香取慎吾、“渦中”を支えた上野樹里の存在 ふたりの対話で振り返る7年前と『家族ノカタチ』、そして今後の化学反応への期待

 香取慎吾が9月3日・10日と2週にわたって、上野樹里のラジオ番組『Juri’s Favorite Note』にゲストとして出演。2016年以来の共演にトークは大いに盛り上がり、2人のさらなるコラボレーションに期待が高まった。

 番組冒頭、香取を紹介するやいなや「わーいわーい、久しぶりーですー!」と声を上げる上野。香取が「いやー、樹里ちゃん、呼んでくれてありがとうございます。ラジオやってるんだね」とフレンドリーに答えると、「やってるんですよ、どう思います? この感じ! 想像つかないでしょ」と上野らしさ全開のトークに。香取は思わず「あっははは!」「いやいや、久々に会えてね、すごいテンションで、さすが上野樹里!と思ったよね」と大笑いするのだった。

 とても7年というブランクがあったとは思えない、あたたかな空気が流れるふたりのトーク。それは、香取にとって上野は、長い芸能生活のなかでも特別なタイミングで出会った人だからかもしれない。香取と上野が共演したのは、2016年1月期の日曜劇場『家族ノカタチ』(TBS系)だった。香取はドラマのオフィシャルサイトで上野について、「上野樹里さんとご一緒するのは初めてですが、良い意味で“どうなるか分からない”感じ。早くお会いしたいです!“どこか、同じように響きあう感覚が在りそうな方”だと思っていますので、意気投合しすぎて、スタッフの方々が大変になりそうかなという(笑)」とコメントしていたのを思い出す。

 その直感が当たったのだろう、香取は上野と初共演とは思えないほど息の合ったやりとりを見せていた。それは演技の場面のみならず、カメラの回っていないところでも。当時のことを思い出した上野が「最初の取材の時に(香取の)印象を聞かれて、“思ったより黒いですね”って言ったら、香取さんが3秒くらい固まって、“んん?”って聞いてきて(笑)」「“あ、マズイこと言ったかな”とか思って! いや、思ったより(肌が日に)焼けてたの、その時」と思い出話を展開すると、香取が「最初の印象、日焼け具合?」とすかさずツッコむ。

 思い返せば、香取は親友の草彅剛を筆頭に、山本耕史やウド鈴木(キャイ〜ン)など、マイペースかつ自然体なタイプとの相性がいい。何が飛び出すかわからないその予測不能な言動を面白がりながら、その自由な感性をリスペクトする形で親睦を深めてきた姿を思い出すと、上野との会話が弾むのも納得だ。

 そんな上野を前に、香取も「今日呼んでもらえて『家族ノカタチ』ってどんなだったっけなって、(ネットで情報を)見てみたんですよ。びっくりしましたね、なかなかの時期にやってたんですね。これは、これはもう大変な時だったよ」と自ら、“あの時期”について話を振る。そう、『家族ノカタチ』は香取にとってジャニーズ事務所在籍中のラスト主演ドラマだった。

 2016年のはじめ、SMAP解散に関してのニュースが駆け巡ると、報道が一気に加熱。日本中が揺れる大きな騒動へと発展していった。さまざまな憶測が飛び交い、メンバーの発言に注目が集まったものの、彼らの口から詳細が語られることはなかった。そんな大きなうねりの渦中で出演したのが、この『家族ノカタチ』だったのだ。

 上野も「大変な時だったと思う、本当にそれは!」「いろいろ大変だなっていう話は、ちょこちょこ現場で聞いてたりして。でも香取さんはそれ以上にね、器がデカいんですよ。だから楽しく話しちゃうのね。話を聞いてるうちに“大丈夫だな”って感じはしてたし、いろいろ大変だとは思うけどなんにも間違ってないと思うし、“早くそうなりゃいいのにな”っていう感じでね! 逆に息抜きになってたらいいなとも思うし」と当時の思いを明かしたのだった。

 それに対して香取も「大変だったけど、樹里ちゃんに助けられましたよ」と続ける。過去に類を見ない大きな渦のなかにいても、現場では割本(その日撮影する部分の台本)を一度見たら、すべて頭に入っているというプロ意識の高さを見せていた香取。その姿を見て「私、ついていけなくて!」と笑う上野だったが、そんな天真爛漫な言動に香取は苦労を察してくれているのを感じたという。現場で聞こえてきた上野の「頑張りましょー」というハイテンションな声に「本当に背中を押してくれて」と懐かしむ。

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