King Gnu、藤井風、宇多田ヒカル、ELLEGARDEN……新しい一面を感じられるライブ/ドキュメント配信作品の見どころ

King Gnu、藤井風らライブサブスク配信

 音楽の楽しみ方が多様化している昨今。TikTokをはじめとするショート動画ブームを始め、YouTubeをベースにした音楽作品の発表、インターネット配信ライブの興隆、Apple MusicやSpotifyをはじめとするサブスクリプションを前提にした音楽視聴体験など、数え上げると枚挙にいとまがない。

『King Gnu Live at TOKYO DOME 』 本予告映像|プライムビデオ

 そんな中、年々盛り上がりをみせているのが、サブスクリプションでの映像コンテンツの配信である。例えば、2022年11月19日・20日に開催された、King Gnuの東京ドームでのライブ『King Gnu Live at TOKYO DOME』の配信が、今年3月31日よりAmazonプライムビデオで独占配信されている。また、藤井風の初の有観客野外スタジアムライブであり、10月15日・16日にパナソニックスタジアム吹田にて開催された『Fujii Kaze LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE』は、今年3月10日よりNetflixにて独占配信されている。

[Netflix Trailer] Fujii Kaze “LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE” at Panasonic Stadium Suita

 2023年だけでみても、大物アーティストによるメモリアルライブが続々配信。特徴的なのは、通常アーティストにおける記念碑的なライブの映像は、DVDやBlu-rayなどで作品化されることが一般的だったが、このふたつのライブは現時点でフィジカルで発売せず、独占配信という形式をとっている。これは年々、音楽作品がCD化するのではなく、配信のみでリリースされるケースが増えていることとリンクしているように感じる。

 映像作品が音楽作品と異なるところは、独占配信という形式を取ることだろうか。これは、作品の性質やユーザー側のサブスクリプションの登録状況などを踏まえた判断であることも一因のように感じられる。音楽作品の場合はより間口を広くし、映像作品は“狙った層”に届けるという前提も異なるからだろう。いずれにせよ、提供する側もプラットフォーム側も「独占配信」のメリットが多いため、このような形で公開・配信されている背景があるのではないか。

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