『SUMMER SONIC』、フェスシーンで存在感を放ち続ける3つの理由 最速ソールドアウトとなった2023年の見どころも

サマソニ、存在感を放ち続ける理由

 もちろん、ヘッドライナーのBlurとケンドリック・ラマーは注目だ。Blurは昨年末から久々に活動を再開させており、来日直前の7月21日には8年ぶりとなるニューアルバム『The Ballad of Darren』をリリースする。ケンドリック・ラマーは昨年リリースしたアルバム『Mr. Morale & the Big Steppers』を最後に、20年近く所属したレーベル Top Dawg Entertainmentから独立したこともあり、キャリアの節目とも言えるタイミングでライブを観ることができるのは貴重だ。

Blur(『Primavera Sound Porto』June 10, 2023)
Blur(『Primavera Sound Porto』June 10, 2023)

 また、サマソニを主催するクリエイティブマンは、ケンドリック・ラマーからギャランティの交渉中に「出演料をもう100万ドル(約1億4000万円)上げてほしい」と言われたらしく(※2)、大きなリスクを背負いながらも、世界のトップアーティストを日本に招致するクリエイティブマンに賞賛の声が集まっている。

ケンドリック・ラマー(『Glastonbury Festiva』26 Jun 2022)
ケンドリック・ラマー(『Glastonbury Festiva』26 Jun 2022)

 東京初日と大阪2日目のMARINE STAGEでは、過去には単独来日公演がソールドアウトを果たしているFall Out Boyが出演。今年3月には、古巣であるFueled By Ramen帰還後初のアルバム『So Much (For) Stardust』をリリースした。同日にSONIC STAGEに出演するWet Legも昨年の来日公演が全てソールドアウトしているため、サマソニで観ることができるのはラッキーだ。

 また、東京初日公演のBEACH STAGEにて、星野源がキュレーションする「so sad so happy」もオススメだ。星野源本人のパフォーマンスや、こちらも昨年の来日公演がソールドアウトしたジェイコブ・コリアーに加え、アリ・シャヒード・モハマッド(A Tribe Called Quest)、UMI、カミーロ、そしてペトロールズが参加するステージがどのような仕上がりになるのか、見逃せない。

 東京2日目と大阪初日のMARINE STAGEに出演するザ・キッド・ラロイも注目だ。2021年にリリースしたジャスティン・ビーバーとのコラボ曲「Stay」は、全米チャート首位を7回獲得し、洋楽史上最速で日本国内累計ストリーミング数1億回を突破。2021年、日本国内で最もストリーミングされた洋楽曲となった。

The Kid LAROI, Justin Bieber - STAY (Official Video)

 また、東京2日目で圧倒的にオススメしたいのがシマファンクだ。キューバ出身の彼の歌唱力とグルーヴは唯一無二で、彼が出演した「Tiny Desk Concert」は、シリーズ史上トップレベルに入るクオリティだ。バンドメンバーも全員素晴らしい才能の持ち主で、後半に向けての盛り上がりを聴いて踊らない人はいないだろう。BEACH STAGEで行われるシマファンクのライブは、夏のハイライトとなるに違いない。

Cimafunk: NPR Music Tiny Desk Concert

 今年は例年以上にジャンルとしては幅広いが、例えばウィロー、Nova Twins、Wet Legなどがフィーチャーされていることを見る限り、ポップパンク、オルタナティブロック、ニューメタルといった、復活しつつあるギターミュージックの新世代にも注目が集まっていると言えるだろう。

 ベテランからニューカマーまで抜かりないブッキングにより、今年も国内外の素晴らしいアーティストたちが集うサマソニ。現地に行く方はぜひ、最高の時間を過ごしてほしい。

(※1)https://www.summersonic.com/about/
(※2)『SUMMER SONIC 2023 TALK JAM Podcast こがけん×清水直樹(クリエイティブマンプロダクション代表)』より

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