香取慎吾、初挑戦の縦型ドラマで伝えたモノづくりにおいて大切なこと 3年ぶりに帰ってくる『仮装大賞』に寄せて

 「3年ぶりに開催!」という文字が全国で躍った2023年。各地の伝統行事が再び動き出したことに安心を覚えるのと同時に、こんなにもたくさんの楽しみがあったのだと思い知らされた。そして、12月24日には日本が誇る伝統的な番組のひとつである『全日本仮装大賞』(日本テレビ系/以下『仮装大賞』)も3年ぶりに帰ってくることとなった(放送は2024年予定)。

 始まりは1979年、今回で99回目の開催となる『仮装大賞』。香取慎吾が参加したのが、2002年の第65回からだった。もちろん、今年の『仮装大賞』も『欽ちゃん&香取慎吾の第99回全日本仮装大賞』と銘打ち、萩本欽一と香取のタッグが久しぶりにテレビを賑わせる。

 そんなテレビのお祭りの再来を、さらに盛り上げようと香取が新たなチャレンジをしてくれたようだ。それは、日テレ公式TikTokショートドラマアカウント『毎日はにかむ僕たちは。』への出演だ。今年3月より始動した同アカウントは、累計2億回再生を突破、平均再生回数200万回以上という大人気コンテンツ。香取にとって縦型ショートドラマへの出演は、これが初めてとなる。

@maihani.4 意味ないことに時間割く必要ない。やっても意味ないことだらけで、学生時代の何かで大人になってから役に立つものなんてほとんどない。役に立つものなんて「スーホの白い馬」と「モチモチの木」で懐かしい話に花を咲かせるか、つまらない人生を草野球かフットサルで紛らわすための部活経験くらい。でも「無意味だったこと」「役に立たなかったこと」として覚えてることがあって、無意味なことだから人生での再現性がなくて、その瞬間にしか価値がなかったことは重々わかってるんだけど、どうしても思い出してしまう瞬間がある。その思い出を秋の夜道とかで思い出すと、「あ〜自分の人生ってなんなんだろうな〜」ってなるから、毎年ハロウィンの渋谷見て「あ〜あの人の人生よりましか〜」って気を紛らわしてる。 #仮装大賞 #日テレ #コスプレ #仮装 #ハロウィン #メイク #ショートドラマ #まいはに #短編映画 #短編ドラマ #ドラマティッカー #ショートフィルム #ドラマ #WEBREEN #ショードラアワード2024 ♬ Crop - Orange Spiny Crab

 制作現場は、全員平成生まれ。20代のスタッフが中心となって撮影されているというのも、TikTokならではといったところ。そんな新しい世代やテクノロジーと、伝統的なテレビコンテンツを愛する世代との橋渡し役というのは、新しい地図を広げて以降SNSに詳しくなった香取にとって最も得意とするところではないだろうか。

 今回のショートドラマで香取が演じたのは、『仮装大賞』出場を目指す仮装部の顧問の先生役だ。一生懸命準備をする女子生徒たちがいる一方で、「こんなところでいちばんになっても意味なくないっすか?」と冷ややかな言葉を口にする男子生徒も。そんな男子生徒に対して顧問役の香取は、「意味ないね」とまさかの笑顔で肯定する。

 一般的な教師ならば「そんなことを言うな」なんて生徒のネガティブな発言をたしなめそうなところ。しかし、香取が扮する顧問は「むしろ、時間の無駄だよ」なんて言い放つ。だが、そこで終わらないのが“慎吾先生”。そのセリフには「でも楽しいじゃん!」と続くのだ。

 
 
 
 
 
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 「みんなでも、ひとりでも、何か作るってめちゃくちゃ楽しくない?」と言って二カッと笑ってみせる。その言葉に説得力があるのは、香取がずっと創作活動を続けてきた表現者だからではないだろうか。

 “意味のあること”とは、おそらく“メリット”とか“得”とか“利益”といった言葉に変換できることなのだろう。もちろん、その作品によってお金や名誉が手に入るのは嬉しいこと。でも、それを目指すことが目標になってばかりでは面白くなくなってしまう。なぜなら、もっと効率よくそのお金を手にする方法なら他にもいくらでもあるのだから。

 大事なのはそれをやることそのものが楽しいかどうか。「やりたい」と思っていることを「やっている」瞬間をめいっぱい味わうということなのだろう。

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