに行ったらふたりにお土産を買って帰りますからね(笑)。

ーー(笑)。では、最後にヒプノシスマイクのこの先に向けて期待していることはありますか。

神尾:11月に初のファンミーティングがありますけど、さらにいろんな目的で楽しめるライブがたくさん行われたら嬉しいですね。MAD TRIGGER CREWだけのライブとか、どこかのディビジョンと2組でやるとか……バトルを中心にしたバトルライブもやってみたい。僕はバトルとなったら本気になるので(笑)! バトルでは、いつも僕と駒ちゃんが過激で熱を上げるんですけど、浅沼さんが平和主義なんです。玉座に座ってほしい人が平和主義っていうバランスが面白いんですよね。

※1:https://x.com/bpmweb/status/1064393598181957632

■リリース情報

『.MAD TRIGGER CREW』
『.MAD TRIGGER CREW』

『.MAD TRIGGER CREW』
発売中

通常盤:KICA-3307/2,530円(税抜価格 2,300円)
ELR Store限定盤 アクリルブロック3種セット付き:ECB-1697/6,000円(税抜価格 5,455円)

<収録内容>
M1:「Backbone」碧棺 左馬刻(CV:浅沼晋太郎)
作詞:サイプレス上野 作曲・編曲:FOUX(TOKA)

M2:「Awake」入間 銃兎(CV:駒田航)
作詞:KVGGLV 作曲・編曲:BACK FACE TORA

M3:「NO WAR」毒島 メイソン 理鶯(CV:神尾晋一郎)
作詞・作曲:MC TYSON 編曲:T’Z BEATZ

M4:Drama Track「Time For Heroes」

<パッケージ仕様>
初回製造分のみスペシャルデジパック仕様

<CD封入特典>
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング MAD TRIGGER CREW』CD購入者抽選予約受付シリアル
日程:2024年11月3日(日)/場所:ザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県立県民文化センター)

<発売スケジュール>
6月26日(水)イケブクロ・ディビジョン『.Buster Bros!!!』/KICA-3306
詳細:https://hypnosismic.com/music/2024-0626_kica-3306/

7月24日(水)ヨコハマ・ディビジョン『.MAD TRIGGER CREW』/KICA-3307
詳細:https://hypnosismic.com/music/2024-0724_kica-3307/

8月21日(水)シブヤ・ディビジョン『.Fling Posse』/KICA-3308
詳細:https://hypnosismic.com/music/2024-0821_kica-3308/

9月18日(水)シンジュク・ディビジョン『.麻天狼』/KICA-3309
詳細:https://hypnosismic.com/music/2024-0918_kica-3309/

10月16日(水)オオサカ・ディビジョン『.どついたれ本舗』/KICA-3310
詳細:https://hypnosismic.com/music/2024-1016_kica-3310/

11月13日(水)ナゴヤ・ディビジョン『.Bad Ass Temple』/KICA-3311
詳細:https://hypnosismic.com/music/2024-1113_kica-3311/

12月11日(水)中王区“言の葉党”『.中王区 言の葉党』/KICA-3312
詳細:https://hypnosismic.com/music/2024-1211_kica-3312/

予約URL:https://hpmi.lnk.to/2024CD

■公演情報
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング Buster Bros!!!』
日程:2024年11月2日(土)
場所:ベイシア文化ホール(群馬県民会館)
出演:木村昴、石谷春貴、天﨑滉平
※6月26日(水)発売『.Buster Bros!!!』にCD購入者抽選予約受付シリアル封入

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング MAD TRIGGER CREW』
日程:2024年11月3日(日)
場所:ザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県立県民文化センター)
出演:浅沼晋太郎、駒田航、神尾晋一郎
※7月24日(水)発売『.MAD TRIGGER CREW』にCD購入者抽選予約受付シリアル封入

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング 麻天狼』
日程:2024年12月22日(日)
場所:山形やまぎん県民ホール
出演:速水奨、木島隆一、伊東健人
※9月18日(水)発売『.麻天狼』にCD購入者抽選予約受付シリアル封入

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング Bad Ass Temple』
日程:2024年12月28日(土)
場所:北九州ソレイユホール
出演:葉山翔太、榊原優希、竹内栄治
※11月13日(水)発売『.Bad Ass Temple』にCD購入者抽選予約受付シリアル封入

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング Fling Posse』
日程:2025年1月12日(日)
場所:グランキューブ大阪
出演:白井悠介、斉藤壮馬、野津山幸宏
※8月21日(水)発売『.Fling Posse』にCD購入者抽選予約受付シリアル封入

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング 中王区 言の葉党』
日程:2025年1月18日(土)
場所:ひの煉瓦ホール(日野市民会館)
出演:小林ゆう、たかはし智秋、山本希望
※12月11日(水)発売『.中王区 言の葉党』にCD購入者抽選予約受付シリアル封入

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング どついたれ本舗』
日程:2025年1月19日(日)
場所:アクトシティ浜松
出演:岩崎諒太、河西健吾、黒田崇矢
※10月16日(水)発売『.どついたれ本舗』にCD購入者抽選予約受付シリアル封入

『ヒプノシスマイク』オフィシャルサイト:https://hypnosismic.com/
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