乃木坂46・櫻坂46・日向坂46、卒業コンサートとセレモニーの違いは? 呼称の選択にも表れるメンバーの思い
坂道グループにおいて、卒業コンサート、卒業セレモニーなど、呼称を意図的に変えていることがある。先日行われた乃木坂46 齋藤飛鳥は“卒業コンサート”、日向坂46 影山優佳は7月19日に“卒業セレモニー”を開催すると発表されているが、それぞれ何が違うのか。
これまで卒業コンサートを行ったメンバーの一例を挙げると、乃木坂46は白石麻衣、齋藤飛鳥、北野日奈子、生田絵梨花、松村沙友理など、櫻坂46は渡邉理佐が挙げられる。一方、卒業セレモニーは、乃木坂46は鈴木絢音、樋口日奈、星野みなみ、新内眞衣など、日向坂46は渡邉美穂、宮田愛萌、櫻坂46は守屋茜と渡辺梨加(合同開催)、菅井友香、関有美子などが並んでいる。
かつて、乃木坂46の若月佑美は自身の卒業セレモニーにて、アイドル活動を通して身につけたキャラクターの多さを振り返りながら、それらを含めた公演にしたいという意志のもと、コンサートではなく、セレモニーという言葉を冠したと説明した。言葉の意味としては、コンサートは“音楽会”、セレモニーは“儀式”となるが、若月の言葉を借りるとコンサートは楽曲披露のライブ主体、セレモニーはトークなどのキャラクターを掘り下げる企画も含めるようなニュアンスがあるように思う。
東京ドームで2日間行われた『齋藤飛鳥 卒業コンサート』は、齋藤がセンターとして出ずっぱりで、得意のドラム演奏から開幕し、センター楽曲はもちろんのこと、後輩たちの期別曲に参加するなど、自らセレクトした乃木坂46の楽曲を披露する“齋藤飛鳥リサイタル”とも言える内容だった。一方、日本武道館で開催した若月佑美の卒業セレモニーは、「私が卒業前にやっておきたい曲 BEST5」と題し、高山一実の司会のもとトークとパフォーマンスを織り交ぜながら展開。相棒的存在の桜井玲香と「まあいいか?」(オリジナルは秋元真夏と白石麻衣のユニット)をデュエットし、“箸休め”と称して2期生メンバーによる「ボーダー」を観客として眺めるなど、BEST5の楽曲群を順に発表。そのほか、手に持った箸と会話する持ちネタ“箸くん”を披露し、映画『戦場のメリークリスマス』のメインテーマが流れる中、箸をステージにそっと置いて立ち去るという“箸くんの引退式”を行うなど、バラエティ色の強い演出で彼女らしさ全開のステージを見せた。
また、今年3月にLINE CUBE SHIBUYAで行われた鈴木絢音の卒業セレモニーでは、鈴木がセレクトした乃木坂46ナンバーと共に、随所で「鈴木絢音 卒業セレモニー特別企画 後輩ちゃんともっとお話がしたい」と題したトークパートなどが織り込まれ、メンバーと語り合うシーンも多めに用意されていた。
異色だったのは、どちらの要素も取り入れたようなライブを展開した松村沙友理の卒業コンサート。当時すでにグループを卒業していた中田花奈・伊藤かりん・佐々木琴子の3名が久しぶりに登場した、松村率いる通称“さゆりんご軍団”のライブと、乃木坂46メンバーで開催する卒業コンサートの2部で構成。第1部はオープニングの「OVERTURE」を松村本人が鼻歌で披露するVTRから始まり、替え歌やリリースされていない“幻の楽曲”を披露するなど、軍団特有の自由に好き放題やるカラーが色濃く出た内容に。2部は10年間の集大成となる通常の卒業コンサートだったが終始明るい雰囲気で、松村ワールド全開の公演だった。