稲垣吾郎&草彅剛&香取慎吾、30年にわたる被災地支援の歩み 「また彼らが動いてくれた」――やさしさを束ねる力
稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が広げた新しい地図と公益財団法人日本財団が共同で運営する「LOVE POCKET FUND」が、令和8年熊本地震に関する支援プロジェクトを立ち上げた。寄付の受け付けが開始しており、同時に3000万円の寄付も発表された。
■Information
・令和8年熊本地震支援プロジェクト開始のお知らせ詳細は、下記URLよりご確認ください。https://t.co/dd4X8QoGJt
#lovepocketfund#ラブポケットファンド— LOVE POCKET FUND (@lovepocketfund) July 29, 2026
このニュースが駆け抜けたとき、SNSに並んだのは、寄付額への驚きといった反響よりも、「また彼らが動いてくれた」という安堵にも似た声だった。
今回の支援は、突然始まった新しい取り組みとしてではなく、SMAP時代から変わらず続いてきた姿勢の延長として受け止められたのだろう。災害が起きたとき、困難のなかにいる人へ心を寄せ、「心はひとつです」と伝える。世間が日常を取り戻したあとも、その思いを途切れさせない。だからこそ、「やっぱり、この国にはこの人たちがいてくれる」と感じた人も多かったのではないか。
「がんばれ」ではなく、「がんばりましょう」
1995年1月に発生した阪神・淡路大震災の際、SMAPは音楽番組で「がんばりましょう」を披露した。誰かにエールを送るとき、私たちはつい「がんばれ」と言いたくなる。もちろん、その言葉が力になる場面はある。一方で、突然日常を奪われ、自分の力だけではどうにもできない状況にいる人にとっては、その言葉が重く響くこともあるだろう。
けれど、「がんばりましょう」は違う。あなたひとりが頑張るのではなく、私も、私たちも、一緒に頑張る。その言葉からは、同じ場所に立とうとする意志が感じられるのだ。国民的アイドルグループが、まっすぐに「がんばりましょう」と歌うことで、その困難は決してひとりだけのものではないのだと、日本中が受け止めた。誰かを遠くから励ますのではなく、隣に並び、ともに前を向く。その距離感は、のちの彼らの支援活動にも通じている。
2011年の東日本大震災でも、復興支援のCMに彼らが姿を見せるだけで、心が落ち着いたという人は少なくなかった。いつもテレビで観てきた人が、変わらずそこにいる。ただそれだけでも、失われた日常を取り戻そうとする力になる。「日本の力を、信じてる」。彼らの言葉は、誰かを奮い立たせるための号令というより、心をひとつにして進んでいこうという呼びかけに聞こえた。
その後も、彼らは実際に被災地へ足を運び、復興支援を続けてきた。それも、一度きりではない。冠番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)では緊急生放送を行い、エンディングで5年以上にわたって支援金への協力を呼びかけたのだ。復興には時間がかかる。日々のニュースが次の話題へ移っても、そこで暮らす人々の生活は続いている。月曜夜10時、番組の終わりに流れる呼びかけは、被災地に向けて全国の視聴者が心を寄せる、やさしい時間にもなっていたように思う。
災害のたびに形を変えて寄り添う
彼らの支援は、いつも同じ形ではない。2016年の熊本地震当時、SMAPは大きな渦中にあり、グループとして動くことは難しかった。それでも、メンバーがそれぞれ被災地で炊き出しに参加する姿が伝えられた。そして今度は、彼らの背中を見てきたファンが支援広告を掲載するなど、自ら動き始めたことも心を打つ展開だった。
2017年に新しい地図を広げてからも、その姿勢は変わらない。2018年の西日本豪雨の際には『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)で被災地へ心を寄せ、2019年に千葉県を襲った台風15号では、草彅と香取がラジオ番組に急きょ出演してメッセージを届けた。
草彅は「僕らも皆さんに寄り添って皆さんのことを考えていますので」と語り、香取は「離れていても思いは一つですから」と呼びかけた(※1)。ふたりが去ったあとには、支援物資が残されていたという。
2020年には日本財団とともに「LOVE POCKET FUND」を設立。コロナ禍の支援を皮切りに、豪雨災害や能登半島地震、子ども支援など、さまざまな社会課題に向き合ってきた。
その規模だけを見れば、“スターだからできること”に映るかもしれない。けれど、災害の一報を受けて、縁のある人に「大丈夫?」「できることはない?」と声をかけずにはいられない気持ちは、私たちの日常にもあるものだ。
LOVE POCKET FUNDへの皆さんの気持ちが形に…ドクターカーお披露目会開催 草彅剛が医療従事者の皆さんにエール送るhttps://t.co/VSTy1XM4Rw#新しい地図#atarashiichizu#稲垣吾郎#GoroInagaki#草彅剛#TsuyoshiKusanagi#香取慎吾#ShingoKatori#lovepocketfund#ラブポケットファンド pic.twitter.com/DuOlqVQhTZ
— 新しい地図 (@atarashiichizu) April 9, 2021
長く国民的アイドルとして活動してきた彼らには、それだけ全国各地に多くの縁がある。今回の支援にも、3人の最新映画『BANA_ANA』(正式表記はアンダーバーは穴の絵文字)が熊本・天草で撮影されたというつながりがあった。天草の美しい景色や食、人の温かさを伝えてきた彼らにとって、そこは単なる撮影地ではないのだろう。
映像作品の撮影、コンサート、バラエティー番組のロケ。長い年月をかけて、彼らは数え切れないほど多くの土地を訪れてきた。どこへ行っても「吾郎さん」「つよぽん」「慎吾ちゃん」と親しみを込めて呼ばれる。そして彼らもまた、その土地に暮らす人々を、顔の見える存在として心に留めている。全国のあちこちに「ただいま」と言える場所があり、「おかえり」と迎えてくれる人がいる。その関係性こそが、彼らを“国民的”と呼ぶ理由なのかもしれない。
人の思いを、届けられる力へ
「LOVE POCKET FUND」の設立時、「for youだけど、for meでもある」という言葉が掲げられていた。誰かのためにすることが、自分のためにもなる。誰かにやさしくすることで、自分も幸せになれる。そこにあるのは、スターから被災地へ一方的に何かを与えるという発想ではない。
彼らが声を上げることで、「自分も何かしたい」と思う人が集まる。その善意の循環を生み出せることこそ、長年、国民的アイドルとして人々に寄り添い続けてきた3人だからこそ持つ力なのだ。
「この人たちなら、きっと届けてくれる」と、自分の思いを託せる。今回、SNSに「また彼らが動いてくれた」という声が並んだように、その「また」という二文字には、30年以上にわたって人々に寄り添い続けてきた時間が詰まっている。
声をかけること。忘れずに思い続けること。そして、人々のやさしさを束ね、必要とする場所へつないでいくこと。災害のたびに私たちが思い出すのは、華やかな舞台の上に立つ3人だけではない。「大丈夫。心はひとつです」と、変わらず隣に立ってくれる3人の姿だ。
※1:https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/09/14/articles/20190914s00041000245000c.html


























