BE:FIRSTの音楽への向き合い方 『Apartment B』はアーティストとしての考えを深く知る場に

 5月1日より、新音楽番組『Apartment B』(日本テレビ・長崎国際テレビ)がスタートした。とあるアパートメントを舞台に、BMSG所属アーティスト、今村怜央(ALI・LEO)、Dos Monos・荘子it、アオイヤマダがボーダーレスに音楽を楽しむ番組だ。ライブ、ダンス、トラックメイク、ラップなどをテーマに語り明かすトークコーナーと、音楽ライブコーナーで構成されている。もちろんBE:FIRSTメンバーも出演しており、普段とはひと味違った姿を見せている。

 #1ではBE:FIRST・LEO、RYUHEI、RYOKIに加え、今村、荘子itが登場。まずは、BE:FIRST・LEOと今村の名前が“LEO”と同じであることを受け、「芸能界LEO多過ぎ問題」で盛り上がっていく。今村の圧倒的“陽キャ感”に引っ張られるように、メンバーたちは楽しそうな表情を見せていた。一方で、真面目なトークを展開する一面も。ホットなアーティストの集まりだからこそ表面的な話ではなく、深い話をしていたのが印象的だ。例えば、荘子itが問うた、“個性のぶつかり合い”について。BE:FIRSTはどうしているのかと質問されると、RYUHEIは「向いている方向を揃える」、「あえてラフな状態に持っていくことによって、決められた整え方をしていないから自分たちが気持ちでちゃんと揃っているんだぞっていう部分を外側に伝えたい。そういうアンバランスさは、BE:FIRSTの魅力なので」と語っていた。この話を聞いて合点がいった人も多いのではないだろうか。BE:FIRSTからは、いわゆる「歌声の声質が合っている」、「ダンスが揃っている」という表面的なところだけではないもっと深いところの一体感をパフォーマンスから感じる。その理由こそ、RYUHEIが話した内容なのだろう。

 さらに、LEO、RYUHEI、RYOKIは、荘子itのステージのアイデアなどを食い入るように聞いていた。吸収したいという姿勢は相変わらずだ。その中で現代アートの出発点とも言われているマルセル・デュシャン「泉」の話を例に挙げ、アートや音楽における物の見方について意見を交換する場面も。ここでも、彼らは熱心に耳を傾け、自分たちなりに解釈しようとしている様子であった。BE:FIRSTといえば、今や確固たるポジションを築き、ある種“成功しているグループ”の一つと言える。しかし貪欲に知識や力を吸収しようという姿勢こそが、彼らをさらなる高みに押し上げているのだと気付かされた。

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