つばきファクトリーが示す“ベリキュー”という原点 可憐さと儚さ担った山岸理子・岸本ゆめの卒業公演

つばきファクトリー山岸・岸本卒業公演レポ

  2015年4月にハロプロ研修生を中心に結成されたつばきファクトリー。その後メンバーの脱退・卒業・加入を経て、2023年11月6日、日本武道館にて、結成から8年半リーダーとしてグループを支えてきた山岸理子、歌唱面でグループのパフォーマンスを牽引してきた岸本ゆめのが同時に卒業を迎えた。本稿ではハロプロ研修生時代からともに歩んできた岸本・山岸のアイドルとしての歴史を振り返りながら、卒業公演『つばきファクトリー コンサートツアー 2023秋 可惜夜~山岸理子・岸本ゆめの 卒業スッぺシャル~暁』の様子をレポートする。

つばきファクトリー

 オープニングアクトを務めたOCHA NORMAメンバーがステージを去ると、武道館は山岸・岸本のメンバーカラー、ライトグリーンとイエローに染まる。センターにスポットライトが当たるといきなり今回の主役、山岸と岸本が登場。その後岸本のパワフルなフェイクと山岸のダンスで“かっこいいつばきファクトリー”を演出する。つばきファクトリーといえば結成からしばらくは可憐かつ儚いというイメージを持つ人が多いグループだったが、そのイメージの根底にある強さはこの二人がそれぞれ歌唱とダンスで担っていたように感じる。

つばきファクトリー

 温まり切った会場では公演時点での最新シングル曲「妄想だけならフリーダム」でいよいよスタート。「最上級Story」、「三回目のデート神話」と過去楽曲を織り交ぜながら会場全体で二人の卒業を見送る準備を整える。

つばきファクトリー

 MCでは山岸卒業後のリーダー就任が発表された新沼希空が仕切りながら、岸本は「卒業とか卒業じゃないとか関係なく、必死に頑張ります」と意気込みを語った。

つばきファクトリー

 本公演での大きな目玉の一つはこのMCの後に行われた「山岸理子・岸本ゆめの 卒業スッペシャルメドレー」だろう。1曲目に選ばれたのはハロプロ研修生名義の楽曲「おへその国からこんにちは」。山岸、岸本はもちろん、つばきファクトリーオリジナルメンバーの多くがグループ結成前のハロプロ研修生時代に参加している同楽曲に象徴されるように、グループ結成前を含めるハロー!プロジェクトメンバーとしての二人のアイドルとしての原点を振り返るようなメドレーとなった。まずは山岸が「Love take it all」、「桃色スパークリング」など°C-uteの楽曲を中心に参加メンバーを変えながらパフォーマンス。その後、山岸・岸本と2021年に加入した河西結心、八木栞、福田真琳、豫風瑠乃でハロプロ研修生の楽曲「彼女になりたいっ!!!」を披露。続けて岸本が中心となって「アジアン セレブレイション」「行け 行け モンキーダンス」とBerryz工房の楽曲で盛り上げる。メドレーを通して、「おへその国からこんにちは」のMVや、当時のパフォーマンス映像が映し出される演出が胸を打つ。過去の楽曲を披露する際に当時の映像を合わせる演出はハロー!プロジェクトのコンサートで度々行われる手法だが、特にこの公演ではパフォーマンス映像だけでなく、°C-uteツアーに帯同しているメンバーの映像や、レッスンに励む二人の様子が映し出されており、ハロプロ研修生時代から多くのファンに見守られここまで成長してきたつばきファクトリーならではであるように感じた。

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