楠木ともり『PRESENCE』『ABSENCE』対談 前編:中村未来(Cö shu Nie)、ハルカ(ハルカトミユキ)と語る制作の背景
楠木ともり×ハルカ(ハルカトミユキ)
提供曲:「それを僕は強さと呼びたい」
中学生の頃に聴いた音楽は一生モノ
ーー楠木さんは、好きなアーティストを聞かれると、いつもハルカトミユキの名前を挙げていますが、きっかけは何からだったのですか?
楠木:スペースシャワーTVで、「ドライアイス」がパワープッシュでずっと流れていたのを、毎日聴いていたんです。初めて聴いたときからスッと馴染んでくる感じはあって、聴けば聴くほどのめり込んでいってしまい、そこから「絶望ごっこ」など、他の曲も聴いていきました。当時公式で上げられていたMVも一通り観ていましたね。私にとって歌詞にハマったアーティストさんは初めてくらいで、歌詞をじっくり読みたいなとか、引っかかるフレーズがあるなと思う経験も初めてだったんです。そこから一度として飽きることもなく、新曲が出るたびに聴き続けています。
ーー楠木さんが名前を挙げていたことは、耳に入っていましたか?
ハルカ:数年前にラジオに呼んでいただいたんですけど(『楠木ともりのともりるきゃんどる』第25回ゲスト/2019年)、その前から色んなところで好きだと言ってくださっているのは聞いていたんです。こういう声優さんがいて、音楽活動もしていて、どうやらハルカトミユキが好きらしいよ、みたいな。で、そこからラジオで初めてお会いしたんだよね?
楠木:はい。
ハルカ:それこそ「ドライアイス」って10年以上前だから、中学生くらい? 私も中学生の頃はスペースシャワーTVとかを観てアーティストにハマっていたから、やっぱり影響力って大きいんですね。私も歌詞が好きなアーティストやバンドにハマりがちだったので、同じような経験をしているなって思いました。
楠木:中学生の頃に聴いた音楽は一生モノと言いますから、私も一生聴き続けると思いますし、その頃に出会えて良かったなと思っています。
ーーしかも、一緒に曲を作れるなんて。
楠木:中学生の頃の自分に言ってあげたい。私の音楽観を作ってくださったアーティストさんと、一緒に曲を作っているよって。
ーーオファーが届いたときは、どう思いましたか?
ハルカ:めっちゃ嬉しかったです。1stアルバムで、曲を書いていいんですか? って思いました。
楠木:絶対にお願いしなきゃ! と思っていました。
ーーどのような流れで作っていったのでしょう?
ハルカ:最初、爽やかで切ないバンドサウンドみたいな感じでお願いされていて、私たちの曲の中だと、なんとなくこの曲のような感じです、というオーダーが来ていたんです。そこから自分たちの曲を聴いたり、ともりちゃんの曲もいろいろと聴き直しながら、相方のミユキと2人でいろんなパターンを作って、「これはちょっと違うかな」みたいなことを話して、最終的にこの曲にしたんです。ただ、曲はすぐにできたけど、歌詞はすごく悩みました。
楠木:他の曲も聴いてみたいですね。