CRAVITYの日本デビューをLUVITYが祝福 念願のコール交換も楽しんだワールドツアー日本公演
7月5日に日本デビューする韓国の9人組ボーイズグループ・CRAVITYが、初のワールドツアーの日本公演『2023 CRAVITY THE 1ST WORLD TOUR 'MASTERPIECE' IN JAPAN』を開催。6月7日のパシフィコ横浜で、大阪含む全4公演のファイナルを迎えた。
コロナ禍で来日できなかった時期を取り戻すかのように、K-POPアーティストの来日公演ラッシュが続いている。SERIM(セリム)、ALLEN(アレン)、JUNGMO(ジョンモ)、WOOBIN(ウビン)、WONJIN(ウォンジン)、MINHEE(ミニ)、HYEONGJUN(ヒョンジュン)、TAEYOUNG(テヨン)、SEONGMIN(ソンミン)からなるCRAVITYも、昨年夏に初来日が叶って以降、日本で単独公演を重ねてきた。しかしいずれもファンコン(ファンミーティング+コンサート)やファンミーティングで、20曲の歌で構成するコンサートは、このツアーが初となった。
オープニング「Get Lifted」から「My Turn」までの3曲は、強烈なインパクトを与えてくれた。元々「アイドルらしからぬ」ともいえるハードなこれらの曲を冒頭に持ってきたのは意外だったが、ヒップホップにロックをかけ合わせたライブ用のアレンジがテンションを高くする。東京圏でのライブは、昨年10月の豊洲PIT以来。黒のスーツ衣装や、セクシーなダンスも彼らを大人っぽく見せている要因かもしれないが、前回公演と比べると、大きなステージが似合うようになったと実感させられる、気迫のこもった登場だった。
今回は、CRAVITYにとって日本で初の声出し解禁ライブ。彼らはコロナ禍にデビューし、デビューショーケースや音楽番組もファンがいない中で行ってきた。K-POPには、曲に合わせてファンが合いの手を入れるファンコールという文化がある。ロックバンドのライブでのコールアンドレスポンスやシンガロングとはまた一味違う、統制の取れたそれは、アイドルと一緒に曲を作り上げる楽しみでもある。しかしコロナは、この文化も奪った。今回のワールドツアー日本公演は、CRAVITYにとっても日本のLUVITY(CRAVITYのファンの呼称)にとっても、初めてコールを交換できる場となったが、LUVITYは曲に合わせて完璧なコールを作り上げていた。「PARTY ROCK」では、CRAVITYが「あそぼう!」と誘うと、LUVITYが「PARTY ROCK!」と叫んで曲がスタート。メンバーたちに「もっと、もっと!」と催促されて、その声もどんどん大きくなる。「JUMPER」では、曲中でペンライトを振って「ハッ、ハッ」と歌うパートの練習をして臨むことに。さらに、客席を3つのチームに分けて、どのチームが一番大きな声が出せるか競わせた。CRAVITYは、ファンをのせるのも上手い。コールでのコミュニケーションでこの日一番の一体感を生み出したのは、今回のツアーで初披露された彼らの日本デビュー曲「Groovy -Japanese ver.-」。日本デビューを祝うように、LUVITYの大きなコールが会場を包んだ。
コロナに阻まれてできなかったことを叶えたもう1つが、ファンの近くに行くことだ。アンコールの「A to Z」では、メンバーたちがサプライズでステージから客席に下りて1階をまんべんなく、歌いながら練り歩いた。曲中でステージ上に誰もいなくなるどころか、曲が終わっても誰もステージに戻らず、「A to Z」は何度も繰り返されることに。ファンには何よりものプレゼントとなった。
全編スマホでの撮影可というのもK-POPのコンサートらしい演出だったが、ファンにとってはかなり満足度の高い公演だったのではないだろうか。