百足&韻マン、若手ラッパー同士のコラボ曲がバイラル首位 人生観の滲むパンチラインが散りばめられた1曲に

 Spotifyの「Daily Viral Songs (Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの3月15日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:百足&韻マン「君のまま」
2位:STAR SEEED「Future (feat. i-san & Wyatt)」
3位:由薫「星月夜」
4位:Rahul Sipligunj, Kala Bhairava, M. M. Keeravani「Naatu Naatu (From "RRR")」
5位:B2S, Koala「真的没喝多」
6位:XAN「SKI MASK」
7位:レミオロメン「3月9日」
8位:新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」
9位:Mafeepuolyz「2022」
10位:indigo la End「名前は片想い」

 今週は、首位を獲得した、百足&韻マン「君のまま」を取り上げる。

 本曲は、3月13日付の同チャートに初登場1位で躍り出て以降、その座をキープし続けている。SNSを中心に話題となった本曲だが、TikTokでのハッシュタグ「#君のまま」の動画視聴回数は、6500万回を超えている(3月20日現在)。最初は、本人たちのライブ動画などが拡散されていったが、「#踊ってみた」やリリック動画、さらに日本屈指の人気YouTuber コムドットがVlog風動画のBGMに使用するなど、様々な形で広がっていった。拡散されていく中で印象的だったのは、ほとんどの動画にリリックが表記されているところだ。男性ラッパー2人の曲ながら、女性による「#歌ってみた」の投稿が多いなど珍しい広がり方をしているのも、歌詞の内容が大きく作用しているからだと考察する。2月19日にデジタルリリースされてから約1カ月、Spotifyでは間もなく450万回再生を突破しそうである。

 百足(むかで)は東京都出身のラッパー。『第15回高校生RAP選手権』にて、初出場で優勝している。韻マンは大阪府出身のラッパーで、同じく『第15回高校生RAP選手権』に出場しベスト4、翌年の同選手権でベスト8の成績を残している。また「語感踏み」という延々と母音の韻を踏み続ける手法を生み出し、それが強烈な個性になっている。同選手権の後日談として、百足は韻マンを一番印象的な相手だったと述べ、その後、コラボレーションを果たしている(※2)。このコラボレーションが「君のまま」につながっているのは、自明の理といえよう。

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