BALLISTIK BOYZ & TRINITYが語る、日泰コラボ曲「Drop Dead」に込めた熱い想い
BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEが2月16日、タイの人気グループ・TRINITYとコラボレーションした新曲「Drop Dead」をリリースした。 同楽曲は現在、タイの人気音楽番組『T-POP STAGE』のチャート「T-POP Weekly Chart」のファン投票部門で上位になるなど、現地でも人気沸騰中だ。
BALLISTIK BOYZは2022年8月から2023年2月まで、PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEとともにグローバルに活躍するアーティストを目指して、タイを拠点に活動してきた。「武者修行」と称して、LDH JAPANとパートナーシップ契約を結んでいるHIGH CLOUD ENTERTAINMENTの代表でありラッパーのF.HEROのもとで様々な経験を積み、昨年末の12月10日~11日にかけて開催された東南アジア最大級のタイの音楽フェスティバル『Big Mountain Music Festival 12』では、熱気あふれるパフォーマンスを披露するなど、大きな成果を挙げてきた。新曲「Drop Dead」のリリースは、その集大成となる。
BALLISTIK BOYZ & PSYCHIC FEVER、タイで熱気溢れるパフォーマンス 東南アジア最大級の音楽フェスに残した爪痕
BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE、PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEの2…
リアルサウンドでは今回、『Big Mountain Music Festival 12』への出演直前の12月10日に現地でメンバーたちに行ったインタビューをお届けする。また、ライブ直後にTRINITYのメンバーにも話を聞くことができたので、合わせて掲載したい。メンバーたちはタイでの活動にどのような心境で挑んでいたのか。また、TRINITYは日本のボーイズグループをどう見ていたのか。ライブ前後で気合いにみなぎった彼らの言葉から、新曲『Drop Dead』への熱い想いを読み取ってほしい。(編集部)
音楽を愛していることがライブをするたびに伝わってくる
――タイに来て4カ月、武者修行の手応えは?
砂田将宏(以下、砂田):色々な出来事がありすぎて、本当に内容の濃い日々でした。何もかもが自分の想像や期待を越えていて、毎日が刺激的です。グループとしてはもちろん、個人としても成長している実感があります。特にアーティストとしてのマインドセットに大きな変化がありました。何のために音楽を作るのか、という根源的なことからリアルに考え直しましたし、これまで日本で当たり前にやってきたことが、海外では当たり前ではないのだということを痛感しています。僕らが目指している一流のグループへと辿り着くためには、もっとがむしゃらに挑戦して、経験を積まなければいけないのだと思いました。届けたいメッセージもより明確になったと思います。日本語はもちろん、英語さえも通じないとき、言葉の壁を越えて伝えるためにはどんなパフォーマンスをすれば良いのか、すごく考えるようになりました。
奥田力也(以下、奥田):武者修行としてタイにやってきて、ようやく折り返し地点にきました。日本とは異なる文化の中で、自分たちの実力に対する焦りも感じてきましたが、音楽制作も始まりましたし、『Big Mountain Music Festival 12』にも出演できることになって、ようやく形になり始めたと感じています。「世界で戦っていきたい」という目標は簡単ではないので、小さいステージから大きいステージまで、たくさん経験させてもらいました。その中で、ハングリー精神も生まれましたし、失敗を恐れずにトライして食らいついていくという姿勢も身に付きました。この気持ちを忘れずにいたいです。
日髙竜太(以下、日高):日本では経験できない経験ばかりです。気持ちの面でも、タイで挑戦しなければわからなかったようなことがたくさんありました。世界で戦うために、自分たちには何が足りないのか、そして何を身につけるべきがが理解できてきたと思います。日本で活動を始めて、グループとして作り上げてきたものは少なからずあるけれど、まだ自分たちはタイにおいては何者でもありません。ファンの方があってこその自分たちなのだと改めて気づきました。いまはゼロから自分たちを鍛え直している最中です。
――タイの音楽シーンは日本の音楽シーンとどんな違いがあると感じていますか。
深堀未来(以下、深堀):ライブひとつとっても日本とは反応が違います。タイのリスナーは音楽そのものに対する熱意が強いと感じています。タイには『Big Mountain Music Festival 12』をはじめとしたフェスが多いのですが、それはお客さんが音楽そのものを楽しんでいるからかもしれません。一方、良いパフォーマンスをすればしっかりと反応が返ってきて、ダンスや歓声で応えてくれる面もあります。もしかすると、日本の音楽シーンが特殊なのかもしれません。世界での活動を目指す上で、音楽への評価がダイレクトなタイでの経験は本当に貴重だし、グループとしても実力を磨くことができているんじゃないかなと思います。
海沼流星(以下、海沼):タイの方はすごく優しいし、音楽を愛していることがライブをするたびに伝わってきます。ステージからみなさんの姿を見ていると、仲間意識というか、フェスのように僕らと一体となって楽しんでくれているなと感じます。タイという国が自分たちの力になってくれていると感じますし、この経験を積み重ねていくことで、僕らのパフォーマンスもレベルアップすると確信しています。
松井利樹(以下、松井):ようやく楽曲のレコーディングが始まったのですが、明らかに日本で作る時とは違う制作方法だなと感じています。いちアーティストとして磨かれた瞬間でもありましたし、思い描いたものをタイで作るということ自体が、僕らにとってターニングポイントだなと思います。今まで日本で作ってきたものとは一味違う、新しいBALLISTIK BOYZが生まれようとしています。
――利樹さんはYouTubeで配信されているリアリティショー『New School Breakin’』で、タイに来てすぐにF.HEROさんの前でソロダンスを披露していました。手応えはどうでしょう。
松井:F.HEROさんは褒めてくださいましたが、タイでいろんなステージに立って思ったのは、いくらダンスや歌やラップが上手くても、それだけじゃ駄目なんだということです。センスやスキルだけではなく、伝える気持ちやバイブスも必要なんだということを、タイにきて気づきました。
加納嘉将(以下、加納):タイと日本では流行っている音楽やジャンルも違います。J-POPも人気はありますが、たとえばヒップホップなどはより欧米に近い感覚だと思います。それと、日本ではみんなが知っているアーティストや有名な曲、パフォーマンスに対する興味が大きいと思いますが、タイの方は知らないアーティストや楽曲に対しても興味を持ってくれます。その場所に合わせて最適なパフォーマンスができれば、ちゃんと印象を残せるのがタイの音楽シーンの良いところだと感じました。まだタイに来て4カ月ですが、その経験を踏まえたセットリストを作ってライブに臨みたいと思います。
皆さんを圧倒できるような作品になった
――TRINITYとコラボレーションした新曲「Drop Dead」をいち早く聴かせてもらいました。F.HEROさんが総合プロデュースを務め、HIGH CLOUD ENTERTAINMENT所属のEDMアーティスト・BOTCASHさん(Boom Boom Cash)が手がけた楽曲です。これまでのBALLISTIK BOYZにはないタイプのフレッシュな楽曲となりましたが、コラボレーションしてどんな感想を抱きましたか。
砂田:日本でもEXILE TRIBEの先輩方以外とはコラボレーションしたことがなかったので、初めての経験でした。僕らと同じように、グローバルに活躍したいと考えているアーティストは世界中にいることを実感しています。おそらくTRINITYも僕らのことをいい意味でライバル視していると思います。どちらかのグループが先に行くと、もう一方のグループが食らいついていく感じで、切磋琢磨しています。同じ方向を見ているからこそ得られる特別な刺激があって、モチベーションも高まりました。ライバルは日本やアメリカや韓国のアーティストだけではないんだと、視野が広がりました。
――TRINITYは3人ならではの組み技のパフォーマンスなどもあって、一味違う印象です。
奥田:TRINITYのメンバーのパフォーマンスは事前に映像で観ていて、最近のリハーサルでようやく会う機会が増えました。だんだんと僕らとの会話も増えて、一人ひとりが考えていることや目標を話し合いました。3人とも「世界で活躍したい」という強い気持ちを持っていて、国は違えど、僕たちと目指す場所は近いと感じます。だからこそ、今回のコラボ曲「Drop Dead」に対する愛着も湧いてくるし、いつか日本での僕らのライブにも出演してもらいたいです。関係性が深めることで良い空気感が生まれるし、それも良いパフォーマンスには重要な要素だと実感しています。
日髙:新曲「Drop Dead」のコンセプトは、倒れても戦い続けるという僕らの強い意志が込められていて、リリックにも「これから世界を狙うんだ」という気持ちが込められています。振り付けも、僕らの熱い感情やクレイジーさを汲み取ったものになりました。手応えも自信もあります。皆さんを圧倒できるような作品になったはずです。
深堀:「Drop Dead」はいわゆる「音サビ」もポイントです。デモを聴いた瞬間から、胸に刺さる楽曲でした。振り付けも、音サビのダンスを存分に見せつけるものに仕上がっています。「Drop Dead」のような音サビのある楽曲は、メンバーの間でもいつかやりたいと話していたものなので興奮しました。MVへの反響も楽しみです。この楽曲をチャンスに変えていきたいです。
――冒頭からエキゾチックな民族楽器の音が入っていて、さまざまな音楽的要素が混じり合ったハイブリットな仕上がりになっているのも特徴的だと感じました。
深堀:トラックを制作してくださったBOTCASHさんは、僕らとTRINITYの国境を越えたコラボレーションを楽曲からも感じられるように、タイの民族楽器の音色を取り入れるなどしてくれたそうです。そういう意味でも、日本ではあまりない発想の楽曲になっていると思います。
海沼:世界で戦うにふさわしい、勢いの楽曲だと思います。結成当初からチャレンジしてみたかったタイプの楽曲で、自分たちの強みであるスピードや展開力も活かせると思います。タイに来て、世界進出を目指す第一歩のタイミングでこの曲に出会えたことには意味があるはず。今まで培ってきたもの、音楽を愛する気持ち、そして大きな夢をTRINITYの三人とともにぶつけたいと思います。
――振り付けのポイントは?
松井:前回のシングル表題曲「ラストダンスに BYE BYE」と同じく、KAITAくんとKAZtheFIREくんのコンビに作ってもらいました。より良い作品にしたいという気持ちで、同世代で信頼するダンサーである彼らに託しました。楽曲への想いが今までにないくらい強いので、歌やラップだけでなく、ダンスにも僕らの根っこにある強さや内に秘めた気持ちが表されていると思います。力強いけど、どこか冷静さもある感じ。存分に魂を込めたダンスをお見せできると思います。
加納:最初に振り付けを見たときに、改めてレベルの高さに驚きました。付いていくのが難しいほどで、集中力が切れたらヤバいなと思いながら練習に打ち込みました。一方で、これを全員でマスターすることができたら、相当にすごいものが出来上がるという期待もありました。この楽曲のパフォーマンスを妥協せずに作り上げることができれば、日本やタイのみならず、他の国でも評価されるのではないかと思いました。世界への扉が僕らの目の前にある。