藤巻亮太、出会いを通して実感した“音楽を作る意味” 曇り空の先にある光を歌う、前向きな心境を明かす
「しっかりと戦った上で、自分なりに信じられる1曲を作る」
――そして2月26日には配信シングル曲「朝焼けの向こう」がリリースされましたが、10周年という節目を迎えての新たな一歩という感じですね。
藤巻:そうですね。これもタイアップありきで、歴史漫画『いくさの子 -織田三郎信長伝-』を読ませていただいて、書いた曲です。やっぱりこの時代において、みんなそれぞれの理由でそれぞれの戦いをしていると思うんです。自分には、音楽の中で伝えられることを研ぎ澄ませていく戦いだったり、自分なりに音楽を信じていく戦いというものがあって、そんな意志を込めて作った曲です。朝陽を見た時に、夜の向こう側から太陽が昇って、そこから未来がやってくるような感覚をイメージしました。『いくさの子』の世界観に、言葉だけじゃなくてサウンドや曲調で迫っていけたらいいなとも思っていました。
――熱気溢れるバンドサウンドに仕上がっていますが、ストリングスも繊細に入っていて素敵なアレンジですね。藤巻:ありがとうございます。「朝焼けの向こう」は、かなりグルーヴにこだわりました。メロディは同じなのに、朝焼けの空が刻一刻と色を変えていくような、静かなんだけど激しく動いていくような感じがアレンジで出せたらいいなと思っていたんです。
――太陽の光と、空の色のグラデーション。
藤巻:そうですね。それがバンドのダイナミズムで表現できたんじゃないかと思っています。ストリングスのアレンジは、曽我淳一さんに作っていただいたんですけど、最初にドラムとベースのベーシックな音が録れた時点ですごくいいテイクだったので、そこでもう全体像が見えた感じがしました。
――音のグラデーションってストリングスやピアノなどの楽器で後から彩っていくものなのかなというイメージがあるので、ベーシックの時点で全体像が見えたというのは興味深いです。
藤巻:山に登って朝陽を見ると、案外激しいんですよ。音はしないけど(笑)。こんな色をしているのか! と思うくらい目まぐるしく空の色が変わっていくので、その凄さはストリングスやピアノより、ドラムやベースといった力強い音の表現に近いかもしれないです。
――なるほど。山に登って見る朝陽は格別でしょうね。
藤巻:もちろんそれを見たことないって方もいらっしゃると思うんですけど、そのぐらい激しいものというイメージが僕の中であります。朝焼けがひとつの未来としてやってきて空を埋め尽くして、大地に照りつける――その様が、「この時代の中をどう生きたらいいんだろう?」という歌詞のテーマに繋がって。人間って存在そのものが矛盾していて、光もあれば闇もあると思うので、何が正しいかなんてわからないと思うんです。だけど光と闇の両方を持っていながらどこまでも謙虚になっていくことが戦いには必要な気がするんです。そうじゃないと、当然、独善になっていくし間違った方向に行ってしまうと思うので、コインの裏表を感じながら進んで戦っていけたらいいなっていうのは自分の感覚としてあります。――例えばオセロで言うと黒い石も白い石もあるけど、それを全部白にしようって思うんじゃなくて、白もあり黒もあるっていうのをある意味認めるというか。
藤巻:そうだと思うんですよね。自分が白だと思っている石も、他の人から見たら黒なのかもしれない。そういう謙虚さって、忘れちゃいけないと思うんですよね。その中で、自分の戦いをしっかり毎回悩みながらやっていくしかないのかなって。この曲を書いていて、自分には自分の戦いがあるってことが腑に落ちた感じがありました。
――藤巻さんにとっての戦う理由や、信じている自分ってどういうものですか。
藤巻:やっぱり、出会いがあるってことじゃないですかね。出会いの中でそうだなと思うこともあれば、これは違うなと思うこともあって、そうして揺れることを恐れないことだと思います。安易な価値観に負けずにしっかりと戦った上で、自分なりに信じられる1曲を作るってことです。裏を返すと、そこに喜びがあるんですよね。世界も自分も変わっていくけれど、音楽と向き合うからこそ見えるものがあって気づきがあって、それがまた次の出会いを呼んでくれる。その感動をちゃんと伝えていけたら、自分が音楽をする意味を感じられるんだと思います。
――そして、2月、3月とツアー『藤巻亮太 Live Tour 2023「Sunshine」』も控えていますね(取材は2月上旬)。
藤巻:アルバムで自分なりに前向きな気持ちを表現できたのかなと思っているので、何よりも生で届けたいですね。ツアーは4ピースバンド編成で、冬から春に向けての明るさを一緒に感じられるようなライブにしたいと思っていますし、新曲からレミオロメンの曲まで歌うつもりですので、セットリストも楽しみにしていてください。
■配信シングル
藤巻亮太「朝焼けの向こう」
2023年2月26日(日)リリース
ダウンロード/ストリーミング
https://jvcmusic.lnk.to/asayakenomukou
■商品情報
藤巻亮太『Sunshine』
2023年1月25日(水)リリース
〇初回限定盤(2CD):4,000円(税抜)
〇通常盤(CDのみ):3,000円(税抜)
ダウンロード/ストリーミング
https://jvcmusic.lnk.to/Sunshine_AL
<収録曲>
・DISC1(通常盤・初回限定盤共通)
01この道どんな道
02 Sunshine
03 裸のOh Summer
04 僕らの街
05 まほろば
06 ゆけ
07 オウエン歌
08 千変万化
09 Heroes (Album ver)
10 サヨナラ花束
11 花びらのメロディー
12 大地の歌
・DISC2 ~ソロ10周年記念ベスト~(初回限定盤のみ)
01 オオカミ青年
02 ハロー流星群
03 月食
04 光をあつめて
05 名もなき道
06 指先
07 花になれたら
08 8分前の僕ら
09 日日是好日
10 Blue Jet
11 マスターキー
12 北極星
13 3月9日
14 粉雪
15 ウイスキーが、お好きでしょ
16 Summer Swing
■ライブ情報
藤巻亮太『THANK YOU LIVE 2023』
3月9日(木)【東京】I’M A SHOW
OPEN/START:18:00/19:00
問い合わせ:サンライズプロモーション東京(0570-00-3337)
■ツアー情報
『藤巻亮太 Live Tour 2023「Sunshine」』
2月26日(日)【東京】I’M A SHOW
OPEN/START:15:15/16:00
問い合わせ:サンライズプロモーション東京 (0570-00-3337)
3月3日(金)【宮城】Rensa
OPEN/START:17:30/18:30
問い合わせ:キョードー東北 (022-217-7788)
3月5日(日)【福岡】DRUM LOGOS
OPEN/START:16:45/17:30
問い合わせ:キョードー西日本 (0570-09-2424)
3月10日(金)【愛知】新栄シャングリラ
OPEN/START:17:30/18:00
問い合わせ:サンライズプロモーション東京 (0570-00-3337)
3月11日(土)【広島】CLUB QUATTRO
OPEN/START:16:15/17:00
問い合わせ:夢番地 (082-249-3571)
3月19日(日)【大阪】umeda TRAD
OPEN/START:15:15/16:00
問い合わせ:キョードーインフォメーション (0570-200-888)
3月21日(火・祝)【山梨】甲府CONVICTION
OPEN/START:16:00/16:30
問い合わせ:サンライズプロモーション東京 (0570-00-3337)
3月22日(水)【山梨】甲府CONVICTION
OPEN/START:17:30/18:00
問い合わせ:サンライズプロモーション東京 (0570-00-3337)