WOLF HOWL HARMONY、三部作で届ける青春の高揚感 対バンで確信した“歌の強み”も明かす

WHH、三部作で届ける青春の高揚感

 LDH史上最大規模のオーディション『iCON Z ~Dreams For Children〜』から誕生したWOLF HOWL HARMONYが、連続で楽曲を配信する“青春三部作”を発表した。5月13日にリリースされた第一弾楽曲は、一目惚れした時の衝撃を描いた「Pink Flash Lights」。6月17日にリリースされた第二弾楽曲は、幼馴染と同じ人を好きになってしまった三角関係を描いた「Love Triangle」。7月15日にリリースを控える「ピアス」は、夢と友情をテーマに等身大のWOLF HOWL HARMONYを描いたロックチューンになるという。今年8月にデビュー1周年の節目を控え、ますます勢いに乗っている4人に、第一弾楽曲「Pink Flash Lights」の制作秘話を中心に語ってもらった。(斉藤碧)

「“僕たちと一緒に青春していこう!”というメッセージ」(RYOJI)

――まずは連続リリースをすることになったきっかけと、そのコンセプトから教えてください。

RYOJI:今回の連続リリースは“青春三部作”というテーマを掲げて、夏×青春に恋、友情、夢といった要素を加えた3曲を制作したんですが、こういう作品を作ろうと思ったきっかけは、僕ら4人が普段寮生活をしていたり、日々配信などで僕たちの関係性を発信させていただいている中で、「もし僕たちが幼馴染だったらどうだったかな?」という話題がよく上がっていたからなんです。そこでそれを裏テーマとして掲げ、第一弾の「Pink Flash Lights」は“もしも僕たちが幼馴染のいつメンで、同じ人に一目惚れしてしまったら?”という設定で、恋に落ちる瞬間を描いた楽曲に。第二弾の「Love Triangle」は、時には友情よりも恋を優先してしまいたくなる、もどかしい三角関係を描いた楽曲として制作していきました。

――青春時代ならではの悩みや、複雑な心境を楽曲に落とし込んでいったんですね。確かに、学校では毎日同じ顔ぶれで過ごすから、恋が芽生えやすいし、恋と友情の狭間で悩むことも多いですよね。そんな時代、あったなぁ……。

RYOJI:あははは。とはいえ、青春は学生だけに限定したものではなくて。中には「学生時代は青春してたけど、今は違う」って感じている方もいるとは思うんですけど、僕らはいくつになっても青春していいと思うし、常に今が青春時代だと思っているので、このコンセプトには「僕たちと一緒に青春していこう!」という強いメッセージも込められています。

HIROTO、RYOJI

――では、一目惚れの瞬間を描いたという「Pink Flash Lights」(作詞:YVES&ADAMS/作曲:Chaki Zulu・T.Kura・JAY’ED)のお話を。この三部作は「夏×青春に恋、友情、夢を加えて3曲を制作した」とのことですが、リーダー(RYOJI)のお話を聞く限り、シンプルに第一弾は恋、第二弾は友情、第三弾は夢にフィーチャーした曲というわけではなさそうですね。

HIROTO:そうですね。第一弾の「Pink Flash Lights」で一目惚れしたからこそ、第二弾の「Love Triangle」では恋と友情の狭間で悩んでいたり、曲同士リンクしている部分があるので。テーマの異なる3曲を発表するのではなく、曲によって恋・友情・夢の比率が変わっていくのが、“青春三部作”の面白いところだと思います。

――「Pink Flash Lights」のデモを聴いた時は、どんな印象を受けましたか?

SUZUKI:すごくフレッシュな曲だなっていう印象が強かったですね。青春をテーマにして三部作を出していくという前提で聴いたので、一発目にピッタリだなと。ただ、これまで僕たちがリリースしてきた楽曲とは違う雰囲気の爽やかさがありつつ、疾走感のあるトラックからはWOLFらしさも感じたので、もともとWOLFを応援してくださっていた方にも刺さるだろうなと思いました。夏がテーマの三部作ですが、「Pink Flash Lights」は最初から5月に出すことを見据えて制作していたこともあり、曲の中の世界観も、春の終わり頃に一目惚れをして……という心情を描いていて。恋が始まる時の高揚感と共に、三部作が始まるワクワク感も感じていただける楽曲になっていると思います。

RYOJI:一目惚れって、人に限らず、モノに対してもすると思うんですよね。僕も「なんだ、この曲は!?」とか、「なんだ、この香水!?」って衝撃的な出会いをすることがよくあります。だから、恋の歌というのが根底にありつつも、LOVERED(WOLF HOWL HARMONYファンの通称)のみなさんが出会うさまざまな一目惚れをイメージして制作に臨みました。

――歌割はどうやって決めたんですか?

GHEE:いつも通り、RYOJIくんとスーくん(SUZUKI)が中心になって決めてくれましたね。まず、「これでどう?」って提案してくれた歌割で歌ってみて。Chaki ZuluさんやT.Kuraさん、DJ DARUMAさんからも「ここは違うメンバーのほうがいいんじゃない?」とアドバイスをいただきながら、みんなでベストな形を探していきました。

――個性豊かな声で次々に歌い繋ぐ中でも、個人的には、1Bを歌うGHEEさんの歌声が新鮮に聴こえました。これまでの曲では、ラップパートやガラッと雰囲気を変える場面のスパイスとしてGHEEさんの声が入ってくる印象があったので、Bメロを歌うんだ? と。

GHEE:確かにそうですね。〈まさか Bloom/やっぱ Bloom〉というBメロは、最初からRYOJIくんとスーくんが勧めてくれていたんですけど、僕もWOLFのグループLINEに2人が「Bメロはギーちゃん(GHEE)がいいと思う」って投げてくれたのを見て、「あ、ここ歌うんだ?」って思いました。でも、実際に歌ってみたら、自然と感情を乗せやすくて。新しい引き出しが増えたなと感じています。

RYOJI:ここのギーちゃん、いいんですよね~。

――GHEEさんの甘く柔らかい歌声が甘酸っぱい恋を連れてくるようで、すごくピッタリのパートですよね。

GHEE:ありがとうございます(照笑)。僕、以前は自分の声にコンプレックスがあったんですよ。よく言えば特徴的なんですけど、悪く言えば悪目立ちしやすい声だなって。それを、僕よりもアーティストとしての経験がある2人(RYOJI・SUZUKI)が上手く導いてくれて、WOLFの新たな魅力に変えてくれました。

SUZUKI、GHEE

――メロパートとラップパートで、歌い方のギャップは意識しましたか?

GHEE:しました。それこそラップパートは〈全身稲妻 OMG 脳内ハック/いっそ Make or Break〉と歌っていて、「Pink Flash Lights」の“衝撃”を一番強く表現した部分だと思ったので、稲妻に打たれてる感を意識して、アクセントを強めに歌いましたね。あと、声質の調節がちょっと難しくて。オートチューンを使ってはいるんですけど、最初はもっとドスの効いた声にしようって思ってたんですよ(笑)。だけど曲調が爽やかだから、やってみたら意外とハマらなくて。エッジのある声で歌いながら微調整を繰り返した結果、曲の雰囲気に寄せつつ、いい感じにノイズっぽさが出て、満足のいくラップが録れました。

――サビ前のパートからサビにかけては、HIROTOさんとSUZUKIさんの清涼感のある歌声が活きていますね。

HIROTO:この曲は僕のキーに合っているので、これまでのレコーディングで一番順調に録り終わりましたね。特に2番の〈VILI VILI 運命が Spark〉や、大サビの〈隠せない No more〉は、自分の持ち味を全面に出せたなと思います。いつも曲をいただいた時は、自分の中で曲に合ったキャラを作ってからレコーディングに臨むんですけど、この曲に関しては等身大というか、ありのままの自分の表現で挑みました。

「作った歌声ではなく、素直な気持ちで自分らしく」(SUZUKI)

――HIROTOさんは最年少ですが、“青春”をテーマに掲げるにあたり、フレッシュさをリードしようという意識はありましたか?

SUZUKI:(食い気味に)僕らもフレッシュですよ!?

一同:あはははは!

――年上組がフレッシュじゃないとは言ってないですから(笑)。

SUZUKI:青春に年齢は関係ないです!

RYOJI:(SUZUKIに向かって)わかったから、落ち着いて(笑)。

GHEE:で、クック(HIROTO)はどう思ってるの?

HIROTO:(急に振られてテンパりながら)青春に年齢は関係ないなって……。

SUZUKI:今俺が言ったこと、そのまんまじゃん(笑)。

RYOJI:すぐ影響されちゃうから(笑)。でも、HIROTOのよさはこういったピュアさだと思うし、それがピュアな一目惚れを描いた『Pink Flash Lights』で活きているなって思います。

HIROTO:僕も“最年少として”というのはなかったんですが、1サビ頭の〈瞳と瞳が出会った瞬間〉は、僕のハイトーンボイスが「Pink Flash Lights」の顔になったらいいなと思って歌ったので、歌声に注目してもらえたら嬉しいです。

――デビューから約1年、“こういう曲調では、この人が曲の顔になる”という傾向が、だいぶ固まってきた感覚はありますか?

HIROTO:ありますね。爽やかな曲は僕の担当かなって。

RYOJI:自覚あるんだ……(小声)。

HIROTO:あははは。逆に、大人っぽい曲はスーくんやRYOJIくんのほうがハマるし。ラップはギーくんの強みですし。他のメンバーが顔になっている楽曲では、僕はアクセントに入ったりして、4人で上手くバランスを取り合っています。

――SUZUKIさんは、どんなことを考えながら「Pink Flash Lights」をレコーディングしたのでしょうか。

SUZUKI:今回は青春がテーマなので、HIROTOも言っていたように、僕も作った歌声ではなく、素直な気持ちで自分らしく歌おうと思っていました。ただ、この曲で僕が歌っているパートはファルセットが多いんですけど、ファルセットって、使い方によってはすごく大人っぽくなっちゃうんですよね。切なさが出ちゃうんです。でもそうじゃなくて、キラキラした明るさや華やかな雰囲気を意識して歌いました。

――桜吹雪がフワ~ッと舞ってるイメージが浮かびました。香り立つ歌声だなって。

SUZUKI:サビ前のファルセットはまさにそんなイメージで、ここで曲の世界観に惹き込めたらと思っていましたね。それに対して、サビの〈ハートに X-Ray/VILI VILI 運命が Spark〉の〈VILI VILI〉以降は、一目惚れした時のビリビリ! って感じが伝わるように、あえてヒリヒリしたファルセットを使っていて。ファルセットの中でも、パートによっていろいろな表現を使い分けて歌いました。

WOLF HOWL HARMONY / "Pink Flash Lights" Music Video

――また、今年2月にリリースした「Frozen Butterfly」に続き、「Pink Flash Lights」もRYOJIさんが歌い出しを担当しています。もともとAメロ職人と呼ばれていたSUZUKIさんと同じくらい、RYOJIさんのAメロも定着してきましたね。

RYOJI:僕の声質はロー成分が多いので、HIROTOも言うように大人っぽい楽曲とかバラードとか、力強さが必要なパートを任されることが多いんですが、「Pink Flash Lights」はそれとは少しニュアンスの違う曲だと思うんです。とはいえ、この曲のAメロは言葉を詰めてグルーヴィに歌うことが求められるパートで、それも僕が得意とする表現だったので、「Aメロは僕が行きたいな」と。そう相談した時にメンバーも「すごくいいと思う」と言ってくれたので、みんなの期待に応えられるように一生懸命歌いました。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる