『響界メトロ』、世界を取り戻すべく奔走する壮大な物語 Qlover出演の初イベント前に総括
2月25日、『響界メトロ』による初のイベント『響界メトロ Special Event「SOUNDary LINE」』が品川グランドホールで開催される。『響界メトロ』とは、2023年2月に始動した音楽原作プロジェクトだ。7つの楽曲を軸とし、YouTube ショートに投稿されるショートボイスストーリーやスピンオフのノベライズなど、多角的に世界観を広げてきた。楽曲の制作にGiga & TeddyLoid、じん、Chinozoといった人気ボカロPを起用したり、主要キャラクターのCVオーディションをTikTokで行ったりと、若年層に向けたアプローチも特徴的だった。
今回開催されるイベントは朗読パートと歌パートで構成され、作中キャラクターのボーカル&CVを担当している内田真礼、秋奈、konoco、わかばやしが出演する(残すところ一般販売チケットは2月22日10時からの販売分のみ)。本コラムでは改めて『響界メトロ』のストーリーをおさらいしつつ、イベントの見どころを紹介したい。
『響界メトロ』は様々な時間軸と世界線が路線図のごとく交差しており、初見では少し難解な印象を抱くかもしれない。しかしまず楽曲を聴き、各曲のバックストーリーを描いたショートボイスストーリーを視聴することで、その全貌が見えてくる。
最初に投稿された「Tik[Q]et」は、リンネ(CV:内田真礼)・イツカ(CV:秋奈)・セツナ(CV:konoco)から成る作中ユニット Qloverの3人が歌っていた。彼女らはごく普通の女子高生だったが、街を襲う「大災害」に巻き込まれ、「チケット」の謎に翻弄されることとなる。
「Tik[Q]et」はQloverのプロデューサー・トキオが企てた「Qlover計画」の中心となる楽曲だったが、3人の歌では何かが足りないという。最後のピースとなるのが、わかばやし演じるカナタだ。後日彼女がユニットに加わったことで楽曲は完成し、4人歌唱版の「Tik[Q]et -解-」として、改めて公開されている。
2曲目、「誰かと似ている彼氏」のショートボイスでは、「大災害」から逃れるためにループし続けるリンネの奔走が描かれた。「確定した悲劇から逃げ続けてはいけないか?」ーーその問いの答えとして、リンネはループの鍵であった「チケット」を手でちぎり、彼のいない世界線に移ることを選んだ。
3曲目「パラレルランデヴー」は、セツナの物語。セツナもまた「チケット」を手にしており、愛する存在・トワを守るため、「チケット」を使ってたくさんの世界を渡り歩く。どの世界でも、大災害が起こることだけが共通していた。やがて終点にたどり着くと、同じく「チケット」を持ったトワと出会う。
4曲目「青春は亡霊」の世界では、イツカが幽霊になっていた。大災害で亡くなった同級生の地縛霊たちと一緒に、生前やり残した文化祭の準備を進めていたイツカは、都市伝説の謎を追うカナタと出会う。カナタの協力のおかげで無事文化祭をやり遂げ、イツカは成仏していった。
5曲目の「Q&[ ]」を歌うのは、Qloverの4人目のメンバー・カナタ。彼女を演じるのは、冒頭紹介したTikTokオーディションで発掘されたわかばやしだ。わかばやしはもともと歌い手として活動しており、今回のようにキャラクターボイスを担当してセリフを読み上げるのは初めての経験。そして25日の『SOUNDary LINE』では、生の朗読を披露する予定である。