King Gnu、Cö shu Nie、Ivy to Fraudulent Game……“白と黒”で魅せるバンドの新作MV

 今年2月に配信リリースされた、King Gnuの最新曲「白日」。TVドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)の主題歌にも抜擢されたこの曲のMVが、今話題を集めている。

King Gnu『白日』

 常田大希(Gt/Vo)が代表を務めるクリエイター集団・PERIMETRONが手掛けるKing GnuのMVは、極彩色を基調とした毒々しいアートワークが特徴的だ。しかし、今作では全く様相を変えた、白黒のシリアスな映像が印象的である。

 King Gnuをはじめ、2019年要注目のロックバンドが“白と黒”を基調としたシリアスな世界観のMVを立て続けに公開している。今回はその一部を紹介したい。

Cö shu Nie「絶体絶命」

Cö shu Nie – 絶体絶命 (Official Video) / “約束のネバーランド” ED

 TVアニメ『東京喰種:re』(TOKYO MXほか)のオープニングで昨年注目を集めたCö shu Nie(コシュニエ)。TVアニメ『約束のネバーランド』(フジテレビ系)のエンディングにも抜擢された「絶体絶命」のMVは、“白”が基調の映像が印象的だ。

 KEYTALKの「ASTRO」やゲスの極み乙女。の「戦ってしまうよ」などのMVを手掛ける田辺秀伸がディレクターを務めた今作。時にトリッキー、時にシンプルな世界観でバンドの個性的な存在感を引き出す田辺らしい、シンプルでありながら詩的なモチーフが散りばめられた映像になっている。

 特に象徴的なのが、白い衣装で枯れた花に囲まれて演奏するメンバーが、曲の途中で子供の姿になるシーン。さらに、最後のワンカットでメンバーの靴だけが残される。これは、〈時間が証明するだろう〉〈明日を掴むために/絶望を駆け抜けろ〉といった歌詞に込められたメッセージを暗喩的に表現しているようだ。

 アニメ『約束のネバーランド』のストーリーにもリンクするテーマである、“時の流れ=成長”と“閉塞感からの脱出”を表現した、美しいMVだ。

Ivy to Fraudulent Game「低迷」

Ivy to Fraudulent Game “低迷” MUSIC VIDEO

 今夏ミニアルバムのリリースも決定しているIvy to Fraudulent Gameが2月に公開した「低迷」は、シングル『Memento Mori』のカップリング曲。“白黒”の映像が印象的なこのMVには、寺口宣明(Vo/Gt)だけが登場し、他のメンバーは姿を見せない。

 台の上に寝かされ、ビニールをかぶせられた状態で歌う寺口の姿は、〈半透明のこのビニールじゃ 見透かされそうになって〉という歌詞を比喩的に表現しているようだ。

 MVのワンコーラス目が終わる頃、曲が止まり時計の秒針の音だけが聞こえるパートが訪れる。その間見えているのは、ビニールの中でもがくように伸ばされた寺口の指先だけだ。それはまるで、寺口が20歳の頃に抱え続けていた虚無感や無力感を表現したという楽曲のメッセージを、暗黙のうちに伝えようとしているように見える。

 MVを手掛けた三石直和は、「低迷」が収録されたシングルの表題曲「Memento Mori」をはじめ、illionの「BANKA」、=LOVEの「手遅れcaution」など、映画的な映像を得意とするディレクターである。楽曲の中に込められた、「苦悩・虚無感から少しずつ脱皮していく様」を表現した映像展開や、その物語の主人公を演じる寺口の繊細な表情や仕草が印象的なMVだ。

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