Tokimeki Records、ライブでこそ明かされるノスタルジーの正体 新発見やトキメキに満ちた『透明なガール Release Party』

Tokimeki Records、ノスタルジーの正体

 ライブは後半へ。洗練されたファンキーなイントロが鳴ると、クラップをしながらひかりがステージへ。披露された「Sweet Escape」は、エレクトリックブギーを軸にしたアップチューン。客席もひかりに合わせて、身体を揺らしながらクラップする。前半では見せなかった笑顔で歌うひかり。この彼女の表情の変化から『透明なガール』というアルバムは、1人の女性、例えば古町ミナの初夏から初秋にかけてのストーリーだったのか、とまたしても気づかされる。新発見の連発にトキメキまくりである。

 このように、アルバムを1人の女性のストーリーだったと仮定すると、『透明なガール』を収録曲順にしたセットリストの意味もわかってくる。おそらく、アルバムのコンセプトが決まり、完成したときから、この日のセットリストは決まっていたのだ。このライブの目的は、『透明なガール』という架空の人物を、もっとイメージしてもらうこと。そういう意味では、Tokimeki Recordsのライブは楽曲の再現の場ではなく、彼らが描くイメージを魅せるための場所と考えるべきなのではなかろうか。

 アンコールでは、最新シングル曲「接吻」(Original Loveカバー)や、ここ数カ月SNSを中心に注目度を高めているシンガーソングライター tonunを迎え「いつか(SOMEDAY)」(山下達郎カバー)を披露した。

 そして、古町ミナもどうやらこの日のライブを観に行っていたようだ。当日のライブ写真をアップしたTokimeki RecordsのTwitter投稿をリツイートする形でこうつぶやいている。

「トキメキまくりました…」

 最後には、グラデーションのあるハートとポロリと涙をこぼす顔の絵文字がついている。ゆれる心。切ない涙。それがTokimeki Recordsが描こうとしている“ノスタルジー”の正体なのかもしれない。

Tokimeki Records、『透明なガール』に仕掛けられた細やかな”妄想”の種ーーアルバムリリースを機にプロジェクトを紐解く

都会の夜の帳を舞台に、ノスタルジックな音楽を届ける音楽プロジェクトTokimeki Recordsが、10月5日に初のオリジナル…

80s-90sの名曲をカバーするTokimeki Recordsの新展開、『透明なガール』とは? 緻密なストーリーとサウンドの魅力に迫る

Tokimeki Recordsに出会ったのは、Spotifyのとあるプレイリストだった。Suchmosのカバー「STAY TU…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる