櫻坂46 三期生、『おもてなし会』で見せた11人の強力な個性 「Nobody's fault」から「BAN」「夏の近道」まで披露
好対照な3曲を経て、いよいよ三期生のデビュー曲「夏の近道」へと突入。谷口をセンターに据えたこの曲では、アップテンポでポップな曲調ながらもダンスの難易度の高さはさすが櫻坂46といった内容で、一瞬たりとも目が離せないほどの激しい動きが目の前で繰り広げられていく。中でも、間奏パートでの村井&山下によるペアダンスでは観る側の熱量が一気に高まるなど、かなり効果的に作用することに気づかされる。MVでは2人は一部参加にとどまったが、こうして11人による完全体が仕上がったことで、この曲はさらにパワフルなものへと進化。グループにとっても今後新たな武器として、ライブでその魅力を発揮することになるはずだ。
「夏の近道」でクライマックスを迎えたかと思いきや、その熱量は続く「BAN」で沸点まで上昇する。『私たち、櫻坂46三期生です』にて、研修生期間の課題曲として最初に覚えた曲であると同時に、彼女たちの単独MV撮影を賭けた課題曲でもあった「BAN」。センターの石森はドキュメンタリー映像撮影時とは別人のような表情で、自信と気迫に満ち溢れたパフォーマンスを提示。そんな彼女に同調するかのように、ほかの10人もそれぞれのポジションで自身の個性を見事に発揮し、三期生ならではの、三期生にしか成し得ない「BAN」を確立させることに成功した。そんな想像を絶するパフォーマンスを前に、客席からは惜しみない拍手が長時間にわたり送られ続けた。
最後の曲に入る前に、メンバー一人ひとりがここから櫻坂46として活動していく覚悟を、思い思いの言葉で伝えていく。石森は7年前から憧れていたグループに加入できた喜びや不安とともに、「昨日ステージに立ってみて、Buddiesの皆さんの力は本当に偉大ということに気づきました」と告げる。遠藤はメンバーやスタッフ、ファンなど周りから支えられていることを実感したことで「“ありがとう”という言葉をもっと大切にしようと思いました」と話し、小田倉は「人生はきっと無傷ではいられないと思います」と臆病だった自分がグループ加入から少しずつ変化していると明かす。
小さい頃からアイドルが好きだった小島は、昨年夏に「これが最後のチャンス」と櫻坂46のオーディションを受けたことに対し、「去年の夏に選択した自分の行動は間違ってなかったなと、今思います」と語り、同じように幼稚園の頃からアイドルに憧れ続けた谷口も「今まで憧れていた景色を実際に見ると、この先どんな綺麗なものを見せられても『これが一番綺麗だ』と、この2日間で実感できました」と本音を口にする。この日MCを任される機会の多かった中嶋は、「Buddiesの皆さんや先輩たちの優しさに甘えてばかりではいけないなと思いました」と早くも頼もしさを見せ、的野は研修生期間中に活動辞退しようと考えたこともあったと告げつつ「あのときもし辞めていたら、この景色はきっと見らなかったと思います」と、今の率直な心境を吐露した。
人に甘えるのが苦手だった向井は、グループ加入後に同期や先輩、スタッフを頼ることができるようになり、「恩返ししなくちゃと思うことがたくさんできました」と前向きさを見せる。村井はグループ合流が出遅れたことで不安を感じていたが、『おもてなし会』を通じて「皆さんからいただいた愛を恩返しすること」という新たな夢ができたことを伝える。これまで人に頼られる経験がなかった村山は、「三期生に出会って頼られるうれしさを知って、何があっても守りたいと思えた」と喜びを語り、山下は「自分に自信がなくて、この日の『おもてなし会』に招待していた母に、直前に『来ないで』と言ってしまって、すごく後悔している。これからは母を安心させるためにも、もっと強くなりたい」と涙ながらに新たな誓いを宣言した。
およそ30分にもわたるエモーショナルなスピーチを経て、イベント本編を締めくくる「櫻坂の詩」へ。メンバーはそれぞれ笑顔と涙の入り混じった表情で、目の前のBuddiesへ向けて感謝の気持ちを届けていく。と同時に、客席からはそんな11人に対して桜色のペンライトとともにエールが送られ、感動的な空気の中三期生の初ステージは幕を下ろした。
彼女たちに対して、客席からはアンコールを求める「櫻坂46コール」が鳴り止まず、これに応える形で再度ステージに登場した三期生は再び「夏の近道」をパフォーマンスして2時間半以上におよぶ『おもてなし会』を終了。その後は、この日最後の“おもてなし”として来場者をメンバー全員でお見送りするサプライズも用意された。
多彩かつ多才な11人が櫻坂46に加わったことは、今後のグループの飛躍に対して間違いなくプラスに作用するはずだ。最新シングル『桜月』にて新たなフェーズへと突入した櫻坂46は今後、4月から三度目の全国ツアーを開催する。三期生がここに参加するのかはまだわからないが、彼女たちの加入が先輩たちへの刺激となり、次のツアーではさらに進化したグループに姿が目撃できるのではないか。そんな思いを胸に、三期生を含めた彼女たちのこれからの活躍に期待したい。
■セットリスト
櫻坂46 三期生『おもてなし会』
2023年3月5日(日)ぴあアリーナMM
00. Overture
01. Nobody's fault
02. 五月雨よ
03. Buddies
04. 夏の近道
05. BAN
06. 櫻坂の詩
<アンコール>
07. 夏の近道
櫻坂46 三期生メンバー紹介(前編) 的野美青、小島凪紗、中嶋優月……美術や楽器から動物・星座好きまで、ユニークな個性
櫻坂46に新たに加入した三期生が1月6日より毎日12時に発表され、全11名のうち9名が出揃った(残り2名は学業の都合により3月以…
櫻坂46 三期生メンバー紹介(後編) 遠藤理子、石森璃花、谷口愛季、村山美羽……ダンスエリートから新たな“大不思議”まで
櫻坂46に新たに加入した三期生が1月6日より毎日12時に発表され、全11名のうち9名が出揃った(残り2名は学業の都合により3月以…