s**t kingz、ダンスシーンの歴史に残る初日本武道館公演に潜入取材 リハーサルから徹底レポート

s**t kingz、日本武道館公演に潜入取材

 まずは「Oh s**t!! feat. SKY-HI」で一気にエンジンをかけていく。「武道館、そんなもんじゃねぇだろ! 大きな声聞かせてくれ!」というshojiの煽りでさらに沸いていく会場。その熱気のまま「WINNING feat.Serocee」へ。「ここからはみんなが踊る番だぜ! ダンスは上手いとか下手とか関係ない。楽しんだ奴が勝ちだ。みんなで楽しみたいから、真似してみてよ」というshojiを皮切りに、メンバー1人ずつダンスを踊り、真似していく観客たち。会場を半分に分けてバトルをするなど、s**t kingzならではの方法で盛り上がりを見せていく。続く「衝動DO feat.在日ファンク」ではOguriによる恒例の“衝動ズビズバゲーム”も。踊らないともったいないという空気が広がったところで飛び出したのは、「KID feat.LEO(ALI)」。レーザー照明が会場をかき回す中、タオルが空中を舞い、もはやパーティー状態。見ているだけでも楽しい気分になってくる。

 と、ここでステージが赤い照明に包まれ、静まり返る。その瞬間モニターに映し出されたのは三浦大知。大きな歓声が上がる中始まったのは、「No End feat. 三浦大知」だ。お立ち台の上に立つ三浦の歌に合わせて踊るs**t kingzの姿は“エモい”のひと言。さらに客席も一緒に歌い出し、大盛り上がり。曲のラスト、お立ち台から飛び降りて5人で一緒に踊ると歓声はさらに大きくなっていった。MCでは「シッキンの初武道館、来ないわけないでしょ! 改めて武道館おめでとうございます」とお祝いの言葉を送る三浦。さらに、「調べてみたら、1997年にデビューさせてもらって、自分の初武道館もそこから15年目だったの。で、ありがたいことに(チケットが)即日ソールドアウト。そして、三浦大知としての初武道館のときに4人が出てくれた」と複数の共通点があることを報告。s**t kingzも「俺らどんだけ仲良いの!?」と驚きつつ、笑顔を見せていた。そして「次の目標は武道館で2マンライブ。まだ何も決まっていないし思いつきで言っちゃた」と三浦とs**t kingzがこの先の目標を笑顔で話すと、客席からは大歓声が。

 ここでもう1曲、2組でパフォーマンスすることに。三浦は「始めたくない、終わっちゃう」と後ろ髪を引かれているようだったが、「この楽曲も5人にとって大切な1曲になっております」と5人で振付した三浦の楽曲「I'm Here」を披露。最後は「シッキン、最高!」と笑顔を見せてステージを後にした。

 興奮冷めやらぬ中、始まったのは映画『独裁者(The Great Dictator)』でチャールズ・チャップリンが行なったスピーチに振りを付けた「The Great Dictator - Final Speech」。あまりの表現力に、つい息を潜めて見入ってしまう。最後、4人が肩を組んで真っ直ぐな眼差しを客席に向けると、大きな拍手と歓声が会場中に鳴り響く。shojiは「みんなで笑って、踊って、笑顔で一緒の時間が過ごせる日が来ると心から願って、ダンスの力を信じています。だから僕たちはこれからも心を込めて、少しでも多くの人たちを笑顔にできるパフォーマンスを全力で届けていきたいと思います。そんな思いを込めて、このパフォーマンスをさせていただきました」と平和への想いを語り、パフォーマンスを終えた。

 最後の挨拶ではそれぞれの思いを伝えていく。

「ダンサー史上初めて日本武道館でs**t kingzがやるっていうビッグニュースも僕ら4人だけの力じゃないんですよね。皆さんがいろんな方法でダンスシーンを広げたりとか、昔からいろいろやってくれていたおかげで、ちょうど今s**t kingzがここに立てているんだなっていう感謝の気持ちでいっぱいです。ダンスできても、できなくても、どうでもいい。ダンスが好きだったらそれでいいじゃんって今日本当に思いました。僕らと一緒にダンスというエンタメを日本で盛り上げていきましょう」(kazuki)

「本当に“No End”です。この言葉をくれて、大知にありがとうって言いたい。大知は僕たちのライバルでもあるし、高め合える仲間がいて幸せだなと思うし、それを見て興奮してくれる皆さんがいて成り立ってると思うので、これからも終わらずに道なき道を行って、変な枠なんてぶち壊して、体揺らして楽しんでいきたいと思います」(NOPPO)

「今日ここにいるみんな、明日1日は笑って過ごせるようなエネルギーを共有できていたらいいな。みんなの周りの人もそのエネルギーで笑顔になれてたら嬉しいなと思います。辛くなったらいつでもステージ上で、ステージ上じゃなくても、常に笑顔で全力で応援してますので。自信持って明日も生きていきましょう」(Oguri)

「いろんなことがあって、ドラマのオーディションとかいって『ダンスやってるんですか? 歌は歌わないの? もったいないね』って言われて。もったいないのかなってすげぇ悔しくて。でも、今日武道館をいっぱいにしてくれた皆のお陰でもったいなくねぇよって! みんなのお陰で本当に僕たちは幸せです」(shoji)

 そして「2024年夏 『シッキンFes』開催決定」という発表を経て、「s**t kingzの歴史がギュッと詰まった1曲をお届けしたいと思います。皆さんが進む先に僕たちs**t kingzはいます。皆さんの進む道でまた会いましょう」というshojiの曲振りで、「I'll be there feat.S.N.A」をパフォーマンス。晴れやかな表情で踊るメンバー、宙に舞う銀テープ、鳴り響くクラップ、全てが美しい。大きな感動に包まれ、ダンサー史上初の武道館公演は大盛況で幕を下ろした。

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