LIL LEAGUE、切磋琢磨してきた6人だから歌える“自分らしく進む大切さ” 2ndシングルでは楽曲との向き合い方に変化も

LIL LEAGUE、自分らしく進む大切さ

 2022年、LDH史上最大規模のオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』男性部門でグランプリを獲得し、アーティストの仲間入りを果たしたLIL LEAGUE。NEO EXILE世代の台頭となる6人組グループが、7月26日に両A面となる2ndシングル『Higher / Monster』をリリースした。“旅立ち”がテーマの『Higher」と、ダークな世界観で新たなLIL LEAGUEを魅せる『Monster」の他、カップリングには初のバラード『YADA」と、初の単独ライブツアーのタイトルにもなっている『GATEWAY」を収録。

 リアルサウンドでは、取材時に完成していた3曲(『GATEWAY」以外)の制作秘話を中心に、開催中のツアー『LIL LEAGUE LIVE TOUR 2023 “LIL GATEWAY”』についても語ってもらった。(斉藤碧)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

「Higher」の歌詞に込められた“LIL LEAGUEの今”

――デビューから半年が過ぎ、2ndシングル『Higher / Monster』が発売となりましたが、今作を制作するにあたって、EXILE SHOKICHIさんとはどんなお話をされましたか?

山田晃大(以下、山田):今回のシングルは“卒業”や“旅立ち”といった、今いる場所から踏み出して1つレベルアップすることが作品のテーマとして掲げられているんですが、曲を受け取った時に、その意味も直接説明していただきました。あと「Higher」と「Monster」のレコーディングでも、SHOKICHIさんに表現や歌い方を細かくディレクションしていただいたんですが、曲への向き合い方という精神的な部分を教えてもらったことが、僕らにとっては大きな意味があって。SHOKICHIさんと僕らみんなでテーマを共有して、同じ方向を見て制作できたと思います。

――ではまず、「Higher」(Lyrics by SHOKICHI/Composed by Didrik Thott, Fredrik Thomander, TAKAROT/Arrangement by TAKAROT)のお話から。デモを聴いた時の印象はいかがでしたか?

中村竜大

中村竜大(以下、中村):今までの僕らの楽曲は、わちゃわちゃと賑やかなものが多かったので、今回MVを撮影する楽曲として「Higher」を聴かせてもらった時は、少し大人っぽい雰囲気があって「新しい!」っていう印象が強かったですね。ワクワクしました。と同時に、これまでと同じ歌い方では通用しない気もしていて、「どう表現すればいいのかな?」っていう迷いも浮かびました。でも、レコーディングでSHOKICHIさんのお話を聞いて、自分なりに歌に落とし込んだら進むべき方向が見えたというか。

――前作「Hunter」は船に乗って旅に出る瞬間を描いていましたが、今回は歌詞に〈気球〉が出てくるんですね。

中村:カップリングの「GATEWAY」にも〈途中下車なんてダメ〉という歌詞がありますし、最初に作っていただいた「Rollah Coaster」からずっと、乗り物シリーズが続いていますね。それがテーマとしてあるのかどうか……楽しみに待っていていただきたいです!

岩城星那(以下、岩城):僕らが気球に乗ってグングン空を上がっていく様子が描かれていて、夢のある歌詞ですよね。ただ、僕が「Higher」を聴いた瞬間に思い浮かべたのは、ライブのイメージでした。僕らは『iCON Z』というオーディションで誕生して、TV番組や武者修行などでいろいろな方に知っていただき、みなさんのおかげで今年の夏に早くもホールツアーをさせていただく……というところまで来させてもらっているので。その状況が「Higher」の歌詞や雰囲気と重なって、自分たちのことを応援してくださっているみなさんもそうですし、いつも支えてくださっているSHOKICHIさんやスタッフさん、自分たちの周りにいる方々のことをより想像できる曲だと思いました。

――それぞれ、レコーディングで意識したことや力を入れたフレーズも教えてください。

岩城:僕は歌い出しを担当しているんですが、今回の楽曲は、前回の「Hunter」とは結構真逆な歌い方をしていまして。「Hunter」はタイトル通り、「自分たちの夢を掴みに行くぞ!」っていう意気込みを乗せた曲だったんですけど、「Higher」は旅立つ時の切なさも感じられる楽曲なので、できるだけ自分の声を柔らかくして歌いました。その上でどうアクセントをつけるかっていうのが、課題になっていましたね。

百田隼麻(以下、百田):星那くんも言ったように、僕も「Higher」は今までと違うテイストの声で歌いました。しっとりした曲調ではあるんですけど、その中でもいろいろな場面を見せる曲なので、その場面ごとに合った歌い方をしようと思っていました。

――シーンごとの歌い方は、SHOKICHIさんと話しながら探っていったんですか?

百田:はい。最初にデモを聴いた時は、自分なりに歌い方のイメージを膨らませて練習していたんですけど、レコーディングの時にSHOKICHIさんからアドバイスをいただいて、「そういう表現もあるんだ」って気づいたりもして。例えば落ちメロ(Dメロ)は、SHOKICHIさんにお会いする前は、もうちょっと感情を抑え気味に歌っていたんですけど、SHOKICHIさんから「もうちょっと優しく歌って」って言われてからは、優しく歌うように心がけました。

山田晃大

山田:僕は2番にあるメロディの〈決してリタイア/なんてできないな〉というパートを歌っています。僕らはオーディションで集まったメンバーなので、夢を自分たちで選んで掴んできた6人だと思うんですね。オーディションに出たことも自分で選択したことですし、辛いこともそれぞれあった中で、全員が夢を途中で諦める選択をせずにここまで頑張ってきたからこそ、今のLIL LEAGUEがあると思うんです。そう考えると、気球が地面から空に上がっていくように、未来に向かって飛び立つためには、ルーツや地元での困難といった“過去”を背負う、僕のパートが大事だなと思えて。目指しているものに手が届くまではリタイアできないっていう、使命感も込めて歌わせていただきました。

岡尾真虎(以下、岡尾):僕はラップパートを担当させていただいているんですが、2番の〈切磋琢磨して成長してくFriendsごと〉という歌詞がお気に入りですね。「Higher」のMVには、僕らが誕生したオーディションに続く、『iCON Z』第二章から誕生した3グループ(WOLF HOWL HARMONY、KID PHENOMENON、THE JET BOY BANGERZ)にも参加してもらっているんですけど、『iCON Z』発の4グループがこれから切磋琢磨して頑張っていくぞ! という意気込みがこのフレーズには込められていて。僕自身は、LIL Friends(LIL LEAGUEファンの総称)も一緒に成長していこう! という意味も込めて歌っているので、そう思って聴いてもらえたら嬉しいです。

難波碧空(以下、難波):僕のパートの聴きどころは、サビ前ですね。サビに向かって上げていく部分を任せてもらって少しプレッシャーも感じていたんですけど、今の自分の声を最大限に活かして、楽曲を盛り上げるにはどうしたらいいかを考えながら歌いました。制作中は思うように歌えなくて悩むこともありましたけど……でも、歌う楽しさは忘れないように。曲のテイストが変わっても、明るく前向きな“LIL LEAGUEらしさ”は変わらずに歌えたんじゃないかなと思っています。

LIL LEAGUE 'Higher' Music Video

――竜大さんはいかがですか?

中村:「Higher」の聴きどころは、2番の〈打ちのめされたDays/その数だけ/少し大人になれた〉っていう……。

岩城:それ、僕のパート(笑)。

中村:(笑)。ここは歌っている星那も僕も好きなパートなんです。僕たちはオーディションの時からいろんな道のりを経て、この6人でデビューに辿りついて。デビューした後も、いろんな壁を乗り越えながら進んできたからこそ今があると思っているんですけど、この歌詞にはそういう過程がすごく表れていると思います。振付も僕たちで星那を囲むように踊っていますし、感情を入れやすい振りになっているので、個人的にはここがお気に入りポイントです。

岩城星那

――逆に、星那さんが竜大さんパートの“推しポイント”を挙げるとしたら?

岩城:僕は〈僕らは輝く/ネクストステージへ飛び立つ〉っていうところが好きですね。そこまでは〈全力で駆け抜けた証〉とか〈少し大人になれた〉とか、「今までこうだったよね」っていうことを歌っているんですけど、ここで初めて「次に行くぞ!」っていう意志をしっかり宣言していて。この曲で一番伝えたいことが、このフレーズに詰まっていると思うんです。しかもその後、隼麻のパートに繋がり、最後のサビへっていう、最終的な盛り上がりに向かう大事なところで、「行くぞ!」って勢いをつけてくれているのがたっちゃん(中村)なので、そこを推したいです。

中村:ありがとう。照れちゃいますね(笑)。ここの歌詞は音的にも一気に雰囲気が変わるところですし、ここで一区切りつけたいという気持ちもあったので、サビとは違う感じで、素直にナチュラルに歌えたらいいなと思っていました。そのために、変にクセが出ないように意識して歌っていて、何回も録り直しましたね。

――真虎さん、振付のポイントとMVの見どころについてはいかがでしょうか。

岡尾:今回はMONAさんという方に振付していただきました。全体的にはしっとりした感じもありつつ、身体を大きく使った壮大な振付になっていまして。その一方で、片手でピース、片手で丸を作って重ねる、キャッチーな“気球ポーズ”なども入っているので、一緒に踊ったりする楽しさも感じてもらえると思います。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる