櫻坂46、『Start over!』が自己最高初週売上で首位 MVで見たかったメンバーのアイドルらしい笑顔

CD Chart Focus

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2023-07-10/

 これまで「チャート一刀両断!」というタイトルだったこのコーナーが、「CD Chart Focus」というタイトルにリニューアルして、初めてのシングルランキングの記事です。そんな記念すべき今回取りあげるのは、櫻坂46の『Start over!』。2023年7月10日付のオリコン週間シングルランキングで1位を獲得しました。2020年に欅坂46から櫻坂46に改名して以降、6作連続の首位獲得であり、欅坂46時代も含めれば、2016年の『サイレントマジョリティー』以降、14作連続の首位獲得です。昨年末の『第73回NHK紅白歌合戦』には出場できなかった櫻坂46ですが、『Start over!』は櫻坂46として自己最高初週売上となる43.9万枚で、勢いはまだまだあります。

櫻坂46『Start over!』

 その「Start over!」は、堂々たるジャズ歌謡。ベースラインが鳴り響くイントロから、大人数の靴音がパーカッションのように響き、そこからストリングスとピアノの音色がジャジーなサウンドへと一気に誘います。そして、〈こんな夜遅く コンビニのレンジで/弁当温め どんな奇跡待ってるの?〉と歌うBメロだけジャズ色が突然消えるものの、サビでは再びジャジーになるところに「技」を感じました。一番が終わると、間奏で再びベースの音が鳴り響き、二番からは指を鳴らす音が加わります。二番の後の間奏は、ドラマティックすぎるほど派手なサウンド。ピアノを叩き鳴らすかのようです。そして、落ちサビの後には息切れする呼吸音も。

 2023年の音であるものの、全編に漂うスウイングジャズ感によって、1940年代の要素も感じさせるのが「Start over!」。エレキギターの音が大きいのは、リズムを強調するための意図的なものでしょう。落ちサビではソロのボーカルのリレーになるのですが、全体的にはユニゾン感が強すぎるので、生々しさを出すためにもう少しメンバーのソロを増やしてほしいところでした。

 「Start over!」のMVは、今回のセンターである藤吉夏鈴が、オフィスで頬杖をついていると鼻血を垂らして倒れ、そこから白昼夢のように展開していきます。藤吉がメンバーたちの背中をのぼっていき、続いて曲名のタイトルロゴが出てくる瞬間のカタルシスはかなりのものです。ただ、個人的には、藤吉の個人PV「藤吉さんを笑わせたい」を見るために、2020年の『Nobody’s fault』のTypeCを買ったので、やはりメンバーのアイドルらしい笑顔が見たいと思うのです。

櫻坂46 藤吉夏鈴『藤吉さんを笑わせたい』

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