2022.12.20 18:00

植木豪、“生粋のエンターテイナー”が生み出す演出　『ヒプノシスマイク』『進撃の巨人』ら舞台手がける手腕

文＝高橋梓

　2023年1月7日からスタートする舞台『「進撃の巨人」 -the Musical-』。その演出を手掛けているのが、アーティストとしてはもちろん、演出家、プロデューサーとしても活躍している植木豪だ。

　もともと植木はダンサーとしてその名を轟かせてきた。国内外様々なダンスコンテストで優勝を果たし、日本のダンスシーンを牽引してきたといっても過言ではない。そんな中、1998年にドイツで行われた『BATTLE OF THE YEAR』に日本人として初参加。見事Best Showを受賞する。加えて、同年に日本最大級のダンスコンテスト『ALL JAPAN DANCE DELIGHT』でグランプリに輝いたことをきっかけに、ダンスパフォーマンスグループ・PaniCrewを結成。植木はメインボーカルを務め、日本におけるダンス文化の発展に貢献してきた存在だ。以降、様々な音楽活動をしたり、ダンサーとしてステージに立ったり、第一線で活躍し続けているというわけだ。

　一方で数多くの舞台にも出演し、役者としての顔も持つ植木。キャリアを磨いていく中で、2014年には初演出・出演となる『WASABEATS』を行なった。同公演は国内外で上演され、不動の人気を得るまでに成長。それ以降、演出家としても手腕を振るい続けるようになり、2018年に演出を手掛けた『BREAK FREE』は世界最大の演劇祭『エディンバラ・フェスティバル・フリンジ』で1カ月のロングラン公演を実現した。結果、史上初となる『THE ASIAN ARTS AWARD』の「BEST PERFORMANCE賞」を受賞したのである。そして、現在も舞台『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』シリーズといった多くの作品の演出を手掛け、人気演出家として不動の地位を確立している。

　さらに、昨今ではネルケプランニング、講談社、キングレコード、ABEMAがタッグを組んだ4社合同サバイバルオーディション『主役の椅子はオレの椅子』シーズン2（ABEMA）の総合プロデューサーにも就任。同オーディションはダンス、芝居、歌による審査を行ない、主役5人を選定。その5人をオリジナルキャラクターとし、メディアミックス作品として展開していく予定だ。植木は総合プロデューサーとしてオーディションに参加し、候補者たちに時に優しく、時に厳しい言葉を投げかけている。こうした形からもエンターテインメントの世界に貢献をしているのだ。

　こうして見ると植木は本当にマルチな活動をしていることがわかる。先日、植木本人に取材をした際に「僕の根底にあるのはHIPHOP」という話を聞くことができた。HIPHOPをDJ（＝音楽）、ラップ（＝言葉と歌）、グラフィティ（＝アートや絵）、ブレイクダンス（＝動き）と考え、この4つの要素を自分の活動に当てはめる。そうすることで活動が広がりすぎず、一つひとつにきちんと向き合うことができるということだ。たしかに、植木の活躍の幅は広いが、4つの要素から大きく外れているものはないことがわかる。演出家としての活動も然り。とりわけ、代表作になりつつある舞台『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』シリーズはわかりやすいだろう。また、植木が演出家として活動するようになったきっかけは、「日本におけるダンサーの地位を向上させたい」という思いから。この視点もHIPHOPの要素が意識されていると言えそうだ。

植木豪、“生粋のエンターテイナー”が生み出す演出　『ヒプノシスマイク』『進撃の巨人』ら舞台手がける手腕の画像1-1

舞台『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』　Ⓒ『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会の画像 — 舞台『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』　Ⓒ『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

　こうした思いが“生粋のエンターテイナー・植木豪”を形成し、クオリティの高い舞台演出につながっているのだろう。そんな植木の演出は常識にとらわれていない。例えば、舞台『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』シリーズでは2.5次元舞台ではタブーとされていた、キャラクターのイラストから演者が飛び出してくるという演出を実現した。その結果、作品への没入感を高めることとなり、好評を得ている。実際に原作を見たことがある人であれば、舞台の完成度の高さに驚くはずだ。キャラクターに愛を持って接し、固定観念に囚われない仕掛けをやってのけるという点からも、彼が単なる演出家ではなくエンターテイナーであることがわかる。そして見る人をあっと驚かせ続けられているからこそ、人気演出家として名を轟かせるに至っているのだろう。

　自ら第一線で活躍しつつ、裏方としても才能を発揮している植木。自身の中にブレない軸を持っていることで、多くの人を魅了してきた。演者としても演出家としても、まだまだ走り続けていくのであろう彼の活動から目が離せない。

■リリース
「NEVER HIDE」　
発売：12月15日（木）配信リリース

「NEVER HIDE」
ハイレゾ配信￥500
https://lnk.to/Never_Hide

【DVD】
＜収録内容＞
「NEVER HIDE」MV+特典映像
DVD単品：¥1,300
DVD＋オンラインイベント付：¥2,000
アスマートにて数量限定にて受付

■イベント情報
新曲リリース記念特別企画　オンラインイベント『植木豪と1対1のビデオ通話会』
※オンライン

開催日：2023年1月15日（日）
申込期間：2022年12月15日（木）12:00～12月27日（火）23:59

※A!SMART（アスマート）での「植木豪MV DVD（オンラインイベント付き）」購入者
※時間はお申込み、入金完了した方のみお知らせ
https://www.asmart.jp/ueki_go_2022dvd

■関連リンク
植木豪公式サイト
https://www.amuse.co.jp/artist/A0158/index.html
植木豪公式Twitter
https://twitter.com/PaniCrew_GO
植木豪公式Instagram
https://www.instagram.com/goueki/