SixTONES、今市隆二、OWV、KANA-BOON、YUKI……11月2日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は11月2日リリースのSixTONES『Good Luck! / ふたり』、今市隆二『GOOD OLD FUTURE』、OWV『Let Go』、KANA-BOON『きらりらり』、YUKI『Bump & Grind』の5作品をピックアップした。(編集部)

SixTONES『Good Luck! / ふたり』

 ジャニーズやアイドルという枠組みに囚われることなく、次々と新しい音楽性に果敢に挑戦し続けているSixTONES。そのスタンスは、今年の年明けにリリースされた2ndアルバム『CITY』において一つの美しい結実を見せた。そしてその快進撃はさらに加速していて、早くも今年3枚目のシングルが届けられた。1つ目の表題曲「Good Luck!」は、カラフルで眩い輝きを放つ痛快なポップチューンで、いわゆる王道のジャニーズポップスが彼らのシングル表題曲となるのは今回が初めて。これまでオルタナティブな精神を掲げながら活動を続けてきたSixTONESの楽曲の中で、こうした王道ナンバーは逆に異端に映るが、この曲には、6人のエンターテイナーとしての確固たる矜持が貫かれている。そしてそれは、先輩たちが長年にわたり大切にし続けてきたジャニーズアイドルの信念そのものであり、そのイズムを継承した同曲は、2020年代における新しいジャニーズアンセムの一つとして長く愛されていく楽曲になるはずだ。もう1つの表題曲「ふたり」は、春にリリースされた「わたし」と対を成すような清廉なラブバラード。多彩な音楽ジャンルに挑みながら、同時に歌をより洗練させるための成果が、見事に表れている。グループとして、どこまで深い表現を追求できるか。SixTONESの妥協なき挑戦は続く。(松本)

SixTONES – Good Luck! [YouTube ver.]

今市隆二『GOOD OLD FUTURE』

 アルバムタイトル『GOOD OLD FUTURE』は“古き良き未来”を意味する造語。今市のルーツであるオーセンティックなR&Bを現代的なポップミュージックに結びつけようとする試みは、Silk Sonicに象徴されるここ数年のグローバルポップの潮流とも合致している。90年代US・R&Bを代表するプロデューサー ゴードン・チェンバースを招いた、まさに“懐かしくて新しい”R&Bバラード「Don’t Give Up」、今市の音楽的盟友であるYVES&ADAMSとコライトによる濃密にして官能的なグルーヴナンバー「ROMEO + JULIET」など、明確なビジョンを感じさせる作品に仕上がっている。母親という存在に捧げた「Song for Mama」は、彼自身が作詞を担当。実体験を反映させつつ、誰もが共感できるメッセージソングへと昇華している。(森)

RYUJI IMAICHI - “CASTLE OF SAND” Music Video

OWV『Let Go』

 オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』(GYAO!/TBS系)に出演経験がある4人で結成され、2020年秋にデビュー。これまで発表したシングル6作がすべてオリコンチャートで5位以内に入るなど、確実に存在感を強めているボーイズグループ OWVからニューシングル『Let Go』が到着。表題曲はサブベース、キックを強調したトラックとギターサウンドを軸にしたミディアムチューン。憂いと切なさが溶け合うメロディに乗せ、“君”への思いを吹っ切ることができない“僕”の感情をエモーショナルに歌い上げている。これまでのアッパーなダンスチューンだけではなく、歌で勝負できることを示した楽曲と言えるだろう。カップリングには強靭なビートが心地いいアッパーチューン「Tararam」、開放的なトラックと“君ならできる”というメッセージが響き合う「Gonna Getcha」を収録。(森)

OWV - 「Let Go」Music Video【4K】

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