TOOBOE、圧倒的な完成度と熱量見せた『美味しい血液』ツアー最終日 ファンに誓った武道館という目標

TOOBOE『美味しい血液』ツアー最終日レポ

 次の「ヒガン」と「浪漫」はスマホでの撮影が可能となり、観客のカメラが一斉にステージに向けられた。ちなみに「浪漫」は4月24日にリリースされた新曲で、TOOBOE作品らしい独特のメロディと、途中から流麗なストリングスが鳴り響くポップなグルーヴ感のある楽曲。間奏で手拍子がありライブ映えも十分。これからの音楽フェスなどでも活躍しそうな一曲だ。

 その後、同名ドラマの主題歌となった「往生際の意味を知れ!」を歌い終えると、満員の会場を見つめながら「圧倒されております」としみじみ一言。「早いものであと2曲です」と言えば、ライブでお決まりの「ええー!」とレスポンスが返ってくる。それに対してTOOBOEが「うるせえうるせえ、俺を帰らせろ」と言い放って大爆笑。今日はこうした“アメとムチ”の効いたオーディエンスとの豊富なコミュニケーションが、ライブの空気に良いスパイスを与えていた。これもまた、観客の声出しが解禁されたことによる恩恵だろう。TOOBOE本来の人間味がライブの場で魅力的に解放されていたように思う。

 ラストスパートは「紫」「千秋楽」で本編終了。拍手喝采のなか、颯爽とステージをはけていった。そしてアンコールは「oxygen」「チリソース」「ヤング」と駆け抜けた。演奏の力強さ、声量の落ちないボーカル、揺れる会場。全体的な完成度と終盤の熱量は、TOOBOEのライブ史上でも最大だったと言える。この1年間でTOOBOEチームは、大きな成長を果たしたと強く感じる。

TOOBOE ライブ写真

 曲間のMCでは武道館についても言及。こうした目標をライブの場で明確に言葉にしたのも初めてのように思う。それを聞いた観客は大きな拍手で応えていた。終演後には9月に開催される対バンライブ『TOOBOE 交遊録』も告知され、今後の活動により一層の大きな注目が集まることが予想される。ラストの「ヤング」で観客全員でかざしたスマホのライトが、TOOBOEという稀有な才能を持ったアーティストを武道館の地に導いていく光となるはずだ。

TOOBOE ライブ写真

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