Haze、東京初期衝動、ちゃくら、つきみ……独自の感性と言葉が共感を呼ぶ“ギャルバンド”の台頭
2022年結成の4人組バンド・ちゃくらはギターボーカルのサクラの清廉な歌声と、ソリッドなバンドサウンドが切なさを呼び起こす。昨年11月に公開した『海月』のMVは現在40万回再生を超え、バンドシーンにおいて注目を集めていることが伺える。11月にリリースした『タイトル未定』は男女の退廃的な関係性を描く歌詞とシリアスなメロディラインがヒリヒリとした感情を呼び起こす1曲。2022年6月結成で平均年齢19.5歳(2023年現在)、バンドの楽しさが前面に出た演奏には青春の煌めきを感じることができる。
キャッチーなメロディラインと掻き鳴らされるギターが印象的な福島出身の2人組ロックバンド・つきみは自身を「気合い系ギャル・ロックバンド」と称しながら活動を展開。EP『オトコ一瞬ダチ一生』は、シンプルなバンドサウンドに乗るボーカルのにによる感情を全面に押し出す歌唱は聴くものの心を思わず揺さぶる。最新EP『♡きえたくなる度君、刻む♡』には、つきみなりのエールソング「微熱」を収録。ににちゃん(Vo/Gt)の飾らない言葉が一歩踏み出す勇気をくれる必聴ソングだ。
上述した4組に共通するのはパンク、あるいはストレートなロックがベースとなっているサウンドに自身の姿を表した等身大の歌詞を乗せる点だ。自身を曝け出す音楽性は、自分自身のありのままを肯定する芯を持ったギャル的マインドから生み出されるものだろう。メンバーのファッションや音源のアートワーク、MVやバンドのホームページなどの意匠にY2Kやギャルカルチャーを彷彿とさせるものも数多い。他人に左右されず、彼女たち自身の考える美意識がビジュアルにも表れており、ここからもギャル的なマインドを感じることができる。
Y2K、ギャルカルチャーの再流行は現行の音楽シーンにも大きな影響を与えている。今後も増々存在感を大きくしていくであろうギャルカルチャーは、音楽シーンにおいてもムーブメントとなるかもしれない。
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