乃木坂46、EXILE、&TEAM、DREAMS COME TRUE、ClariS……12月7日リリースの新譜5作をレビュー
毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は12月7日リリースの乃木坂46『ここにはないもの』、EXILE『POWER OF WISH』、&TEAM『First Howling : ME』、DREAMS COME TRUE『スピリラ』、ClariS『WINTER TRACKS -冬のうた-』の5作品をピックアップした。(編集部)
乃木坂46『ここにはないもの』
乃木坂46による31枚目のシングル。表題曲の「ここにはないもの」は、先日グループからの卒業を発表した齋藤飛鳥が8作ぶり5度目となるセンターを務めた1曲。1フレーズの中に歌詞を詰め込んだフォークソング的なアプローチのAメロから始まり、センチメンタルなメロディラインが印象的なBメロ、〈寂しさよ 語りかけるな/心が折れそうになる〉〈それでも一人で行くよ/まだ見ぬ世界の先へ〉と旅立ちの心情を綴ったサビへ。別れの爽やかさと切なさを同時に体現した楽曲で、これまで1期生としてグループを支えてきた齋藤にふさわしい有終の美を飾った。またカップリングにはアンダーメンバーによる新曲「悪い成分」を収録。危険な恋模様をラテンミュージックの要素を取り入れたスリリングなアレンジで表現した。(渡部)
EXILE『POWER OF WISH』
14人体制の新生EXILEでのアリーナツアーを経て、限定復活のATSUSHIを加えた“15人のEXILE”によるオリジナルアルバムがリリース。「Love of History」「愛のために 〜for love, for a child」「SUNSHINE」「BE THE ONE」といったシングル曲、ツアーのテーマ曲「POWER OF WISH」などを収録し、2019年以降の軌跡を追体験できる作品だ。USのR&B、エレクトロなどの潮流を感じさせつつ、すべての日本国内のリスナーに訴求できる楽曲に結びつけるプロダクトもさらに進化している。特筆すべきは「Ti Amo」「Lovers Again」などのライブ音源が収められていること。EXILEの歴史を作ってきた名曲をさらに発展させながら、未来につなぐ姿勢が強く反映されていることこそが、このアルバムの本質。その根底にはあるのは“変わらないために変化を続ける”スタンスなのだと思う。(森)
&TEAM『First Howling : ME』
オーディション番組『&AUDITION - The Howling -』(Hulu/YouTube)から生まれた、日本、韓国、台湾出身のメンバー9人によるボーイズグループ・&TEAM。「それぞれ個性を持つ9人が一つのチームとなり、多様な世界を結びつける」というテーマを掲げた彼らから、デビューEP『First Howling : ME』が届けられた。Ado「うっせぇわ」でも知られるボカロP・syudouらが制作に参加した「Under the skin」は、ロックバンド的なアプローチとダイナミックなメロディ、そして閉鎖的な状況から踏み出したいという思いを刻んだリリックが一つになったミディアムチューン。そのほか、ブレイクビーツの進化系と称すべきトラック、官能的なグルーヴをたたえた歌声が溶け合う「Scent of you」、軽快なギターカッティングとともにカラフルな恋愛感情を描いた「バズ恋 (BUZZ LOVE)」などを収録。(森)