ジャニーズWEST、ヤバイTシャツ屋さん、くるり、竹達彩奈、Aimer……3月1日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は3月1日リリースのジャニーズWEST『POWER』、ヤバイTシャツ屋さん『Tank-top Flower for Friends』、くるり『愛の太陽』、竹達彩奈『明日のカタチ』、Aimer『escalate』の5作品をピックアップした。(編集部)

ジャニーズWEST『POWER』

 アルバム名を冠したロックモード全開のオープニングナンバー「POWER」が象徴しているように、今作には、これまで7人が懸命に磨き上げ続けてきた数々の"力"がめいっぱいに詰まっている。例えば、グループの新たな代表曲となった壮大なバラード「星の雨」は、彼らが誇るボーカリストとしての繊細な表現力を高らかに証明している楽曲である。また今作には、こやまたくや(ヤバイTシャツ屋さん)、大橋ちっぽけ、ズーカラデルをはじめとした同年代のアーティストたちからの提供曲と並ぶ形で、メンバーの創造力の高まりを見せつける自作曲も収録されている。重岡大毅が作詞・作曲を手掛けた渾身の決意表明ソング「むちゃくちゃなフォーム」、神山智洋が作詞・作曲を手掛けたエッジーなギターロックチューン「Strike a blow」(通常盤にのみ収録)は、どちらもジャニーズWESTの愚直なまでに真っ直ぐで、暑苦しいほどにがむしゃらな姿勢をストレートに表しており、これから長きにわたってライブにおいてハイライトを担う重要曲になっていく予感がする。(松本)

ジャニーズWEST - POWER[Official Music Video(YouTube Ver.)]

ヤバイTシャツ屋さん『Tank-top Flower for Friends』

 まず何よりも特筆すべきは、オープニングナンバーの「Blooming the Tank-top」だ。熾烈さとポップさ。その両方をストイックに追求し続けてきたヤバイTシャツ屋さんの真髄が凝縮された楽曲であり、この曲における過剰なまでの情報量は、前作以降の約2年半を通して3人がさらに大きく進化したことの証明である。他にも、チルなテイストを全面に打ち出した「dabscription」や、これまでありそうでなかった美しくエモーショナルな歌のメロディが光る直球のギターロック「俺の友達が俺の友達と俺抜きで遊ぶ」をはじめ、今作には、ヤバイTシャツ屋さんのミクスチャーロックバンドとしての幅の広さを見せつける多彩な楽曲が並んでいる。もちろん、それぞれの楽曲に込められた鋭い批評性も健在である。また、すでに新たなライブアンセムの一つとなっている「ちらばれ!サマーピーポー」も今作に収録されており、改めて歌詞に目を通すと、本来歌のない間奏部分に、〈この間奏部分、フェスとかでサークルモッシュとか出来たらめっちゃ盛り上がりそう〉と記載されていることに気づく。いつかライブシーンが完全復活を果たした時に、この楽曲が真価を発揮するのが楽しみで仕方がない。(松本)

ヤバイTシャツ屋さん - 「ちらばれ!サマーピーポー」Music Video

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