chelmico、ともに過ごす時間の中で育まれた友情 「JUNE JULY♡2023」と『ともだち10周年ライブ』で祝うアニバーサリー

chelmico、ともだち10周年

 RachelとMamikoからなるラップユニットのchelmicoが、“友達”になって10年を祝すイベント『ともだち10周年ライブ』を東京と大阪で開催。このアニバーサリーイヤーを記念するシングル「JUNE JULY♡2023」を、7月7日の七夕にリリースする。この曲のオリジナルバージョンである「JUNEJULY」は7年前に制作され、SoundCloudでしか発表できていなかった幻の名曲。「ラビリンス’97」も手がけるなど初期のchelmicoを支えてきたトラックメイカー、ヒイラギペイジが手掛けたこの夏曲を、このたび“2023年のupdate version”として蘇らせた。ライブだけでなく、この日のために制作した10年を振り返るスペシャルな映像や、朋友であるお笑いトリオ・トンツカタンの森本晋太郎によるトークも行われるなど盛り沢山な内容となること必至の『ともだち10周年ライブ』でも、この「JUNE JULY♡2023」が披露されるのは間違いないだろう。「JUNEJULY」の当時と今の制作エピソードはもちろん、ふたりの友情関係についてやイベント『ともだち10周年ライブ』のことなど、RachelとMamikoにじっくりと聞いた。(黒田隆憲)

幻の名曲「JUNEJULY」をアップデート 当時のchelmicoに勇気をもらった

ーーニューシングル「JUNE JULY♡2023」のオリジナルバージョンは、もともとどのようにして生まれたのですか?

Mamiko:とにかく当時は持ち曲が少なくて、やる曲があまりない中でライブが先に決まっちゃっていたので、よく一緒に曲を作っていたヒイラギペイジくんにトラックをもらって、「夏曲を作ろう!」という感じで始まった記憶があります。

Rachel:ビートが先にあって、それを聴いて「夏曲にしよう」と決めた気がする。chelmico初の夏曲で、この曲を作ったことで「私たち、夏曲が得意なんだ」と気づくことができました(笑)。夏曲をたくさん作りたいなあと思った始まりの楽曲でもありますね。

ーーヒイラギさんのトラックを最初に聴いたときにはどんな印象を持ちましたか?

Rachel:初めて聴いた時はビートが難しいなと思いました。トラックメイカーのヒイラギくんは、プロデューサーとしても優れていて。そのときの主流や主流になるであろうビート感を、トラックの中に積極的に取り入れてくれるんですよね。なので最初にビートをもらったときは、「ここにどうやってラップを乗せたらいいんだ?」という困惑の方が大きくて。当時はまだ私たちもラップの経験がそんなになかったし、そもそもクラブミュージックというものにあんまり触れていなかったので、すごくびっくりして「どうしよう……?」となりました。

ーーそうだったんですね。

Rachel:でもペイジくんって褒め上手というか(笑)。私たちが書いたリリックを読んで、「めっちゃいいよ!」と言ってくれたのは嬉しかった。まだラッパーとしての経験が未熟だったときに、ペイジくんのようにちゃんとやってきたアーティストに褒めてもらえたのは励みになりましたね。それで自信につながった部分もあるのかなと思っています。

ーー当時と今とでは、リリックの作り方も変わってきましたか?

Mamiko:基本的には変わっていないんですけど、このときの方が「言葉遊びをしよう」という気持ちが強かった気がします。

Rachel:確かに。

ーー〈そりゃもう夏のせいにしちゃお〉とか、スチャダラパー「サマージャム’95」のオマージュのように感じたりもしますし。

Mamiko:うんうん、そうですね。

Rachel:オマージュもそうですし、ビートにハマっているだけで脈絡のない言葉とか、2人ともガンガン入れているところに「遊び心」を感じますね。

ーー今回、この「JUNEJULY」をアップデートするときには、どんなところにこだわりましたか?

Mamiko:ペイジくんにこの曲を再録したいと話したら、ペイジくんが「トラックを今のバージョンにしたい」と言ってくれて。その当時のビートではなく、今の感じを入れたいと言っていたのが「ペイジくんだなあ」と思いました。

Rachel:レコーディングの時は、原曲に近い軽やかなノリ方のラップにしたいと思っていました。例えば声の出し方やリズムへの乗せ方も、徐々に変わってきているんです。今のchelmicoの感じというよりは、原曲を彷彿とさせるノリ方にしたいというのをマミちゃんと話して決めました。

ーーその違いって、具体的にどんなところにあるんでしょう?

Rachel:まず、2人とも声が低くなりました。その方が乗せやすいビートが多いというのと、あと単純に「かっこいいかな」みたいな(笑)。当時はもっと楽しそうな、キュルンとした感じのラップでしたね。テクニック的な部分でいうと、ビートに対してレイドバック気味にラップを乗せたり、逆に少し突っ込んで乗せたり、続けていく中でコントロールすることができるようになっていたんですけど、そういう細かいところも原曲に寄せてる感じかなと思います。

 ただ、原曲は当時SoundCloudにしかアップしていなかったので、聴いたことがない人もたくさんいると思うし、今回のアップデート版を「新曲」として聴いてくれる人もいると思うので、そこはちゃんと意識しましたね。

Mamiko:そうだね。原曲に寄せようとしても、それでも変わってしまう部分はあったし。

Rachel:実際に歌ってみるとそう感じたよね。

ーー今、SoundCloudに上がっている原曲と、今回のアップデート版を聴き比べてみると。やっぱりお二人のラップのスキルは格段に上がっていますよね。リズム感や切れ味に貫禄すら感じられるというか。

Mamiko:ありがとうございます。確かに進化しているところもあるとは思うんですけど、「この頃のchelmico、すご!」って思いましたね(笑)。「私、今だったらこんなこと書けないや」という驚きの方が大きかった。「今だったらこんな乗せ方しないな」とか、「こんな言葉使わないな」とかめちゃくちゃあって。

Rachel:例えば、タイトルは二人の誕生月を合わせて「JUNEJULY」なんですけど、今こういうことをやる勇気があるかどうか分からないなと。当時のchelmicoっぽくて、今逆に勇気をもらいますね。

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