SHO HENDRIX、“好き”を全開にした素の自分 EXILE SHOKICHIからの改名理由、楽曲制作への意欲も語る

SHO HENDRIX、楽曲制作への意欲

 2023年、ソロワークを再始動させたEXILE SHOKICHI。EXILE/EXILE THE SECONDのボーカルであり、LDHが開催したオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』のプロデューサーとしても多忙を極める彼が、SHO HENDRIX名義で7月14日に「草花と火山の物語」を配信リリース。たくさんのトピックを振りまきながら動き始めた待望のソロワークについて、SHOKICHIに語ってもらった。(斉藤碧)

リリースごとに新たな「SHO ◯◯」が誕生する!?

――まず、どうしても気になる名前のお話から。ソロワークの再始動を機に、SHO HENDRIX(読み:ショー ヘンドリックス)に改名されたそうで……一体何があったんですか?

SHO HENDRIX(以下、SHO):その反応を待ってました(笑)! みんなからの「SHOKICHI、どうしちゃったの?」「どこに向かおうとしてるの?」っていう反応をお待ちしてます! って感じです。

――最初に改名のお話を聞いた時は「ジミ・ヘンドリックスから取ったのかな? ギターを掻き鳴らしながら、ハードロックを歌うのかな?」と思ったんですけど、第一弾楽曲を聴いたら違うみたいだし、正直、困惑しました(笑)。

SHO:深読みしていただいて、ありがとうございます。じつはこの名前にしたのは意外な理由で。SHO HENDRIXって、僕がアメリカに行った時に使う名前なんですよ。というのも、アメリカで“SHOKICHI”って名乗ると、なかなか通じないんですよね。聴き取りづらいみたいで。だから、自己紹介では絶対に“SHO”と名乗っていて、アメリカの友人はみんな、僕のことを“SHO”って呼ぶんです。で、レストランを予約する時にラストネームを聞かれるんですけど、それも“ヤギ(八木)”だと通じないから、お気に入りのバーの名前“HENDRIX”をもらって。そこからずっと、アメリカではSHO HENDRIXとして生きてきたので(笑)、それをソロ再始動のタイミングで表に出したっていう流れです。でも一番は、先入観なく音楽を届けたいという想いから改名に至りました。

――この先もずっと、SHO HENDRIX名義でリリースしていくんですか?

SHO:それはまだ考え中なんですよね。リリースごとに、新たな「SHO ◯◯」を誕生させてもいいなって思うし、どうしようかな?

編集担当スタッフ:ギタリストシリーズとか、どうでしょう?

SHO:それいい! 有名なギタリストのラストネームをもらったり、次はベーシスト、ドラマーって変えていくのも面白そうですね。ソロワークに関しては、そのくらいラフな感じで取り組んでいて。メジャーシーンの場所を借りて、伸び伸びとやらせてもらってます(笑)。

――では、ここからは楽曲制作のお話を。SHO HENDRIX名義での配信シングル「草花と火山の物語」はどのような経緯で制作されたのでしょうか?

SHO:コロナ禍で、決まっていたことが急に変更になる場面も多かったですし、楽曲を制作しようと思っても、あまり気分が乗らなくて(苦笑)。EXILE THE SECONDのツアーも控えていたので、それが終わったらソロを再始動できたらいいなぁ……みたいな気持ちでいました。

――今年2月には、EXILE THE SECONDのシングル『Twilight Cinema』に「カゲロウ」というソロ曲が収録されて、同曲は“出会いと別れ”を描いた『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2023 ~Twilight Cinema~』の“悲しみの頂点”で披露されましたが、そちらはアルバムとは分けて準備されたんですか?

SHO:そうですね。「カゲロウ」はあくまでも『Twilight Cinema』ツアーで披露するために作った曲だったので。「カゲロウ」を作った後くらいから、本格的にソロに向けて動き始めました。

――「ここからのソロワーク、めちゃくちゃ音数少なめにいくと思います」(※1)という話がありましたよね。

SHO:そうそう。今まではダンサーやバンドが揃っていないと披露できない曲が多かったんですけど、今制作中のソロアルバムでは、身一つでパッと行っても演奏できるような曲が作れたらと思っています。作り込んだステージ演出は、SECONDのほうでいろいろやってきましたし、ソロではあえて違うことをやりたいっていうバイブスですね、今は。

「悲しい恋の歌をたくさん作りたい」

――そしてSHO HENDRIX名義の第一弾楽曲として配信されたのが、ムーディなラブソング「草花と火山の物語」(作詞:SHOKICHI/作曲:SHOKICHI, NAO the LAIZA, Ryuichi Kureha/編曲:NAO the LAIZA)。NAO the LAIZAさんは「IGNITION」や「Last Song」などでも共作されていますが、どういう経緯で再びご一緒することに?

SHO:先ほども言ったように、今回はラブソングを作ることが大前提としてあったので、歌詞の内容にフォーカスした曲作りをしていて。考えていた曲調や歌詞の方向性からして、NAOちんにお願いするのがベストかな? と思って連絡させてもらいました。その後、NAOちんと顔を合わせて、自分の中にある曲のイメージを説明して。

――「90年代によく使われていたこういう音色で」みたいな、具体的なオーダーはしたんですか?

SHO:「草花と火山の物語」を分かりやすくジャンル分けするとしたら、ネオソウルになるんでしょうけど、「80年代っぽく」とか「90年代っぽく」っていう縛りは今まで散々やってきたので、その指定は特にしていなくて。あくまでも、今生まれるリラックス感を形にしたいと思っていましたね。コードやビートといった曲の基盤となるところは、事細かにリクエストしましたけど。

SHO HENDRIX「草花と火山の物語」

――「草花と火山の物語」には、草花と火山のように決して交わることのない2人のラブストーリーが描かれていますが、タイトルや歌詞の内容は、どの段階で見えてきたんでしょうか?

SHO:タイトル先行でトラックを作ったわけではないんですけど、トラックからインスピレーションを受けて歌詞を書いたっていうわけでもなくて。もともと「草花と火山の物語」というタイトルの曲を作りたいと思っていたところに、ちょうど合いそうなトラックが上がってきた結果、このタイトルで行こうってことになりました。歌詞に関しては、どんなラブストーリーを描くかはタイトルとセットで先に考えていたんですけど、具体的にどんな言葉を乗せるかは考えていなくて。頭の中でメロディを思い浮かべながら、ストーリーを音にはめていきましたね。

――お気に入りのフレーズも教えてください。

SHO:強いて挙げるなら、サビの〈決して2つは交われない/宇宙の法則とDestiny〉かな。ここのパートに行きつくまでは掴み所がないというか、「これ、どういう曲なんだろう?」って感じる人もいると思うんですよ。でも、このフレーズのおかげで、良い歌になってるなって思うし。制作している時も、このフレーズが出てきた時に、ようやく曲が形になったなと思いました。

――すごくロマンティックなサビですよね。ただ、その後に続くラブストーリーの結末はちょっと意外でした。「カゲロウ」は悲恋を歌った曲ながらも〈涙ののちには晴れだろう〉と前向きに締め括っていて、SHOKICHIさんも「あえてハッピーなエンディングにするところが、自分らしいのかなと思います」(※2)とおっしゃっていましたけど、今回は違うじゃないですか。

SHO:うん、今回は希望ゼロですね! 恋愛が上手くいかず、やさぐれたまま終わるっていう(笑)。

――バッドエンドにしたのはなぜ?

SHO:この曲に限らず、悲しい恋の歌をたくさん作りたいんですよね。最近は『iCON Z』のプロデューサーとしてハッピーな曲をたくさん書いていますし、プロデュース業ではきっとこれからも、ハッピーで綺麗な恋愛をたくさん書くことになると思うので、ソロではめちゃくちゃ汚いことや辛いことも書いていこうかなと。そうすることで、自分の心のバランスを取っていけたらいいのかなと思っているんです。

――セクシーな楽曲や悲恋を描いた曲は、EXILE THE SECONDでも制作されていますが、それとも違う引き出しを開けるんですか?

SHO:そのつもりです。SECONDのラブソングは、あくまでもSECONDとしてパフォーマンスする前提で作っているので、やっぱりちょっとファンタジーを残そうって思うんですよ。でも、ソロワークはゼロファンタジーなので、EXILE SHOKICHIというEXILEの看板も1回外して。自由な名前で、自分の好きなように作ってみようかなと思いました。

――「草花と火山の物語」を聴けば、その意気込みがよく伝わると思います。この曲はタイトルもさることながら、歌詞もSHOKICHIワールド全開で、まるでSHOKICHIさんの頭の中を覗いているようなワクワク感がありました。

SHO:今回はSHOKICHIワールド全開で行こうと思っているので(笑)、その第一弾にふさわしいタイトルであり、歌詞になったなと思います。かといって、ポップに振り切りすぎないように。ポップとソウルのバランスにはこだわりましたね。

――イントロの雰囲気や歌詞の世界観は美しいのに、不意に〈クソくらえなんて思ってた〉という強い歌詞が入ってくるのが面白いですよね。

SHO:その歌詞はフックになればいいなと思って入れましたね。そういう人の心を掴むワード……パンチラインはすごく大事にしていて、この曲の中にも意図的に散りばめてあります。

――全ての歌詞を強く打ち出そうとすると、結局何を一番伝えたいのか、伝わりにくくなることもあるんじゃないかな? と思ったりもするんですが、SHOKICHIさんはどうやってバランスを取っていますか?

SHO:僕の場合、Aメロから順番に歌詞を書いていくので、最大のパンチラインは絶対にサビに来るんですよ。だから、自然と抜き差しができているんじゃないかなって思います。ただ、普通の言葉遣いで書きたくないという気持ちは常にあって。たとえありふれた物事を表すとしても、比喩を使ったり、いろいろな視点から見たりして、1つ昇華させた歌詞を書くようにしています。

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