ペンタトニックス、各国アーティストと描いた鮮やかなハーモニー 新たな繋がり生み出すHIKAKIN & SEIKINとのコラボも

ペンタトニックス、各国アーティストとのハーモニー

 今年もペンタトニックスから少し早いクリスマスギフトが届いた。毎年ホリデーシーズンにクリスマスソングを集めたアルバムをリリースしているペンタトニックス。クリスマスのBGMとして定着してきた彼らの歌声を今年も堪能できるのだから、それだけでも嬉しい。そんなリスナーの期待値を遥かに上回ってきたのが、先日リリースされた『ホリデイズ・アラウンド・ザ・ワールド』だ。3年連続グラミー賞受賞やアカペラグループ史上初の2作連続全米1位、動画総再生数は57億回超え。さらに直近では、『第65回グラミー賞』にて“ベスト・トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム”に『エヴァーグリーン』がノミネートされ、2023年3月には3年ぶりとなるジャパンツアー開催も決定(チケット一般発売中)しているなど、押しも押されぬ人気のペンタトニックスだが、『ホリデイズ・アラウンド・ザ・ワールド』は、そんな彼らによる6枚目のクリスマスアルバムとして放たれた。

Pentatonix - Kid On Christmas (Official Video) ft. Meghan Trainor

 アルバム名からも読み取れるように、今作は世界を股にかける豪華なコンセプトとなっている。というのも、音楽ジャンルや国籍にとらわれず、地球規模で集結した世界各国のアーティストとのコラボが、本作に通底するテーマなのだ。「オール・アバウト・ザット・ベース」などのヒット作で知られるアメリカのシンガー メーガン・トレイナーとコラボした「キッド・オン・クリスマス」を皮切りに、レバノンの歌姫 ヒバ・タワジとの「天には栄え」やイギリスのアカペラグループ ザ・キングス・シンガーズとの「きよしこの夜」など、さまざまなバックグラウンドを持つアーティストとのシンフォニーを聴かせてくれる。それはまるで世界を旅するような体験といっても差し支えないだろう。そして、この音楽の世界旅行の目的地には、もちろん日本も含まれていることを忘れてはいけない。

Pentatonix - Last Christmas (Official Video) ft. HIKAKIN & SEIKIN

 日本からは、HIKAKIN & SEIKINがペンタトニックスと共演を果たしている。YouTuberとしてのイメージが強い彼ら兄弟だが、実は実力派のヒューマンビートボクサーとシンガーとしての顔も併せ持ち、これまでにもHIKAKIN & SEIKIN名義で音楽活動を続けている。アカペラグループの頂点を極めるペンタトニックスとHIKAKIN & SEIKINの夢の共演をさらにスペシャルなものにするのは、このコラボの歌唱曲に選ばれたクリスマスの名曲、ワム!「ラスト・クリスマス」である。誰もが知っているクリスマスの定番ナンバーだけあって、世界中の注目が集まることは間違いなさそうだ。

HIKAKIN & SEIKIN
HIKAKIN & SEIKIN

 もちろん、楽曲のクオリティは折り紙付き。世界のどこに出しても通用するような1曲に仕上がっている。ペンタトニックスの5人が奏でるハーモニーは、艶やかでグルーヴィ。すでに過不足なく出来上がっているようにも思えるこの調和をさらに引き立てるのは、HIKAKINのヒューマンビートボックスによるパーカッシブなアレンジ。そして、YouTubeチャンネル開設当初は自らの肩書きを「アカペラミュージシャン」としていたSEIKINの、まるで6人目のペンタトニックスかと感じてしまうほどの美しい歌声である。「全編英語の曲をレコーディングするのは初めてだったので、全体的に難しくはあったんですけど、全部すごく新鮮で、楽しく歌わせて頂きました」というSEIKINのコメントのとおり(※1)、ペンタトニックスとの共演を心から楽しんでいるような幸福感が音源からもひしひしと伝わってくる。HIKAKINのカラフルなビートとSEIKINの透き通る歌声、ペンタトニックスの美しいハーモニーが三つ巴で生み出すサウンドは、まさにホリデーシーズンにぴったりだ。

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