ExWHYZ、マスターとの絆を再確認した夜 Seihoとのスプリットツアーで生まれた相乗効果
そして始まったExWHYZのステージ。3月20日リリースの『Dress to Kill』のオープニングも飾ったSeihoによる「Dresscode」をSEにステージに現れた5人(midorikoは現在活動休止中)。1曲目「Universe」のイントロが鳴った瞬間にフロアから声が上がる。メンバーと一緒に手を動かし、一緒に声を上げ……これまでのライブでもそうだったが、O-EASTはステージとフロアの距離がとても近く、ExWHYZとマスターがともにライブを作り上げていく感覚がより強く感じられる。ゼロ距離で届けられる歌と歓声は、ここからどんどん熱いムードを作り上げていった。
「Universe」に続いて早くも投下されたのが「ANSWER」。〈この指止まれ〉と歌いながらnowがフロアを指差す。yu-kiやmayuの歌もテンションが高い。「まだまだ行けるよね!」というmahoの言葉にフロアが全力の声で応え、アシッドなトラックが際限なくボルテージを上げる新作からの「Unknown Sense」へ。音源を聴いても思ったが、改めてこの曲はヤバい。容赦ないトラックメイキングと、それを乗りこなす5人のボーカル、本能を解放するようなダンス。「もっとみんなの声聞きたいんだけど、行ける?」というmikinaのクールな呼びかけが、マスターの熱狂を加速させていく。
3曲を駆け抜けたところでこの日最初のMC。YouTube生配信が行われていることにも触れつつ、「最後まで一緒に楽しんでいきましょう!」とyu-kiが改めてフロアに語りかける。そしてそれまでの展開から少しギアを変えて、「4:00 a.m」の80KIDZによるリミックスバージョンを経てパーティチューン「虜」へ。曲中にnowが「渋谷、めちゃくちゃいいじゃん〜!」と口にするくらい、会場の一体感は高まっていく。ライブでずっと歌われてきた「Shall We」ではステージとフロアのコンビネーションもさすがの安定感。手拍子も合いの手もジャンプも、全部がタイミングバッチリだ。よりクールな大人の雰囲気に衣替えした「Secret Secret」のShin Sakiuraリミックスでは5人それぞれの歌声がダイレクトに伝わってくる。
『Dress to Kill』に収められたリミックスのどれにも言えることだが、オリジナルよりも格段に歌が耳に入ってくる感じがする。それはもちろん5人のスキルアップによるものでもあるだろうし、同時にトラック自体がより5人のキャラクターを引き出すものになっているからでもあるように思う。ExWHYZがスタートした当初はトラックメイキングがグループのコンセプトを引っ張っている印象があったが、今や微塵もそんな感じはしない。ExWHYZという新しいスタイルは、始動から2年を前に、5人の中にしっかりと根づいている。
「Des Speeching」「フラチナサマー」と振り幅の大きな、しかしどちらもマスターの手拍子やジャンプが必要不可欠な楽曲を立て続けに披露すると、ステージの背後のスクリーンには「6WHYZ」のMVが映し出される。キャッチーなボックスステップから始まるラップのリレー。midorikoのパートはメンバーとマスターで一緒に盛り上げた。そして「Obsession」の激しさと妖艶さの同居するダンスで魅了すると、ここで再び「ANSWER」。序盤のオリジナルバージョンに続いて、『Dress to Kill』のSeihoリミックスバージョンでの再演である。振り付けもアップデートされ、よりドープな楽曲に生まれ変わっている。オリジナルバージョンでは手を叩き盛り上がっていたマスターが、こちらではじっと見つめながら聴き入っている感じが印象的だった。
「今日は来てくれてありがとうございます!」とmaho。「次は新曲です。作詞をしました」とこの後披露する楽曲について語り始める。
「自分の手の中にない、うまい言葉を探してしまって。でも、たとえ言い慣れた言葉でも、その瞬間に私の心から出てきた一言一言は本物だし、変わらない言葉を伝えたいと思って書き切った曲です」
そして歌われた本編最後の曲は「Fleeting」。壮大なイントロからぐんぐんと広がっていくような、スケールの大きなEDMチュ―ンだ。ExWHYZとマスターの関係をまっすぐに歌うような歌詞に、フロアからは手拍子が起きる。こちらに向けて手を振るような振り付けもキャッチーでストレート。あたたかな絆を再確認するようにこの曲を歌い切ると、5人はステージから去っていった。
その後のアンコールではmayuの「みんなの声、聞かせてくださいよ!」という言葉から「NOT SORRY」を披露。マスターからのコールが5人を鼓舞するように響き渡った。そしてmikinaからこの日最後のMC。
「今日、楽しかった理由はいろいろあると思うんだけど……それを無理やり言語化しなくてもいいなって最近思ってて。今日感じてくれた気持ちはみんなだけのものだから、それを大事にしてほしい。私たちはみんなのその気持ちを絶対に守るって決めたの。これからも試行錯誤しながらやっていくと思うけど、誰にも邪魔させない私たちだけの一生を作っていきたいと思っています」
マスター一人ひとりに語りかけるようにそう話すと、この日最後の曲へ。mayuが「みんなの歌だよ!」と言ってスタートしたのは「Our Song」だった。5人の声にマスターたちのシンガロングがマッシュアップされ、O-EASTがひとつになる。SeihoとExWHYZの絆。マスターとExWHYZの絆。そしてmidorikoを含めたExWHYZ、6人の絆。いろいろな絆が絡み合い、結びついた一夜は、最高の形でフィナーレを迎えたのだった。
※1:https://realsound.jp/2024/03/post-1593732.html
“BiSH以降のWACK”はロックからダンスミュージックへ? ExWHYZを起点に考えるサウンドの変化
今年6月、BiSHが東京ドームでのライブを最後に解散して以降、所属事務所のWACKは転換期を迎えているように見える。本稿ではBi…
ExWHYZ、音楽支える面々と相見えた2マンシリーズ yahyel迎えた白熱のファイナル公演
7月から9月にかけてExWHYZはワンマンツアー『ExWHYZ TOUR 2023 ‘eLATION’ part.1:Live …