TOMORROW X TOGETHER、3rdフルアルバムチャート首位 ジャージークラブなど楽しめるビートの多彩さ
すでにご存知の方も多いかと思うが一応説明しておくと、ジャージークラブはニュージャージー発祥でもともと根強い人気を誇るダンスミュージックのいちジャンル。2010年代末からTikTokなどのSNSでバイラルな人気が高まり、現在までその人気は持続している。「なんだか盛り上がっているなあ」と思ったら、気づけば数年はその勢いが維持されているので、少し意外なほどだ。近年のヒット曲で言えばPinkPantheressの「Boy's a liar」、特にIce Spiceとコラボした「Pt.2」だろうか。NewJeansの代表曲となりつつある「Ditto」も、厳密にはジャージークラブの影響源のひとつであるボルチモアクラブを下敷きにしているが、こうした流行の一部をなしていると言えるだろう。日本ではLANA「PULL UP」やkZm「DOSHABURI (feat. JUMADIBA)」など、ジャージークラブ(及びその派生ジャンルとしてのジャージードリル)を取り入れたスマッシュヒットがヒップホップ文脈で登場している。
閑話休題。そんな流れでTXTがジャージークラブに力を入れている(なにしろ10曲中2曲)のは、不思議なような納得のような。多彩なビートを楽しめるというのはポップミュージックの醍醐味だと思っているので、個人的には地味にうれしい方向性だった。その点で言えば、今作では「TXT Ver.」が収録されている「Back for More」はもともとブラジルのポップスター・Anittaとのコラボ曲。アルバムで聴けるのはダンスクラシック風のディスコチューンだが、原曲ではAnittaがバイレファンキのビートと共に登場する。そんなジャンルのミックス感が絶妙だった。アルバムにこっちを収録してもよかったのに! と、欲張りなことまで思ってしまうのであった。そうしたらよりいっそう多彩なビートが登場する小粋なアルバムになっていた、ような……。いや、そうでなくてもクオリティの高い一作であることは間違いありませんが。
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