Jr.EXILE、総勢45人で繋いだ怒涛のリレー グループの垣根を越えた感動が盛りだくさんの『LIVE-EXPO 2022』レポート

Jr.EXILE、総勢45人で繋いだ怒涛のリレー

 LDHが主催するイベント『Jr.EXILE LIVE-EXPO 2022』が、12月31日に有明アリーナにて開催された。「2022年 総集編 LIVE祭!!」と謳う本公演には、GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS、BALLISTIK BOYZ、PSYCHIC FEVERからなる“Jr.EXILE”総勢45人が大集結し、2022年に彼らが開催した各ツアーをダイジェストにしてお届け。オープニングアクトには、Z世代に人気の高いガールズパフォーマンスグループ Girls²や、今年開催されたLDH史上最大級のオーディション『iCON Z 2022 ~Dreams For Children~』でグランプリを獲得したLIL LEAGUE、現在『iCON Z』第二章に挑戦しているメンバーたちも登場。4時間半に及ぶスペシャルライブで大晦日を盛り上げ、2023年にバトンを渡した(ABEMA、ライブビューイングでも同時配信)。

 DREAM SPARK(オープニングアクト)のステージに先陣を切って現れたのは、『iCON Z』の第二章で切磋琢磨している3グループ。KID PHENOMENONが「C’mon」でZ世代の勢いとスキルの高さを示すと、WOLF HOWL HARMONYはラブバラード「LOVE RED」に繊細な歌声を重ね、THE JET BOY BANGERZはエネルギッシュなダンスと歌声で「RAGING BULL」に闘志を込める。

 ガールズ×戦士シリーズから生まれた9人組グループ Girls²は、キュートな恋心を描いた最新曲「Love Genic」を含む3曲を笑顔でパフォーマンス。最後は2023年1月11日にメジャーデビューを控える6人組ボーイズグループ LIL LEAGUEが、デビューシングル収録の「Coloring Book」と「Rollah Coaster」を披露し、場内を“LIL SMILE”で染め上げた。

 そして、Jr.EXILEの5グループを代表して小森隼/陣/中島颯太/加納嘉将/WEESAがMCを務める中、満を持して本編がスタート。5人は各グループの1年を賑やかに振り返ると、「『Jr.EXILE LIVE-EXPO 2022』開幕!」と叫び、トップバッターのFANTASTICSに繋ぐ。MCの彼らは幕間でもパフォーマンス直後の各グループにインタビューし、ライブやバラエティ番組で培ったトーク力とお笑い力を存分に発揮していた。

 2022年に“FANTASTICSがファンの皆さんと一緒に大きな夢へ向かって旅するプロジェクト”として『FAN FAN PROJECT』を始動させた彼らは、今夏開催の『FANTASTICS LIVE TOUR 2022 “FAN FAN HOP”』と今冬開催の『FANTASTICS LIVE TOUR 2022 “FAN FAN STEP”』を有明アリーナのステージに再現。白いつなぎに身を包んだ佐藤大樹が自転車に乗ってステージに現れるところから、ライブは始まった。他のメンバーもコミカルなジェスチャーをしながら現れ、文字の書いてあるキューブを並べて『FAN FAN HOP』のロゴを完成させていく。そんな芝居を取り入れた演出は、初めて単独ライブを行った頃からメンバーたちが大事にしてきたものであり、個人活動においても俳優としての活躍が目覚ましいFANTASTICSならではのオープニングだ。

FANTASTICS

 早着替えした8人は、プロジェクトの一環で、亀田誠治がプロデュースを手掛けた三部作の第1弾楽曲「Summer Bike」を披露。「Drive Me Crazy」や「Play Back」ではテクニカルなダンスパートで魅了する。続けて、ビッグスマイルを輝かせながら観客と一体になりジャンプを連発した「Overflow」、豪快なシャウトが響いたロックチューン「ギリギリRide it out」、初期のグループ像を象徴する爽やかな「Flying Fish」と、次々に新たな表情を見せれば、観客の心はFANTASTICSの手の中に。見事な展開でステージに視線を釘づけにしたところで、八木勇征が「この曲で1つになっていきましょう!」と呼びかけ「Choo Choo TRAIN」が始まった。ZOOからEXILEへ受け継がれ、今年、亀田誠治プロデュースの新アレンジで生まれ変わった同曲は、現役EXILEメンバーの世界と佐藤大樹が中心となって始動したFANTASTICSにピッタリのダンスチューン。EXILEの「Choo Choo TRAIN」では最後列を務めている佐藤大樹から、最後列の世界へとときめきを運ぶロールダンスはもちろんのこと、オリジナルの振付も加わり華やかなステージとなった。

 現在タイに拠点を移して活動中のBALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERは、THE RAMPAGEから派生したヒップホップユニット MA55IVE(LIKIYA、神谷健太、山本彰吾、浦川翔平、鈴木昂秀)と今夏に開催した『THE SURVIVAL 2022 ~BALLISTIK BOYZ vs MA55IVE~ × PSYCHIC FEVER』を振り返る。“THE SURVIVAL”と言いながらも、実際は仲良くアイデアを出し合って制作したツアーだったそうだが、冒頭で3グループがメインステージを練り歩く様は、まさにバトルの始まりといった雰囲気。MA55IVEは「Determined」で、BALLISTIK BOYZは「ANTI-HERO'S」で、PSYCHIC FEVERは「PSYCHIC FEVER!!」で、その存在感を見せつけた。

 続くMA55IVEのパートでは、今年11月にリリースした「W.Y.W」や「LIT」で挑発しながらも、「Way Up」で明るい未来にエスコート。PSYCHIC FEVERは「Spark It Up」で一気に加速すると、デビューアルバムのリード曲「Choose One」でJr.EXILEとしての信念を歌い上げる。オーセンティックなヒップホップナンバーもさることながら、ミディアムテンポのウィンターソング「Snow Candy」を担うボーカルの歌唱力もPSYCHIC FEVERの大きな魅力だろう。タイでの武者修行を通して、一段と頼もしくなった彼らに大きな拍手が降り注いだ。

 そこに聴き慣れたイントロが舞い込み、一際大きな歓声が上がる。2021年にリリースされ、世界的にも注目されたBALLISTIK BOYZの「Animal」である。「Most Wanted」「Front Burner」「Make U a believer」のメドレーで思うままに客席を煽った7人は、「今日は2022年ラスト、最高の思い出を一緒に作って帰りましょう」(砂田将宏)と語りかけ、タイに出発する前にリリースしたラブソング「ラストダンスにBYE BYE」と、最新エールソング「ドラマチックを残したい」で日本のファンと再び心を近づける。このブロックの後半には、MA55IVEとBALLISTIK BOYZのラップ担当によるコラボステージや、3グループで「RIDE OR DIE」「Spread the Wings」「PASION」を歌唱する場面もあり、19人がグループの垣根を越えてじゃれ合う姿が大晦日ムードを盛り上げた。

 次のブロックには、12月30日にこの有明アリーナのステージで『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2022 “RAY OF LIGHT”』の最終公演を行ったTHE RAMPAGEが登場。本ツアーのオープニングと同様「RAY OF LIGHT」で幕を開けると、メリハリの効いた演出で視線を奪っていく。川村壱馬の「Are you ready? Put your hands up!」の声を合図に突入したのは、5周年を迎えた彼らのデビュー曲「Lightning」。“ガンフィンガー”ダンスが特徴的な「LA FIESTA」や、新たな定番スタイルを確立したラテン調の「Fandango」「HEATWAVE」など、最高に熱い夏を共に駆け抜けたダンスチューンがステージを彩る。

THE RAMPAGE

 さらに、メンバーが多数出演している映画『HiGH&LOW THE WORST X』の主題歌「THE POWER」や、映画『HiGH&LOW THE WORST』の劇中歌「SWAG & PRIDE」、世界的ギタリスト MIYAVIとの共演が実現した「ROUND UP feat. MIYAVI」など、トピックの多いTHE RAMPAGEの1年を象徴するような重厚感のある楽曲も披露。荒々しく炎が上がる中、説得力のある歌声と、大所帯で魅せるエネルギッシュなダンスがロック魂を体現し、観客を巻き込んでいく。一人ひとりが個人活動で実績を残しながらも、16人でのライブを大切に守り続けた彼らのブレない姿勢が、この10曲に詰まっていた。ちなみに終演後、MA55IVEとしてもステージに立った山本彰吾が話を振られると、前日のライブで話題を呼んだほっぺハート(山本の頬を挟む形で他メンバーがハートを作るポーズ)を再現しようと、与那嶺瑠唯・藤原樹・神谷健太が山本彰吾のほっぺに吸い寄せられる場面も。強気なパフォーマンスとのギャップもまた、彼らが多くの人に愛される理由だろう。

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