レッチリ、My Chemical Romance、Pantera、Blur……再結成・再始動・再加入を経て、2023年に来日する注目バンド

 政府が新型コロナウイルスに対する基本的対処方針を改定したことを受け、1月末より徐々に「マスク着用の状態であれば大声を出すことが可能」になり始めた日本の音楽ライブシーン。各自治体との交渉次第とはいえ、首都圏ではこの2週間ほどさまざまなライブ会場で観客の声援や“合唱”を耳にする機会が増えている。3月13日からは屋内外問わず、マスク着用が個人の判断に委ねられることになるなど緩和傾向が進みつつある今、すべてが“元通り”というわけではないが、この状況にようやく“戻ってきた”と感じる方も多いことだろう。

 そんな中、この半年ほどで海外アーティストの来日公演も少しずつ増え始めており、「これも行きたいし、あれも行きたい。でもチケット代が……」と嬉しい悲鳴を上げる機会も少なくない。すでに、『FUJI ROCK FESTIVAL』や『SUMMER SONIC』といったお馴染みの音楽フェスへの海外アーティスト出演もアナウンスされ、この春以降さらに歓喜の声を上げることになるはずだ。

 その来日アーティストの中には再結成を果たした大物バンドや、しばらく活動を止めていた再始動バンド、主要メンバーの再加入で注目を集めるバンドも複数存在する。海外ではロック低迷と言われ続ける昨今、いまだにロックバンドに対する支持が強い日本で、そういったバンドたちの来日公演がどのように受け入れられるのかも気になるところ。本稿では、奇しくも“コロナ明け”間近の日本で2月以降に来日する再結成/再始動/再加入バンドに注目しつつ、ライブの見どころについて触れていきたい。

 まず、直近の2月15、16、18日に来日公演を控えているPavementについて。現在はソロでも活躍するスティーヴン・マルクマス(Vo)を中心に、90年代に活躍した彼らは、そのローファイ感の強いオルタナロックサウンドとポップなメロディを併せ持つ楽曲群がコアなロックリスナーから高い支持を獲得。1999年に解散するも、2010年には期間限定の再結成を果たし、その際には来日公演も実現している。今回の再来日はすでに昨年4月に発表済みだったこともあり、ようやく開催が実現することを喜ぶファンも多いはず。その来日公演発表時には、解散前のラストアルバム『Terror Twilight』(1999年)の豪華再発盤『Terror Twilight: Farewell Horizontal』もリリースされているが、ライブでは彼らのキャリアを総括するようなセットリストにも期待したい。

Pavement - Cut Your Hair (Official Video)

 続いては、2月19日からスタートするRed Hot Chili Peppersのワールドツアー日本公演。バンドの黄金期を支えたジョン・フルシアンテ(Gt)が再々加入し、昨年『Unlimited Love』『Return Of The Dream Canteen』と2枚のオリジナルアルバムを連発したレッチリの来日公演は、コロナ前の『SUMMER SONIC 2019』以来3年半ぶりだが、ジョンを含む編成、かつ単独公演としては2007年6月の東京ドーム&京セラドーム大阪公演以来、約16年ぶりとなる。バンドの大出世作である『Blood Sugar Sex Magik』(1991年)や『Californication』(1999年)など、ロック史に残る名盤を語る上で欠かせないジョンが復帰したということで、ライブでは新作2枚からの楽曲のみならず、往年の代表曲やフリー(Ba)、チャド・スミス(Dr)を交えた即興演奏にも期待したいところだ。特に、ここ十数年のジョシュ・クリングホッファー(Gt)在籍時しか知らないロックファンにこそ、ライブで見せるジョンのフリーキーなプレイを生で体験していただきたい。

Red Hot Chili Peppers - Black Summer (Official Music Video)

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