2023.09.04 18:00

Dannie May、万人に聴かれる音楽へのこだわり　夏曲「Boom Boom Boom」から見据えるバンドの新展開

文・取材＝小川智宏、写真＝池村隆司

ハッピーエンドじゃないところがYunoっぽい（田中）

ーー本当にその通りで、この曲はサラッとしてるんですよ。振り返ってみたら「ぐーぐーぐー」以降のシングルはかなりこってりしていたと思うんです。

マサ：そうですね。

田中：まさしく。

ーーそれはそれでよかったんですけど、ひと段落して「こんなのもできますけど」とサラッと出していくのはすごくかっこいいなと思いますし、それができること自体がDannie Mayとしてのひとつの成長なのかなっていう気もしますよね。

マサ：そうですね。あくまで「Boom Boom Boom」は僕らの1つの側面。で、ここからが前にやっていたこととの行き来になってくるというか。どこが僕らの一番おいしいところなのかを探っていく時期になるんだと思います。先々決まっているリリースも実はあるんですけど、そこではまた全然違うマインドの時に書いた曲を出して行くので。これからの制作は、振れ幅も争点になっていくのかなと思っています。

Yuno：曲を出すたびに、僕らの中で「ぐーぐーぐー」系とか「ええじゃないか」系とかいろいろあるんですけど、そのマトリックスをどんどんアップデートしていくみたいなところがあって。「この曲の上位互換版を作ってみようか」みたいな話から曲を作っていくこともあります。この「Boom Boom Boom」はその新しいベースができたという感覚で捉えてもらえれば、すごくわかりやすい気がします。これだけジャンルレスでやれているバンドなので、どんな精神状態でも何かしら僕たちの曲が聴けるみたいな状態にしたいんです。「このバンドは好きだけど、こういう悲しいタイミングでは聴けないな」とかあるじゃないですか。それがないバンドになりたい。そうなれるポテンシャルがあるなと思ってやっているところはあって、この曲もそういうひとつとして聴いてもらえたら嬉しいです。

ーーその発想でいくと、まだまだやれることがいっぱいありますよね？

Yuno：うん、やりたいことはいっぱいありますね。

ーー「自分にはこの蛇口しかない」と思うと、それが枯れちゃったらどうしようとなるけど、Dannie Mayの場合は全然そうじゃないですね。

マサ：毎回その蛇口を作るところからやっていますからね。「この音楽、どうやってできてるんだろう？」みたいな時間があるので。

ーーそれはすごく健全だし、いいなと思います。MVもすごく切ないというか、胸キュンなものになっていますね。

Yuno：これも僕からしたら「夢花火」のMVのアップデートバージョンなんです。3〜4年くらい前に作った作品を、今の時代に合わせて表現したらこういう感じになるのかなと。そのアップデートに注目して観ていただけたら嬉しいです。

田中：Yunoっぽいなと思ったのが、ハッピーエンドじゃないんですよ。たぶん、だいたいの人がハッピーエンドにすると思うけど、そうしないのが“らしい”なって。

Yuno：恋愛系のMVを作ってハッピーエンドにしたことない（笑）。

田中：みんな去っていく（笑）。

Yuno：みんな何かを失う（笑）。いや、「そんなうまい話ないな」っていうのが僕の人生の恋愛観なんですよ。アルバムの自分で作った曲（「もういいって」）も最後の歌詞が〈許さないからね〉だったからね。きっと、そういうテイストが好きなんです。別にその時の相手を非難するとかではまったくなくて、うまい話がない中で不器用ながら生きていく方が人間味があって好きで、そういう風にしたくなっちゃうんですよ。

ーーでもそれってYunoさんだけじゃなくて、Dannie May自体にもある部分だという気がします。

Yuno：そうかもしれない。前に言ったかもしれないけど、うだつの上がらない3人感というか。

マサ：今回の曲でもすごくストレートにポップなんだけど、ちょっと変な歌詞にしてみるとか、自分たちで枠組みを作ったりしながらその中でちょっとだけ遊んでみるとか、そういうのが3人とも好きなんだなとは確かに思いますね。

ーーこの曲も〈夏が溶けるまでいたいのにな〉とか〈やけに苦い泡だけがあなたの味〉とか、甘さだけじゃないですしね。

Yuno：このMVでも結局、時代に翻弄されて2人とも別れる道を選ぶんですよ。でも時代が時代じゃなかったら結婚していたかもしれない。もともと幸せに一緒にいたふたりなので。「夢花火」のときも夢に翻弄されて別れるという結末なんですけど、絶対にそういうことはあるよなっていうのが、今回のMVの中核にありました。

ーー曲とMVを合わせることで、そっちのテイストが強調されていくことになるじゃないですか。それがいいんですよね。

Yuno：撮影の時、ずっと「切ねえ！」って言ってましたからね。ふたりが別れるシーンは最後に撮ったんですけど、「なんで別れなきゃいけないんだろう」とか思いながらやってました。

ーーこのシングルを経てこれからのDannie Mayとしてはどうなっていきそうですか？

Yuno：でも、この後も我々にはいろいろなものが待っているので、そこへの橋渡しになるような曲になったんじゃないかなと思います。

マサ：今は曲の強度としてはすごく強いものを書きたいなと思っているんです。J-POPとしてすごくいいメロディだけど、アレンジはスコーンって抜け感があるみたいな曲を作りたい。

ーーアルバムまでのところで狼煙は上がりまくっているわけですから、あとは攻め込むだけですよね。

マサ：そう、攻め込みたい。

田中：今年の後半戦はいいことが待っているので、いい形でそこまで到達したいです。

■リリース情報
Dannie May「Boom Boom Boom」
配信中
https://Dannie.lnk.to/BoomBoomBoom

■Dannie May
Dannie May ONEMAN LIVE 「SURPRISE」 -追加公演-
・10/02(月) 下北沢SHELTER
【オフィシャルサイト先行】
受付期間：09/02（土）20:00〜09/08（金）23:59
受付URL： https://w.pia.jp/t/danniemay-suprise/
枚数制限：お1人様4枚まで
決済方法：クレジットカード、セブンーイレブン、ファミリーマート、イーコンテク
スト
※コンビニ・イーコン入金期間：予約日+3日
発券方法：セブン-イレブン、ファミリーマート
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