i☆Ris、笑いあり&涙ありのデビュー10周年記念コンサート 「ここからもっとハッピーに楽しいことを届けたい」


メンバーが声優も務めたアニメ『プリパラ』のテーマソングを集めた「プリパラメドレー」は、「Make it!」に始まり「Memorial」まで、なんと全9曲をノンストップで披露し、10周年ならではのスペシャルなものとなった。会場には小学生の頃に『プリパラ』を観たというファンも多く、ペンライトを振りながら5人と一緒に踊ってジャンプ。激しい振り付けを休むことなく踊り切った5人は、最後にまるで青春を写した1枚のように肩を組んで微笑み合った。MCでは当時「大きくなったら自分のお金で会いに行きます」と書かれた、ファンレターをもらったエピソードを披露。「今日、観てくれてるかな?」「そのままオタクでいてくれてありがとう!」と、ファンに手を振っていた。

また、1stシングル『Color』のカップリング曲「らむねサンセット」を披露した際には、デビュー当時アキバ☆ソフマップ1号店で開催したリリースイベントで、持ち曲が2曲しかなく「Color」を2回歌ったというエピソードも。「それが今は100曲以上もある」と話しながら、メンバーは感無量といった様子だった。

終盤は、ノリのいいナンバーを連発。ダンスチューンの「ありえんほどフィーバー」は、ユーモアを交えながらポーズを決めて、ファンの盛り上がりも最高潮に。ポップなビートに乗せて明るく前向きに歌った「§Rainbow」では、リズムに合わせて〈i☆Ris10周年 10年間ありがとう〉と歌い、観客もそれに手拍子で答えてコール&レスポンス。最後は、勢いある「アルティメット☆MAGIC」で締めくくった。
アンコールでは、ベストアルバムに収録の新曲「Anniversary」が披露された。メンバーがファンに向けて書いた手紙を元に作詞された楽曲で、ステージに並んで真っ直ぐ思いを伝えるように歌う。5人がギュッと頬を寄せ合いくっついた様子は、まるでアイドル雑誌の表紙のようで、10年前と変わらぬ5人の笑顔に目頭が熱くなった。


最後にメンバーそれぞれが、今の思いを語った。久保田未夢は、i☆Risを続けていなかったら別の未来があったかもしれない可能性に触れながら、「逃したチャンスよりも、今の景色がずっと楽しい。何だかんだ言ってi☆Risが楽しい」と、少し照れくさそうに語った。若井友希は、もともと声優もアイドルもやる予定ではなかったそうだが、それでも続けられたのは「このメンバーだったから」と話す。「11年目をみんなと迎えられるありがたみ。ライブができているという尊さ。ここからもっとハッピーに、もっといろいろな楽しいことを届けたい」とコメント。茜屋日海夏は、飽き性の自分が10年も続けてこられたのは奇跡だと話し、「マスク越しでもみんなの笑顔が分かる。皆さんのおかげで、ここまで来られました」と感謝した。芹澤優は、「この10年、ファンのみんなには大好きだと伝えてきたので」ということで、趣向を変えてメンバーに感謝の思いを伝えた。一人ひとりの名前を呼びながら、普段は言えない思いを伝え、メンバーと抱き合って泣いた芹澤。山北に対して「アイドル・山北早紀を推しはしないが、応援はしてる」としっかりオチをつけるあたりさすがだ。そして10年グループを引っ張ってきたリーダーの山北は、「もう辞めるタイミングを失った。アラサーも強み(笑)」と冗談めかしながら、「11年目のi☆Risは、誰にもできないことをやっていく。ハッピーな報告しかないi☆Risちゃんの11年目もよろしく!」と、力強くコメント。ライブの最後は、i☆Risが目指すハッピーで楽しい未来を描いたポップソング「Happy New World☆」で締めくくり、「今日ここまでi☆Risを応援してきてくれた全ての人に、ラブチュッチュー」と、全身全霊のハートと投げキッスを全てのファンへ送った。


冒頭から若井のピアスが壊れ、山北がイヤモニを外したまま歌うなど、実にi☆Risらしく、ハプニングもあったライブ。ライブは3時間に及び、終盤には足がつってしまうメンバーも。アイドルらしい可愛らしさと、アニソンの楽しさや格好良さを携え歌って踊り、時にはしっとりとバラードも聴かせる。MCでは仲の良さを感じさせる賑やかなトークを展開し、自虐を交えながら禁断の舞台裏を明かす場面も。気取らず、飾らず、笑いあり、涙あり。10周年記念日に相応しい、i☆Risの魅力を全部乗せにしたフルコースのライブだった。

























