Cö shu Nie、特別編成で鳴らした濃密なアンサンブル 大切な人への願いを込めたビルボードライブ東京

Cö shu Nie、ビルボードライブレポ

 演奏中4人でアイコンタクトを交わしたり笑い合ったりすることも多く、音にも、表情や立ち振る舞いにも、“とにかくこの4人で音を合わせることが楽しいんだ”という感情が滲み出ている。松本から「テンション上がってる」と指摘された中村は、「分かる?」と笑いながら「だってこのステージ、これで終わりだよ? 楽しいな、すっごく」と噛みしめていた。

 ステージと客席の距離が近い会場ということもあり、MCはアットホームな雰囲気。松本は「めっちゃ近くない? 前の方なんて、スピーカーじゃなくてアンプの音が聴こえてるんじゃない?」と笑い、中村は観客のカクテルを見て「その青いのは何?」と話しかけていた。そして「こうやって顔を突き合わせて音楽ができること、すごく尊いと感じています。すごく幸せを感じています」と中村。2020年に始まった『A cöshutic Nie』は長かったコロナ禍を共に歩んできたライブシリーズとも言える。観客を呼びたくても呼べない時期もあっただけに、募る思いもあるのだろう。「大切な人に会いに行く曲」と紹介した「海へ」や、「大切な人を思い浮かべて聴いてください」という言葉を添えた「miracle」といったバラードを丁寧に届ける姿が印象に残った。

 また、今回の『A cöshutic Nie Vol.3』から観客の声出しが解禁に。「せっかく声出しができるようになったから、みんなで歌いたい」と観客に伝える場面も目立ち、「gray」の前には、中村から「みんなで歌いたいと思って作った曲なんです」「柄にもなくそういう曲を作ったことを、ここで発表しました」といった発言も飛び出した。そして今この瞬間にしかない輝きを歌った「青春にして已む」でもシンガロングが起こると、「会場が一つになったわ。この言葉、言ってみたかった(笑)。ずっと一つなんだけどね」(中村)と笑顔を見せる。

 そして、眠れない夜に捧ぐ「迷路 ~序章~」「迷路 ~本編~」でライブは終了。全身全霊のラストシーンから感じられたのは、Cö shu Nieの音楽と聴く人の日常を繋ぎたいという想い、さらに言うと、明日からもあなたには生きていてほしいという願いだ。このコロナ禍を音楽的トライアルととも駆け抜け、一段とタフになったCö shu Nieの現在を垣間見たのだった。

■ツアー情報
『Cö shu Nie Live Tour 2023-unbreakable summer-』

2023年9月1日(金)
【宮城県】仙台Rensa
OPEN18:00/START19:00
スタンディング ¥5,500(tax in)

2023年9月3日(日)
【北海道】札幌ペニーレーン24
OPEN16:00/START17:00
スタンディング ¥5,500(tax in)

2023年9月9日(土)
【大阪府】Zepp Namba
OPEN16:00/START17:00
全席指定 ¥6,600(tax in)

2023年9月10日(日)
【愛知県】Zepp Nagoya
OPEN16:00/START17:00
全席指定 ¥6,600(tax in)

2023年9月21日(木)
【福岡県】BEAT STATION
OPEN18:00/START19:00
スタンディング ¥5,500(tax in)

2023年9月22日(金)
【広島県】広島Live Space Reed
OPEN18:00/START19:00
スタンディング ¥5,500(tax in)

2023年9月24日(日)
【徳島県】club GRINDHOUSE
OPEN16:00/START17:00
スタンディング ¥5,500(tax in)

2023年9月29日(金)
【新潟県】GOLDEN PIGS RED
OPEN18:00/START19:00
スタンディング ¥5,500(tax in)

2023年9月30日(土)
【東京都】Zepp DiverCity
OPEN16:00/START17:00
全席指定 ¥6,600(tax in)

※お一人様 各公演1回4枚まで
※当日1ドリンク代別途必要
※6歳以上有料
※未就学児入場不可

■リリース情報
新曲(タイトル未定)
2023年6月28日(水)配信リリース

Cö shu Nie オフィシャルサイト

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