ジャニーズWEST、ヤバイTシャツ屋さん、くるり、竹達彩奈、Aimer……3月1日リリースの新譜5作をレビュー
くるり『愛の太陽』
力強く進んでいくビート、温かさをたっぷり含んだメロディとともに〈立ち上がれ涙ぐむ街/途を造れ〉と呼びかける表題曲「愛の太陽」(Netflix映画『ちひろさん』主題歌)はまちがいなく、くるりの新しいアンセムだ。70年代あたりの古き良き音楽を現代的で、とにかく楽器の音の良さに驚かされるポップミュージックに結びつけたサウンド、そして何より、痛みや悲しさを抱えながら、それでも未来に向かって進もうとする意志に胸を打たれる。そのほか、変わりゆく世界と“君”に対する朗らかな思いが交差する歌が一つになった「Smile」、“名前”をテーマにした美しく、切ないバラードナンバーで、ドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』(Amazon Prime Video)主題歌「八月は僕の名前」など6曲を収録。くるりの新たなピークの訪れを示す新作だ。(森)
竹達彩奈『明日のカタチ』
アーティスト活動10周年イヤーのラストを飾るニューシングル。表題曲「明日のカタチ」は、自身が主人公・ウィステリア役の声優として出演するTVアニメ『ノケモノたちの夜』(TOKYO MX)オープニング主題歌。クラシカルなピアノの旋律、〈ハローハロー/何もない 夜を越えられない〉というラインからはじまり、楽曲が進むにつれてポジティブな意志を取り戻す構成は極めてドラマティック。特に〈このままで良かった/一歩一歩 歩いて行くよ〉というフレーズにおける、凛としたエモーションを感じさせるボーカルには強く心を打たれた。アニメ『ノケモノたちの夜』の物語に寄り添いながら、彼女自身のキャリアやこの先の活動とも重なる楽曲だと思う。(森)
Aimer『escalate』
アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』(TOKYO MX)オープニングテーマとして制作された表題曲「escalate」のテーマは、“人間とは何か?”。シンギュラリティが現実味を帯びつつある世界のなかで、無駄や無為なことを含めた人間らしい感情を肯定したい。そんな思いをAimerは“エスカレート”という言葉に託したのだと思う。シリアスな鋭さ、壮大なスケール感をたたえたメロディと音像も、この楽曲の普遍性につながっている。さらに“NieR:Automata meets amazarashi コラボレーションソング”として制作された「命にふさわしい」(amazarashi)のカバー、そして、シックな手触りのバンドサウンドと「進め一歩ずつでも 明日へ」というストレートな言葉が響き合う「crossoverscorssovers」を収録。Aimerの奔放で自由な音楽性と歌声を味わえるシングルに仕上がっている。
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