DREAMS COME TRUEの“血沸き肉躍る”音楽の祭典 30周年のドリカムワンダーランドを見た

“30周年のドリカムワンダーランド”を見た

 DREAMS COME TRUEの4年に1度のグレイテスト・ヒッツ・ライブ『DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019』。数年前から、「2019年はデビュー30周年とワンダーランドが重ねる大事な年。そこでどんなライブを見せられるかで、DREAMS COME TRUEの真価が問われる」という趣旨の発言を繰り返してきた吉田美和と中村正人。否が応でも注目度が高まるなかで行われた今回のワンダーランドで二人は、観客の予想を裏切り、期待を遥かに超える、まさに“血沸き肉躍る”ライブを見せつけてくれた。

 “史上最強の移動遊園地”を掲げ、これまでも前代未聞のステージを繰り広げてきたドリカムワンダーランド。今回はここ数年にトライしてきた様々な演出とステージ構成を集約しつつ、革新的なエンターテインメントに結びつける内容となった。

 CGアニメーションを使ったストーリー性のある映像とドリカムワンダーランドのテーマ曲「A theme of the WONDERLAND」によるオープニングは、前回までの演出を踏襲。また、「世界中からサヨウナラ」で披露された吉田美和の3Dフライング(特殊なワイヤーを使い、会場全体を上下左右に飛び回るパフォーマンス)、「うれしい!たのしい!大好き!」で行われた“ドリー・ザ・ブート・キャンプ”(観客とパフォーマーが同じ振付で盛り上がるコーナー)など、ワンダーランド名物と呼ぶべき演出もたっぷり。オーディエンスも“待ってました!”とばかりに楽しんでいた。

 ステージ機構における新しい要素としては、バンドメンバー全員を乗せた状態で動くムービングステージだろう。総量60tにも及ぶステージがアリーナ後方にまで移動する様子はまさに壮観。現在では数多くのアーティストがムービングステージを使っているが、これほど大規模なものは見たことがなかった。

 そのほか、FUNK THE PEANUTSによる20年ぶりの新曲「SPOIL!」の披露、AKS、D-SOLDIERS、D-FAIRIES、黒ドリダンサーズを含む総勢43名によるパフォーマンス、世界的ファッションデザイナーであるKEITA MARUYAMA、Maison MIHARA YASUHIROによる美しくも斬新な衣装など見どころ満載だった今回のドリカムワンダーランド。しかし、その中軸を担っていたのは、ステージセットでも演出でも照明でも映像でもなく、楽曲と演奏と歌。つまり音楽そのものだった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる