バッド・バニー、BLACKPINK……非英語圏アーティストの躍進が目覚ましいコーチェラ 世界的フェスのラインナップ傾向も
個人的には上記に挙げたアーティスト以外にも、『第65回グラミー賞』にノミネートされている新世代ジャズの天才 DOMi and JD Beck、トベ・ンウィーグウェ、<Warp Records>に所属するイヴ・トゥモア、2度の『FUJI ROCK FESTIVAL』出演でそのミュージシャンシップが絶賛されるHiatus Kaiyote、DIYループファンクアーティストとしてフライング・ロータスなどにも高く評価されるマーク・ラヴィエなどに注目したい。また、レミ・ウルフとドミニク・ファイクが両方とも出演するのもあり、2人のコラボ曲「Photo ID (with Dominic Fike)」(レミ・ウルフ)を披露することに期待しているファンも多いだろう。2011年に1stシングルをリリースし、2019年以来楽曲をリリースしていないジェイ・ポールの出演も決定しており、フランク・オーシャンと同じく滅多に表舞台に登場しない彼の新作も期待されている。
非英語圏のスターが目立つ今年の『コーチェラ』であるが、同時期にラインナップが発表された『Bonnaroo Music and Arts Festival』(以下、『ボナルー』)のラインナップと比較すると興味深い結果となっている。6月に開催される『ボナルー』では、非英語圏のアーティストをメインで置いた『コーチェラ』とは違い、音楽フェスのヘッドライナーとしては見慣れたケンドリック・ラマー、Odesza、Foo Fightersが主要野外ステージのヘッドライナーを務めている。『コーチェラ』が舵を切った方向性とは違い、音楽フェス定番のアクトが目立つのが印象的だ。
Foo Fightersは今年5月に開催されるロック色の強いフェス『Boston Calling』のヘッドライナーも務めており、パンデミックでキャンセルになった2020年と2021年、そしてドラマーのテイラー・ホーキンスが亡くなったことによりキャンセルとなった2022年を経て、今年さまざまなフェスへと出演していく。他にはYeah Yeah Yeahs、The Lumineers、アラニス・モリセット、Paramore、Queens of Stone Ageが『ボナルー』のヘッドライナーを務める。
チャートのグローバル化を受けて世界を意識し、音楽トレンドの流れに敏感なラインナップとなった『コーチェラ』。そしてアメリカの従来の音楽フェスファンの心を掴みにきたと言える『ボナルー』。それらを受け、8月にシカゴで開催される『Lollapalooza』、そして最終日のヘッドライナーであるエルトン・ジョンのみが発表されている『Glastonbury Festival』がどのようなラインナップを発表するかにも注目したい。
※1:https://www.nme.com/news/music/here-is-apple-musics-list-of-the-top-songs-of-2022-3357948
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