小室哲哉、2023年の活躍を振り返る TM NETWORKの活動、西川貴教らとのコラボで見せた進化の片鱗
精力的に動いていたのはTM NETWORKとしてだけではない。小室哲哉本人はグループとは別軸での活動も盛んに行ってきた。2022年のTM NETWORKのツアー後には、Beverlyと浅倉大介を迎えてオーケストラと共演したシンフォニック・コンサート『billboard classics 小室哲哉 Premium Symphonic Concert 2022 -HISTORIA-』を行っているが、これは少なからずダイナミックなサウンドの「Angie」に影響を与えているのではないだろうか。2023年4月にもTM NETWORKの活動の合間を縫うようにアンコール公演を行っている。
オーケストラ以外にも、小室哲哉のアーティストとのコラボレーションは多岐に渡っている。まず、5月に中国のスマートフォン用の人気ゲームアプリ『アズールレーン』のタイアップで、倖田來未に新曲「Jump to the Breeze」を書き下ろしている。この2人のタッグは約22年ぶりということで、爽快なメロディとミディアムのダンスビートが印象的だったが、サビでクワイアのコーラスが入るあたりに「Angie」との共通項を感じられる。
さらに11月に発表された西川貴教との初タッグ曲「FREEDOM」の発表も、小室哲哉の今のモードがはっきりと明示されたと言っていいかもしれない。この曲は年明け1月26日公開の劇場版映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の主題歌で、まだほんの一部しか公開されていないとはいえ、壮大なオーケストレーションを施したアレンジであることが確認できる。これまた「Angie」からの延長線上と言えるかもしれない。
そして、松任谷由実の企画アルバム『ユーミン乾杯!!~松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム~』で、乃木坂46が歌う「守ってあげたい」をプロデュースしているが、こちらもやはりストリングスを大胆に導入したアレンジとなっており、原曲をさらにスケールアップした形でプレゼンテーションしている。これらの一連のコラボレーションを通じて小室哲哉の音楽表現に注目してみると、いずれも「Angie」との親和性の高さを感じられるのが面白い。そして、来年以降の小室哲哉が目指す新たなステップへと繋がっていくであろうことは予測できるだろう。
2024年4月にTM NETWORKはデビュー40周年を迎える。そしてまた、小室哲哉自身もソロデビュー35周年という大きな節目の年である。当然のごとく、なんらかのビッグプロジェクトが動いていくことは間違いないが、すでにその片鱗はそこかしこに見え隠れしている。グループとしてはもちろんだが、小室哲哉個人の活動にも大きな波が起こるのではないだろうか。この1年の彼のクリエイティブが一段とスケールアップしているのは明白だが、もしかしたらこれらはあくまでも前哨戦であって、予想以上の回答を準備している可能性もある。そのヒントが「Angie」に詰め込まれているように思えてならない。次なる一歩を大いに期待しながら、小室哲哉の活動に注目していきたい。
■リリース情報
『Whatever Comes』
【完全生産限定盤】
発売日:2023年12月6日(水)
品番価格:MHJL-304/4,070円(税込)
仕様:12inch
アビーロードカッティング
<収録楽曲>
■SIDE A
Whatever Comes
DEVOTION
Get Wild - 2023 REMASTER -
■SIDE B
君の空を見ている
Whatever Comes (Opening Edit)
DEVOTION (Radio Edit)
Whatever Comes (Backing Track)
「Angie」配信はこちら
https://tmnetwork.lnk.to/RSZIQE
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『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』公式HP
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