つばきファクトリー 新沼希空がグループに与えた凛とした強さ OGも集結した卒業公演

つばきファクトリー新沼希空卒業公演レポ

 メンバーそれぞれが新沼へのメッセージを送った映像が流れると、ステージセンターには新沼の姿が。一人ひとりが「新沼さん」「にゃんさん」「きそちゃん」「きそ」とそれぞれの言葉で語りかける姿を見ていると、新沼がグループをしっかり支え、メンバーに頼りにされていた様子を感じ取ることができる。そのまま「I Need You ~夜空の観覧車~」でいよいよ卒業を実感していると、ステージ上にはOGの山岸・小片リサ・岸本・浅倉樹々の姿が。新沼と谷本もステージに残り、披露されたのは6人で駆け抜けたインディーズ時代の楽曲「気高く咲き誇れ!」。〈花ざかりな瞬間を 泣いたり笑ったり/ぜんぶ糧となり 一瞬でほころぶものだ〉という歌詞は当時デビューしたてのアイドルが歌うにはシビアな歌詞だったが、これまでの努力を噛み締め、一つひとつの活動を糧として胸に刻んでいくように見えた。メンバー全員がステージに勢揃いで披露したのはメジャーデビュー曲「初恋サンライズ」。小片が脱退し、二度と小片と浅倉が揃って披露することはないと思われていた楽曲を、去年9月の『「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!」ACT II.』で小片、浅倉と共につばきファクトリーとして披露。その際は岸本が休養中で不在、さらに思わず小野田が号泣してしまう姿が印象的だったが、岸本も無事に駆けつけ、今回は全員笑顔での披露となった。

 MCで新沼は駆けつけてくれた山岸・小片・岸本・浅倉に感謝を伝えると、続いては新シングルより「青春エクサバイト」を披露。「涙のヒロイン降板劇」「アタシリズム」ではスタンドマイクを使って、表情と歌声だけで楽曲の世界観を表現した。最後のパートでは「今夜だけ浮かれたかった」や「妄想だけならフリーダム」といった客席を巻き込むような定番曲が続く。ライブもいよいよ終盤、客席のコールの熱力もどんどん高くなる。「My Darling ~Do you love me?~」であたたかい雰囲気のなか本編が終了。

 止まらないアンコールに応えてメンバーカラーのライトブルーのドレスで登場した新沼が歌うのは森高千里のカバーで「私がオバさんになっても」。お互いに年齢を重ねても自分のことを愛してほしいとキュートに歌う楽曲を、芸能界引退を表明している新沼が最後のソロ曲で選ぶのもなんだか彼女らしいように感じる。手紙ではメンバーに向けてのメッセージと共に「グループとしての目標としてきた、“アイドル界”の主役になるということ。どうですかね?」と問いかけるといっぱいのライトブルーのペンライトと大きな拍手で客席が応える。「幸せな時間を作ってくださりありがとうございました。一生の思い出です。みんな大好きだよ」と愛を語った。

 最後に「足りないもの埋めてゆく旅」を歌うとメンバーがステージに現れ新沼を抱きしめる。それぞれが新沼への感謝を話し、「帰ろう レッツゴー!」で明るく公演を締め括った。

 今回の公演は新沼にとっておそらく最後のステージとなる。それでもOGが来たMCでは「みんなお知らせとかない?」と告知を呼びかけたり、最新シングルをセットリストに入れ込んだり。自分のことだけではなく、最後の最後まで他人を引き立て、グループのために行動する新沼の人柄が表れた公演になっていた。どこまでも他人のために動くことは彼女なりの“強さ”で、その強さはグループ全体に影響していたように感じる。そういう面で、どんどん変化していくグループのなかでも変わらない軸を作り上げたかけがえのない1人だ。つばきファクトリーは新沼が残した強さを手に、変わらないものを大切にしながらどんどん進化し歩いていく。

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