ペンタトニックス、観る者の度肝を抜いた圧倒的な“声の力” Little Glee Monsterとも共演した3年ぶりのジャパンツアー

ペンタトニックス、圧倒的な“声の力”

 リトグリの面々がステージを去ったあとは、ケヴィンの独壇場といえるブロックに突入。自身のオリジナル曲「Julie-O」や、バッハのクラシック楽曲にヒップホップを掛け合わせたアレンジなどを通して、その巧みな腕前が存分に披露されると、会場中に興奮気味の大歓声が湧き起こる。その一方で、「Shallow」ではシックな衣装に着替えたほかのメンバーの歌声に合わせ、美しいチェロの音色を重ねる一幕も。「Side」と「White Winter Hymnal」のメドレーでは、メンバーがスツールに座ってリラックスモードでハーモニーを奏で、観る者を魅了し続けた。

ケヴィン・オルソラ
ケヴィン

 その後、ステージにケヴィンとマットが残ると、2人のみでThe Temptations「My Girl」やBackstreet Boys「I Want It That Way」、Journey「Don't Stop Believin'」、Bon Jovi「Livin' On A Prayer」など往年のポップス/ロックのヒットナンバーをアカペラで披露。誰もが一度は耳にしたことがある洋楽ヒットを前に、オーディエンスもシンガロングするなどしてライブに加わっていく。そして、Queen「We Will Rock You」でクライマックスを迎えると、そのまま90年代ダンスヒットチューンメドレーでさらなる盛り上がりを見せ、この日何度目かのクライマックスを迎える。そして、観客もコーラスに加わるドラマチックな「Hallelujah」にてライブ本編を締めくくった。

マット・サリー
マット

 アンコールでは、5人でマイク1本を囲む王道なアカペラスタイルで「My Heart With You」を歌唱。繊細さが伝わるこのボーカルパフォーマンスに対し、オーディエンスは物音ひとつ立てることなく、食い入るように見入っていた。そして、最後の最後にQueenの代表曲「Bohemian Rhapsody」を5声のみで表現。途中、メインで歌うミッチのマイクが故障するハプニングが生じるも、ミッチは動揺することなく肉声を会場中に響かせ、圧巻のステージを見事に完遂してみせた。

 筆者はこれまで、彼らのパフォーマンスをテレビやネットを通じて何度も目にしてきたが、実は生でステージを目撃するのは今回が初めてだ。それまでも彼らの魅力やその実力は存分に理解していたはずだったが、目の前で展開されるボーカルパフォーマンスの数々は神技と呼ぶに相応しいものばかりで、こんなにもエンタテインメント性の強いステージで観る者を惹きつけるペンタトニックスの芸達者ぶりと、アカペラおよび肉声の可能性を再認識する絶好の機会となった。

ペンタトニックス

※1:https://www.tiktok.com/@ペンタトニックス/video/7209909945037245739

■セットリスト
ペンタトニックス『The World Tour 2023 Japan』
2023年3月9日(木)東京ガーデンシアター

Little Glee Monster
01. 世界はあなたに笑いかけている
02. Jupiter
03. ECHO
04. Waves
05. WONDER LOVER
06. Join Us!

ペンタトニックス
01. Sing
02. Perfume Medley
03. Can't Sleep Love
04. Aha!
05. The Sound Of Silence
06. Love Me When I Don't
07. Lucky Ones Medley
08. Daft Punk
09. Midnight In Tokyo feat. Little Glee Monster
10. Julie-O
11. Bach
12. Kevin's 5th
13. Shallow
14. Side / White Winter Hymnal
15. Matt & Kevin Moment
16. 90's Dance Medley
17. Hallelujah
<アンコール>
18. My Heart With You
19. Bohemian Rhapsody

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