ExWHYZ、音楽支える面々と相見えた2マンシリーズ yahyel迎えた白熱のファイナル公演
そして転換を経てExWHYZの出番だ。クールなセットアップ姿の5人(活動休止中のmidorikoは欠席)がステージに立つと歓声が沸き起こる。mahoの「楽しんでいきましょう!」という声から始まったオープニングナンバーは、まさにyahyelの山田健人と篠田ミルが手がけた自己紹介ラップソング「6WHYZ」だ。音源でmidorikoが担当しているパートはmayuが歌う。最後のソロパートを担うmahoにはマスターたちから一際大きな声がかけられた。続けて披露されたのは「FIRST STEP」。nowが「皆さん、元気ですか?」と問いかけ、フロアは一気にひとつになる。曲の合間に入るコールや手拍子の一体感も完璧だ。さらにSeihoによるハウスビートに乗せてキレのあるダンスで魅せる「虜」へ。冒頭の3曲で、この1年あまりでExWHYZがいかに世界を押し広げ、多彩な引き出しを手に入れてきたかがはっきりと示された。
ここで自己紹介を済ませ、「yahyelさんかっこよかったね」と話し始める5人。「電撃走らん?」とmikina。nowは2階からライブを観ていたそうで、思わず身を乗り出して楽しんでいたという。そんなyahyelに改めて感謝を伝えつつ、「ここからも楽しんでいこうぜ!」とyu-kiが叫ぶと、ライブは「xANADU」から「BLAZE」へ突入し再開。ハードエッジな4つ打ちのキックが会場を揺らし、5人の自信たっぷりのパフォーマンスが観客を圧倒する。サウンドの迫力は相変わらずだが、5人の存在感がそれに負けじと放たれる。個人的に彼女たちのライブを観るのは5月の日本武道館以来だが、わずか数カ月での進化ぶりが凄まじい。あるいは2マンということで、いつも以上に力が入っていたということなのかもしれない。
マスターのジャンプを求めて始まった「Obsession」では床に寝転がる印象的な振り付けも披露。ダイナミックに体を使うnow、クールにキメるmikina……など、それぞれのダンスも個性がより際立っている。mayuが「もっとください!」とフロアを煽りまくり、Zepp Hanedaのテンションはどこまでも上昇していった。続く「ANSWER」では一面のクラップが巻き起こり、場内の一体感はさらに加速。最新EP『HOW HIGH?』収録の「There's no limits」ではサウンドのスケール感とスピード感も相まって、とても抜けのいい景色が広がった。その景色をさらに大きく広げるダンスチューン「Universe」をフロアの声とともに完遂すると、ExWHYZの始まりから彼女たちのライブを支えてきた楽曲のイントロが流れ始める。「今日は皆さんに会えて本当に嬉しかったです! 最後、みんなで一緒に歌ってひとつになりましょう」。そんなmikinaの言葉に、フロア中から歌声が上がる。「STAY WITH Me」だ。手を振り、拳を突き上げ、感情を爆発させるマスターたち。何度見ても美しい光景だ。
「今しかない空気があって、私たちも胸躍る1日を過ごせています」。「STAY WITH Me」を終えてmikinaが語りかける。そして次にやる曲も山田と篠田に作ってもらったことを明かしつつ、その曲ができた、ExWHYZの始まりの時期のことを振り返り始めた。
「いろんなものが急ピッチで変わらないといけなくて、心もそのスピード感に合わせて走らせていたんです。でも山田さんたちが作ってくださる楽曲の中には、いつでも私たちの芯の部分が入っていて。心がもみくちゃにされそうになっても、いつでもその楽曲が心とリンクしてくれるから、ずっと自分のままの姿でステージに立ち続けていられたんだと思っています」
そんなmikinaの言葉からは、彼女たちが抱いている強い信頼が伝わってきた。そうして披露された、ExWHYZの激動の日々を支え続けてきた楽曲「Everything」。ひとりずつマイクを繋ぎながら素朴に届いてくる本音そのもののような歌。その歌をマスターの温かなリアクションが包み、ライブ本編は終わりを迎えた。
だが、この日のExWHYZはここでは終わらなかった。アンコールを呼ぶ声が響く中、ステージにはドラムセットやギターなどの楽器とストリングスセクションがセットされる。「ん?」と思っていると、メンバーが戻ってくると同時に突如鳴り響いた重厚なバンドサウンド。ExWHYZにとって初めてとなる生バンドの演奏で歌われたのは、この日ライブ終了後に配信が開始された新曲「As you wish」だった。JxSxKこと渡辺淳之介が作詞し、oniが作曲という、EMPiRE時代から彼女たちを知る人であればエモくなること必至のタッグで生まれた美しいバラードだ。これまでのExWHYZとは明らかに違う曲調とパフォーマンスは、これまでをかけて彼女たちが自分たちのスタイルを見つけてきた証なのかもしれない。歌い終えてmayuは「びっくりしたでしょ?」と笑うが、びっくりというよりも感動してしまった。そして本当のラストナンバーも生バンドとともに披露。音源の時点からゴリゴリのミクスチャーサウンドで、「生バンドでやったらすごそうだな」と思っていた「NOT SORRY」だ。音に感化されたのか、メンバーのパフォーマンスもさらに熱く繰り広げられ、ExWHYZ初の2マンツアーは大団円を迎えたのだった。
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